デジタルデータバックアップは何がデータ消失しづらいか(CD-R、DVD-R、ハードディスク、SDカード、ポータブルSSD)

デジタルデータバックアップについては、前回書いた「2025年頃の太陽フレア極大期」以外にも、日本政府が企業に対して、「2025年の崖」という「昭和などの過去のデジタル技術の老朽化とシステム終了日問題」という致命的な問題が言われて、日本政府が企業に対して、「何とかしろ」と言っている。

(デジタルデータ破損問題と、デジタルデータバックアップ問題)

・2025年頃の太陽フレア極大期(デジタル用品バックアップ)
・経済産業省発表レポートの「2025年の崖」問題(2025年に、日本の古いIT革命時代のインフラの活動限界期限がくる問題)

((日立ソリューションズ)経済産業省の「2025年の崖」について分かりやすく解説)
https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/column/core-system/2025-cliff.html

『「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」と呼ばれる資料の中で初めて使用されました。「DX」とはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタルによる変革を指し、デジタル技術を使って企業がビジネスを生み出したり、消費者の生活が向上したりすることが含まれます。ここでいうデジタルとはAI(Artificil Intelliegnece:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)、クラウドサービスなどを含んだ総合的な技術のことです。
従来のレガシーシステムはCOBOLという古いプログラミング言語で書かれていることが多く、COBOLが分かるエンジニアの多くは2025年までに定年を迎えるため、第一線でシステムを守ってきた人材が大きく不足する懸念がされています。』

「2025年の崖」というのは、いわゆる「~年問題」とかといわれる一種で、
・2025年に、日本の古いIT革命時代のインフラの活動限界期限がくる問題
の事です。

『(日立ソリューションズ)経済産業省の「2025年の崖」について分かりやすく解説』で書いてあるような、「企業が昭和の古いコンピューター技術をそのまま使い続けている問題」は、他にも、企業にとっては、次の「2027年問題(もともとは、2025年問題と呼ばれていた)」があります。

((NTT)SAPユーザーにとっての「2027年問題」)
https://www.nttdata-gsl.co.jp/related/column/what-is-2027-issue.html

『日本国内で約2,000社が導入していると言われているSAP ERP。日本はもちろん、世界中の企業がSAP社の製品を活用して日々の業務を行っています。
しかし、多くのSAPユーザーである企業の頭を悩ませているのが「2027年問題」です。これは、SAP社のERP製品「SAP ERP 6.0」の標準サポートが2027年に終了することを指します。(当初発表では、「2025年に終了」と言っていたので、「2025年問題」と呼ばれていた)』

こんな感じで、昭和時代の古いコンピューターシステムは、「2025年頃から徐々に、"完全終了"の時期に入る(企業が使っている古いコンピューターシステムのサポートが完全終了する時期に入る)」問題の事です。

<個人は、「古いデジタルデータ消失問題」に対して、どうしたらいいのか?>

日本政府が言っている「2025年の崖」というのは、「企業が経済損失出るから対処しろ」と言っているだけだが、
・デジタル時代の一般個人にとっては、「デジタルデータが資産の大きな側面をしめる」時代
になっており、特に、前回書いたように、

(近年の「デジタルネイティブ世代(「Z世代」以降)」で起きている悲惨な震災体験。「遺影」、「家族写真」の全消失問題)

昭和の世代では、「アナログのフィルムカメラと現像写真」が当たり前だったので、「大切な写真は、現像した写真のアルバムに残していた」ので、
・「遺影」、「家族写真」の全消失問題
なんて、最悪の、「自分の人生の全記録を消失してしまう」なんて、最悪の結果は起きなかった。
しかし、「Z世代」以降など、近年の「デジタルネイティブ世代」では、
・スマートフォン内にしか、家族、友人、自分の写真がそもそも存在していない。
なお悪い事に、
・スマートフォン内の自分の写真の全てが、「デカ目、キラキラ」アプリ加工後写真しか存在しておらず、そんな変な写真は、「遺影にできない」ので、「いざという時に、死後のデスマスクを写真に撮って遺影にする」しか選択肢が無いなど、「先々を考えない人達」は、最悪の結果になっているようです。
・「クラウド」空間に、自分自身や家族全体の人生の記録を全部保管している人達もいるが、「クラウド」空間は企業運営なので、「サービスは終了しました」など、「いきなり全部の自分自身の人生の記録の全消失」という最悪の結果になりやすいという、「デジタルデータ危機問題」というものがある。
要するに、
・自力で、「デジタルデータバックアップ」という事を、何らかの方法で完全かつ安定的に行わないといけないのだが、その手法が思ったよりもやっかいです。

というように、「デジタルネイティブ世代にとっては、自分や家族や友人との全人生の記録が、全部、デジタルになってしまっている!」ので、この間の東日本大震災や能登半島大地震のような天災がいきなり起きると、「自分や家族の人生の記録の全消失が起きてしまう!」という最悪な結果を招くようです。

<個人の「古いデジタルデータ消失問題」に対する、データ安定性の検証結果>

それで、自分は、現在、「本気で作る防災計画」をやっている最中なので、
・CD-R、DVD-R、ハードディスク、SDカード、ポータブルSSD
なんかの、どの方式で、「デジタルバックアップ」をすると、データ安定性が、どの程度確保できそうなのか?の検証をしている。

「2025年頃の太陽フレア極大期(デジタル用品バックアップ)」に対する、「ファラデーケージ」というやつは、前回の記事で詳しく書いたが、「そもそも、太陽フレアと電磁場対策に対しての的確な回答がわからない」中で手探りで個人はやるしかなく、結局、「やるだけやってみたが、未解決問題」となった。

<個人の「古いデジタルデータ消失問題」に対する、データ安定性の検証結果>

ちょっと前に、「手持ちのデジタルデータ媒体の物が、どの程度、データが壊れていないのか?」について検証してみた結果があるので、それを書いていく。

<「CD」のデータ安定性>

昭和の世代にとっては、「アナログは劣化する」、「デジタルは劣化せず無敵」という感覚があるので、特に、売っている「CD」なんかは、絶対に壊れないだろうと、「20年以上、まったく使用せずに放置していたままのCD」なんかが結構あったので、それを、日本政府が、「2025年の崖」があるから、「昭和の古いコンピューターシステムは、もう終わるから、データ消失しないように何とかしろ」と言うので、何となく気になって、古い引き出しから、古いデジタルデータ媒体の物を引っ張り出してきて、「どの程度、デジタルデータは壊れていないのか?」を検証してみた。

<結果(最悪)>
結果はというと、「最悪」で、

(自分の手持ちCD(不織布ケース入りのみ)の統計(大体、10年~15年前の物))
<雑誌や本の付録などで不織布に入っていたCD>
語学書(計143冊), CD計196枚

<症状の重い順>
・読み取りが不可能なCD(7枚)
(全て、出版社が出荷前に作業ミスで、不織布ケースに裏表逆に間違って入っていたCDで、データ読み取り面側が、ビニール側に接していたCDが、全く未開封の新品状態でも、何かがこびりついた状態(台所の食器用洗剤、アルコール消毒の手拭き布など、何で拭いても取れない汚れになっていた)になっていて、読み取り不可能になっていた。「不織布ケースに裏表逆入れ間違い」は、全部、「中経出版の英会話シリーズの2枚入りCDのシリーズだった」)

・エラーが高頻度で出やすいトラックがあるCD(7枚)
(全て、不織布ケースの劣化などで、うっすらと不織布のゴミがこびりついたような状態になっていたCD)

・最終的にエラーにならないが読み取り不安定なCD(22枚)
(全て、不織布ケースの劣化などで、うっすらと不織布のゴミがこびりついたような状態になっていたCD)

・本の付録CDなので廉価版プレスCDなので、そもそもプレスした段階でおかしい状態のCD(3枚)
(表面に傷ゼロのまったくの新品状態なのに、読み取りが不安定で出荷前のエラーロットと思われるCD。データ読み取り面の中の状態が、見た目でおかしい。読み取れるが不安定)

<結果>
・(普通に読み取れるCD)159枚
・(データの読み取り不安定CD)37枚
(*保管状態は、全部、語学書のCDなので、本棚に入れっぱなしの状態)

(結果まとめ結論)
(1) 「雑誌付録の不織布ビニールケースに裏表逆に間違って入っていたCDで、データ読み取り面側が、ビニール側に接していたCDが、全く未開封の新品状態でも、何かがこびりついた状態になっていて、読み取り不可能になっていた」
(2) 「不織布ケースはCDに密着しているので、15年ほど経過した不織布は、劣化して、不織布のゴミのような物が、CDにうっすらとへばりついてしまっていて、読み取りが不安定か、エラー率が高い状態になっていた」
(3) 「雑誌や本の付録CDは、そもそも廉価版プレスCDなので、プレス時のエラーロットCDが3枚あった」

「何だよ!語学書のCDの製品ですら、データ読み取り不可能になってるじゃんか!」
という結論となった。
ただ、
・「不織布ケース」に入れてあった「CD」は、データ読み取り不可能に非常になっていた。
・音楽CDなどの「プラスチックケース」に入っている「CD」で、「CDのデータ読み取り面が、空気にしか接触していない」ような形状になっていれば、データ読み取り不可能になっている事は、ほとんど無かった。

ので、結局、「100円均一」で、「CDが10枚入る「CDのデータ読み取り面が、空気にしか接触していない」ような形状のケース」を、語学書CDだけで、知らない間に、「CD計196枚」も自分は、本や雑誌付録の語学書CDを持っていたので、たくさん「100円均一」のケースを買ってきて、全部、「不織布ケース」はもうやめて出して入れ替えた。

(「100円均一」の10枚入るCDケース(計200枚用)(不織布でないやつ)に、語学書の不織布ビニールケースのCDのやつを全部出して入れ替えた)


・「不織布ケース」は、「CDを壊す目的で作られた製品」としか、「20年経過した自分の語学書CD」での検証結果ではならなかった。

<CD-Rのデータ安定性検証>

「CD-R」も、同様に、20年以上経ったものが多かったが、「CDデータ読み取り面を見ると、反射層の色合いが、まだらになっていたりして、危なそうだった」が、「データ自体は読み取れた」が、もうすぐ壊れるだろうとしか思えなかった。
「CD-R」の保管状態は、「直射日光がまったく当たらない押し入れの中に20年以上保管」の状態で、当然、雑誌付録のような「不織布ケース」には入れていないで、「普通のCDのプラスチックケース」と、「スピンドルケース」入りの状態だった。
「スピンドルケース」は、全てのCDが、「データ記録面が他のCDレーベル面と密着し続けている」関係で、どうも、「CDのレーベル面を手で触った時の指紋の脂肪が微妙に付いたままの長期間保管になる」ようで、「スピンドルケース」入りの方は、「CDのデータ記録面がカビではないが、何かくもりが出ているが、とりあえずデータは読み取れる」ような状態になっていた。
「スピンドルケース」で、CDを保管するには、「パッケージを開けた瞬間から、企業のCD出荷時のように、白い手袋のようなものをつけて、1度も、手垢が、CDに付かない状態で、完璧に維持する」しかないようで、「未開封のスピンドルケース入りCD-R」は、データ記録面にくもりも無く綺麗な状態だった。

昭和の世代の「CD無敵神話」は、崩れ去った結果となった。

<総合的な判断結果>

(1) <CD、DVDなどの光記録メディア>
・データの安定性では、「地磁気で徐々に壊れていく磁気記録メディア(フロッピーディスク、ハードディスク)」や、「電圧がかかっていない期間が続くと、データが消えてしまう、フラッシュメモリタイプ(SDカード、SSD、ゲーム機のメモリーカードなど)」に比べれば、「CD、DVDなどの光記録メディア」の方が、圧倒的に、安定している。
・過去に、自分の経験では、「床に落として、極小の砂粒が付いたブルーレイディスクが、読み取り不可能になってしまった」など、そういうのには、かなり弱い。

(CD、DVD、フロッピードライブなどの「ゴムベルト」で回している機構の付いた本体の寿命)

非常に、問題な事が、
・CD、DVD、フロッピードライブなどの「ゴムベルト」で回している機構の付いた本体の寿命が、「ゴムベルトの寿命がかなり短く」て、本体ドライブ自体の寿命が、「ゴムベルト寿命の8年位で、ゴムベルトがガバガバになって空回りしてしまい、データ読み取り不可能になる」
という問題がある。
本体ドライブ自体の生産が続いていれば買い替えればいいだけだが、「本体ドライブの生産が終わると、デジタルデータは全部死ぬ」問題がある。

ただ、本体ドライブの「ゴムベルト」の交換自体は、比較的簡単なので、自分の体験談では、「古いMSX2+のフロッピードライブが、当時、8年位使い続けていて、ゴムベルトがガバガバになって空回りしてしまい、データ読み取り不可能になった時に、秋葉原のパーツ屋さんに、「そのガバガバに緩んだゴムベルトを外して、持って行って見せて、「これと同じような、フロッピードライブのゴムバンドは無いか?」と聞いてまわったら、「ああ、あそこのパーツ屋なら取り扱っているかもしれない」と教えてくれた」ので、そのパーツ屋に行ったら、「ゴムバンドの張り具合とかを若干引っ張って確認した後に、なんとなくの感覚で、「多分、これならいけるだろう」と言って、ゴムバンドは手に入った」(2000年以前だったはずなので、25年以上前の出来事なので、その秋葉原のパーツ屋が現在残っているのか不明)
実際、自分で、フロッピードライブを開けて、ゴムバンドの交換をしたら普通に直った。
ゴムバンドは、サイズと、「張り具合」の兼ね合いや製品ごとの差もあるので、的確なゴムバンドが手に入れば直る事は直る。
ただ、基本的に、「家電は、コンデンサが先に劣化するパーツなので、どうあがいても、20年位が限界」だろう。
ちなみに、
自分の古い「Windows XPパソコン」には、「フロッピードライブと、DVDドライブが付いているが、その両方共、現在、電源を入れてみたら、動作音が、スカスカしているので、完全に、ゴムバンドが緩んでしまっていて、全く読み取れない」状態になっていた。

(2) <ハードディスク>
「ハードディスク」は、データの安定性では、「地磁気で徐々に壊れていく磁気記録メディア(フロッピーディスク、ハードディスク)」なので、自分の経験では、「知らない間に、1つずつデータが壊れていく」という感じで、さらに時間が経つと、自分のケースでは、プレイステーション3のハードディスクの中の要らないデータを削除しようとしたら、「エラー。データ削除に失敗しました」と出て、「消せないデータ」という状態になった事があった。
「磁気記録メディア(フロッピーディスク、ハードディスク)」は、年数で、必ず、「徐々に壊れていきます」

(3) <フラッシュメモリタイプ(SDカード、SSD、ゲーム機のメモリーカードなど)>
「フラッシュメモリタイプ(SDカード、SSD、ゲーム機のメモリーカードなど)」は、データの安定性はかなり低く、「電圧がかかっていない期間が続くと、データが消えてしまう」という仕様です。
「使い続けていればデータは消えづらい」一方で、
・「SSD」は、「書換え可能回数で寿命が決まっている」ので、「使い続けていると、ある時期がくると、SSDごと壊れやすい」
ただ、仕様では、「書換え可能回数で寿命が決まっている」というだけなので、「書換えをせずに、読み取りだけ」ならば、もっと長く持つかもしれないが詳しくはよくわからない。

基本的に、「メーカーは、何の家電でも、完全にメーカーから見て安定動作が完全に可能な期間は、何の家電でも、「5年間位」となっていて、特に、「耐久消費財」のパーツの部分が含まれていると、激しく使う人の場合、もっと短くなる場合もある」

(どうしたらデジタルデータ安定性が上がるのか?)

どうしたらデジタルデータ安定性が上がるのか?については、
・とにかく、いろいろな方式で、「デジタルデータバックアップ」をしておく事で、「1つの原因」が発生しても、他で生きている確率を上げる。
位しかできない。

企業や、サーバーとかの手法の
・ハードディスクで、「RAID」というのを組んで、2つ以上のハードディスクでバックアップを相互補完し続ける。
・企業や、サーバーとかの手法のバックアップのように、「ある年月日ごとのバックアップバージョンを全部保管しておき、トラブルがあったら、できるだけ最近のバックアップバージョンに戻れるようにしておく」
みたいな、サーバーの保守点検みたいな手法
辺りしか思いつかない。

<アナログも信頼しろ>
もともとは、「本気で使える防災対策を作る」テーマだったので、その場合には、
・「家族写真などは、アナログの写真現像をして、ミニアルバムで持っておいて、防災バッグに入れておく」と、東日本大震災や、能登半島大地震などのようなクラスの天災の時に、「行方不明になった家族を探す手がかりに、実際の、家族の写真を見せる」と、かなり効率良く見つけられるようです。

結論を書くと、「何でも、人間が作った物は、いつかはぶっ壊れる」が、結局、「エジプトのヒエログリフの石板のように、石に彫り込んで刻んだ人類のデータだけ、5000年とか、1万年以上消失しないで持つ」ようです。

「20年位経ったら、自分のデジタルデータ媒体のデータは、思ったよりも壊れていた。読み取り不可能になっていた」ケースがあった事が、だいぶショックでした。

問題な事は、
・デジタルインフラ時代の現代社会全体で、この「デジタルデータ消失」問題が、同時に発生しているわけなので、「デジタル文明」という人類史文明ごと、そんなに遠くない未来には、その時期のデジタル文明ごと、結構な量消失してしまっているだろうという最悪の「人類史の消失」問題に現代社会は直面している事です。
「デジタル文明」時代に作られた人類史のものは、エジプトのヒエログリフの石板とは違って、それほど長持ちせずに、かなり短期間で消失してしまうだろう。という事が結論としてわかった。

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