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つん
2024年5月25日 19:56
蛍 |蛍を掴んで瓶に入れて、そのまろやかな光をただぼーっと見つめていた。その蛍が急に変身するのである。それは蛍だったのかわたしもよく分からない。光る小人だったのか?わからない。確かに羽根があって、それは虫のものだったような…奇怪だ。
2024年5月23日 18:59
むせ返るようなクチナシの匂いが辺りを漂っていた。海岸の近くの坂の上の洋館にその人は住んでいた。ギターを弾き、小鳥のように歌う人だった。桜がちらちらと舞うある日、彼女は涙を流していた。好きな人に想いを伝えたと言う。残念ながら想いは届かなかったようだ。泣いてる彼女は美しかった。クチナシの咲く頃には彼女の涙も乾いていた。僕らは浜辺で楽器のをセッションをした。彼女はギターを弾いていた。僕はオカリナを吹
2024年5月18日 02:04
既視感。 昔、私はこの近くに住んでいたことがあった気がする。なんとなく河の感じや道に見覚えがある。朧げなのは10年も前の記憶だからで、小学校に上がる前だった。まだ母と暮らしていたときだ。 この街は交通量の多い、広い大通りよりもうんと幅の広い運河が流れている。河は黒々としていてうねるように流れている。少し潮のニオイが混ざった運河特有の匂いがする。このニオイを嗅ぐのが日常になって暫く経つ。ここでは