雨の日の傘の下

最近、一人暮らしをはじめた。
ここ何日か自分の期待に応えるべく、なんとなく忙しなく日常を形作ろうとしていた。
今日は朝からずっと降ったり止んだり、バスを待つ今このタイミングでの酷い雨にぼんやりとじぶんの輪郭がぼやけた。
一年前に遠くへ1人で引っ越して行った人が最近やっと生活をしている実感があり、穏やかな時間がこの一年余りなかったように思う。少しづつ持てるようにしたい。というようなことを言っていた。自分はこれからどうなるだろうか、となんとなくどんよりした空気に埋没する。
ぼつぼつというビニール傘にあたる雨粒の音によって自分がそこに在るということを認識する。

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