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短編推理小説【蕎麦屋のラーメン】

登場人物紹介
(山下)
三十代男性、蕎麦屋「やまそば」の店主。
(夏美)
キャバクラ嬢、何者かによって殺害された。
(松岡)
夏美が在籍していたCLUB「Neon」のボーイ。
(剣二)
職業はホスト。夏美の本命彼氏。
(安田)
IT社長。夏美の常連客。
(村川)
四十代警部。
(脇田)
三十代警部補。
(ミキ)
村川行きつけの小料理屋の女将。

五月五日_九字四十七分_。

都内、高層マンションの一室で、一人の遺体が見つかった。

CLUB「Neon」のキャスト、源氏名夏美。
死亡推定時刻、零時三十分。

リビングで飲んでいたワインから、青酸カリ0.2グラムが検出され、遺書も見当たらず、殺人事件として、捜査が始まった。

犯人は、次の四名に絞られた。

まず、第一発見者の剣二。
夏美の彼氏みたいだったが、数ヶ月前から、冷えきった関係で、何度も喧嘩をして、「別れる末期状態だった」と、夏美の数名の友人の証言が一致している。
また、事件当日、一緒に夏美の部屋で過ごしていた。
事件前の二十三時三十分に、退室。
自宅に帰り、朝連絡しても、返事がこないから、
様子を見に行ったら…
夏美が亡くなっていたと言う…。

続いて夏美は、剣二が帰ってから、歩いて十分程の距離にある蕎麦屋「やまそば」に出前の電話をしている。
一人で店をやり繰りしている店主の山下は、出前を届けてから、コーヒーをご馳走になり、十五分程滞在した。

また夏美が勤めていたCLUB「Neon」のボーイ松岡に
色々相談していた。
体の関係も数回あり、最近は、かなり親密な仲だったとか…。
一番怪しくないが、犯行時刻時のアリバイがない。

最後に三十代前半で、推定年収五億の青年実業家、安田は…
夏美に好意を持ち、週三のペースで、店に通い。
当然、毎回指名して、累計で二千万以上貢いでいた。
金にモノを言わせ、しつこく求婚を迫り、
夏美は、うんざりしていた…。
事件のワインは…
高級な「ロマネ・コンティ」
安田から、貰ったやつだった。

村川警部は、
「剣二、山下、松岡、安田の中に絶対に犯人がいる!」と言いきった!

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