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行間を訓む vol.1 ~角巻わため 「My Song」編 (1)~

プロローグ

 自分に刺さったコト・モノについて「Because=ではなぜそうなったのか?」を勝手に解説していく誰得企画でございます。
 タイトルに「読む」ではなく同じ読み方のむ」を充てた理由について触れておきますと、そもそも「行間を読む」ということ自体の意味として、国語などにおける文学作品その他において「文章には直接表現されていない筆者の真意をくみとる」事とされています。「何が言いたいのか」「何を表現したいのか」「何を伝えたいのか」は作品の受け取り手によって三者三様であることは言うまでもありません。
 む」の「くん」は漢字における「訓読くんよみ」から来ており、そもそも「訓読み」は「元々の漢字の意味をわかりやすい日本語に置き換えて表現した日本独特の読み方」なのだそうです。ただ「読む」だけではなく、それをわかりやすい表現に置き換えてここに書き連ねて「んで」もらうことによって、私が読んだ・見た・聴いた・食べたetc…のモノはこうだったと思った・感じた・悟ったと「み受け取って」頂き、「ふ~ん」という程度で良いので共感してんでもらえたらいいな、という意味を込めて「行間をむ」と銘打ちました。

「My song」の魅力

 記念すべき第1回は、Vtuber事務所であるホロライブプロダクションホロライブ4期生、吟遊詩人の羊「角巻わため」さんのオリジナル曲で、2021.10.12.に自身のソロで行った1st Liveである「わためぇNight Fever!! in Zepp Tokyo」で新曲として初披露され、Youtubeでは2022.01.06.に投稿された「My song」である。(以下では愛称の「わためぇ」と呼称)選定理由は単純明快、私を含めた多くの人の心に深く刺さる作品であることに他ならない。

※My songが初披露されたソロライブのBlu-rayは絶賛発売中!▼

チラ見せダイジェスト版MV▼

※2022.07.12 宣伝URL&披露詳細追加記載

 最近では、2022.3.19-20に大きな話題を呼んだ幕張メッセでの大型ライブイベント「hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported by Weiβ Schwarz」にてわためぇがDAY2にてソロ披露していた。(ちなみに私は抽選に落ちてDAY1のALLAREAのみとなったが、めっちゃ良かった。⇒現地参加の感想については時間のあるときに別途…)
注:ここからヲタク特有感情多め)
 DAY2は配信チケットで自宅視聴していたが、わためぇの登場シーンとイントロで鳥肌が立ち、現地会場のどよめきに同調して「きたッ…」と思わず声を漏らしてしまった。歌唱後の一言「聴いてくれてありがとう。これからも、わためと一緒に挑戦を続けていこうね」でちょっと泣いた。ちょ、おま、わためすげぇよ。またひとつ夢が叶ったなぁ。つよすぎ。推してるけど、まじで推せるわ。推させろくれください。(尚、明くる日にメンバーシップ登録を決行し思わずスパチャまでしてしまった)
かわいいのにかっこいいとか、ずるいだるぉ!!!!!(謎の憤怒)

3rd Fes のわためぇスクショまとめ。アイドル衣装の髪飾りには羊があしらわれている。
本人曰くわためいと(わためぇ推しのファンネーム)を乗せているそう。
「推してくれるファンと一緒にステージに上がりたい、連れて行きたい。」
というわため本人の希望で実現したアイデア。ちょっと自分涙いっすか。

【~ 只今一部表現にヲタク特有感情特盛となった箇所がありました。しかし訂正しませんし、謝罪しません。本当にありがとうございました ~】

 …取り乱したが続けよう。私自身が「推し」として追いかけたいと思った理由としては、見た目通りのやさしい声と性格、愛溢れるファンへの対応、常時と歌唱時に声のギャップが生まれる凄さ、多すぎる夢(初配信時に語った)を無理と決めつけず挑戦し続けるたくましさetc…挙げればキリが無いがメインはこのあたり。
 タイトルに「My song = 私の歌(詩)」とあるように、音楽活動をしているわためぇが挑戦を続ける上での葛藤や悩みなど、等身大(ありのまま)の人間(羊)らしさがそのまま綴られていると私は捉えている。
 既に約190万回(2022.05.04時点)を超えて再生されているわためぇの代表曲であり、ヒット曲の一つ。その魅力は…
(1)普段の声から想像できないような力強くしなやかで伸びのある歌声
(2)歌詞に込められた共感性のあるメッセージ
(3)映像として上記2点の補完をしてくれる世界観たっぷりのMV
にあるのだろうと私は推測・定義する。
 まだ聴いたことが無いという方は、この後の章で深く掘り下げていくのでまず一度この歌の視聴をオススメする。▼(どうか聴いてくれください)

 今回私はこの歌の何に惹かれたのか、なぜ何回も聴きたくなってしまうのかを紐解いていくうえで着目したいのは、ズバリ「My songの歌詞」とそこに「込められたメッセージ」である。歌詞の「行間を訓む」ことで私が「My song」ひいてはVtuberいや、アーティスト「角巻わため」を好きになった理由が再発見できるのではないかと考え、歌詞の海に潜っていくことにする。

歌詞訓み(§1)

 まずは冒頭、歌い出しからサビにかけての部分の歌詞を並べて見ていこう。(※セクション分けは独自のものであること、ご了承下さい。)

歌詞§1。半分くらい「た」・「だ」で終えてる部分が多かった(どうでもいい)

 動画冒頭、雲の切れ目から朝日が注ぎ、夜はネオンが光っていた高層ビル群の灯が消え、日の光が注ぐシーンからスタートする。

やるせない現状と自分

手にした物以外が綺麗に見えた
 自分で努力してやっと手にした物なのに、それすらくすんで見えてしまう位に他人が持っているものが綺麗に見えてしまう。誰にでもよくある「隣の芝が青く見える」現象を端的に表現している。

「どうせこんなもんか」が口癖だった
 そんな自分以外にある周りの綺麗な物と並べてしまえば、口をついて出てしまうのは不満の一言。せっかく、やっとの思いで手にしたのに、出てくるのはこんな一言になってしまう。

エレベーターで摩天楼を上昇、手前に外の世界を見つめる自分の姿。
外を見る自分の反対に写るのも同じ姿の自分はずだが、同時に自分を見つめている様にもとれる。
鏡で自分を見ているとき、反対側の自分も同じく鏡を見ているように。

うすら笑いばっかが得意になった
 周りに合わせて笑っているが、かすかにしか表情を動かさない「薄ら笑い」になってしまう。本心から笑うことが出来ない。まるで仮面のように貼り付けることが得意になってしまった。

けど一番笑えるのはこのプライドだ
・「けど」と今まで述べられた現状を「but=しかし」とも取れる二字で、注目のフォーカス(スポットライト)を周りから自分へ持ってきている。自分が一生懸命になって願望を叶えようと足掻き・もがいているのにも関わらず、邪魔(障害)になってしまっている物が他でもなく、周りからしてみたらほんのちっぽけな「自分が持つプライド(誇り・自尊心)」なんだからあきれて笑えてきてしまう。そう、笑えてしまう位の小ささしかないのに、自分の障壁と成り得るんだから、ここまで来ると呆れや嫌悪を通り越して最早笑いすらこみ上げてくる。
・プライドは自分からのみ湧き上がってくるもの(他者・他人が持ち抱き得るまたは与えられるものでは無い)であるが故に、自分でも気付かぬ内に心の中で占める割合が大きくなっていってしまい、気付けばぶくぶくと膨れ上がってしまう言わば「腫れ物」のような存在なのかもしれないと思っている。
・ところで、古代ギリシャの哲学者プラトンの名言に「自分に打ち勝つことが、最も偉大な勝利である。」というものがあるが、様々な欲望(生きるために必要な物を含む)にまみれた自分に勝つ事は実に難しい事だとつくづく思わされるし、思う事が多いなぁと…。(遠い目)

スクショまとめ。(粗めなのは許して)
推定の時間と天気の変化として、朝は晴れ・昼に曇り・夕方は雨で傘を差すといった様子。
わためぇの立ち位置は、最初のEVでこそ上昇していたが歩道橋からTAXIへと段々に目線が
下がって地面が近づいてきているようにも感じる。
余談だが、歩道橋のシーンで通り過ぎたものと同じ色のTAXIに乗っている。
場面転換がスムーズでスッっと入ってくる。

匙を投げる

一生懸命なんか全部無駄だったんだ ああもう嫌になった
 
ここまで一生懸命やってきたけど、それが一切合切無駄だったのかもしれない、そう考えるとやりきれない。このやり場の無い感情の処理をどうしてくれよう。考えることすら嫌だ、もう投げ出したい、投げだそう。

内なる心の声に自然と呼応する体

「逃げたくない」って聞こえた これは僕の声?
・しかし心の奥底から湧き上がってくる声が。自分でも気がつかないくらいの小さな声が「逃げたくない」「立ち向かう(迎え撃つ)べきだ」と言っているように聞こえたが、それは私の本心なのか?気のせいかもしれない、でも確かに聞こえたような気がする。何だろう、この感情は。
・自分ですら気がつかなかった自分の心根である本心が投げやりな自分にブレーキ(待った)をかける。

ボロボロで使い込まれたバットが何本も。打ちのめされた心情の体現ともとれそう。
バッティングセンターでボールをバットに当てようと何度も頑張るわため。でも失敗。
関係ないけど目をつぶって振り遅れてるとこ、ちょっとかわいいなっt(ry
あと、サムネにもなった不屈の意志の宿った目がイイ。

何回でも立ち上がる

1回10回100回1000回挑戦を続けるよ
まだ足りないって思ってる やまない雨の中

 何度も何度も諦めず挑戦を続ける、無駄かもしれないとしても、何度でも。たとえそれが100回だろうと、1000回を数えようとも。しかしながら全然、それでも全く足りないと思うくらいだ、降り続ける雨のような現実の中では。
~「やまない雨」の表現の秀逸さについて~
 や(止)まない雨は現実には存在し得ないが、雨のように絶えず降り注ぐ物を「自分への試練」として捉え、なおかつ雨=天気=「自分の力で変えることができないもの」と捉えると、絶えず降り注いでくる試練を「やまない雨」と表現し、変えることができないのであれば傘を差すなり、カッパを着るなりで対処しないと前に進むことができない。いつになるかはわからないが、耐え忍べばいつかは僅かな晴れ間が覗くこともあるかもしれない。そんな天気(現実)のなか、試行錯誤しながら泥臭く貪欲に打ち込み続ける様子をこの6文字でカバーしているような気がする。

地上からから地下鉄ホームに下りてきたわためぇ。手には先程の傘。自分の心の奥に降りてきたようなイメージ。
自室のカットは物が散乱し、横たわっているわためぇ。カーテンの隙間から僅かに光明。
頬を伝う涙、洗わずに放置した食器類に蛇口からひとしずくの水がしたたり落ちる。
やりたいこと・やらなければならないことが多く、時には殻にこもって投げ出したくなるけど、
外に出て、列車に乗って一生懸命目的地を探す旅、それが人生なのかもしれない。

足掻き・もがき・挑み続ける

ずっと考えて考えて考えて見つけ出せ
・自分が絶えず考えることによって他の誰でも無い自分の手で探し、答えを見つけ出すんだという決意と、歌い手である自分もしくは聞き手の耳に「頑張れ、答えは必ずあるはず、見つけられる!」というメッセージが強く込められた一節。
・「考えて」を3回繰り返し「本当に一生懸命考えているか?ずっと考え続けろ!(逃げずに挑戦しているか)」と叫び、問いかける。
・「見つけ出せ」とあえて命令文にすることで語気が強まり、聞き手に他でもない自分で見つけ出すことの重要性を訴えかける印象が強くなっている。

打ちのめされても芯が折れない/折らない理由

僕だけの滑走路を証明したいんだよな
 他の誰かの手で作り上げた/見つけ出したものを使うのでは無く、
僕(自分)だけの滑走路
=飛行機が飛び立つ/降り立つのに必要な設備
=出発・再出発/帰る・戻ることができるような基地の様な場所
=自分が拠り所(拠点)とする場所
があるということを証明し知らしめたい。
 意訳ではあるが、滑走路(自分の拠り所)に離着陸する飛行機自体を自分自身に見立て、「自分で使う滑走路が在ることを証明する=自分の存在証明」ができれば、自分が生き、活動し続ける理由もあると言えるし、生き甲斐のある人生と言えるだろうし、頑張り続ける為の担保たり得るかもしれない…と思うところに行き着いた。
そうだろう? そうだろう?
そうだろう?(1回目)→迷っている自分への投げかけ・問いかけ
そうだろう?(2回目)→自分への再確認と聞き手への投げかけ・問いかけ
           「あなたもそうなのでは、違いますか?」

先のカットで来た列車には乗らなかったのか、乗る前なのか、ホームで待ち続けるわためぇ。
コーヒーにミルクを混ぜ入れる様子。走るのでは無くゆっくりと歩む様子。
思わぬところで工場夜景を目にし、ふと目をとめるわためぇ。(気が付けば夜に場面転換)
ホームは行き先までの過程(中継地)、コーヒーで考え中の脳内を想起。
あえて走らず一歩一歩を着実に歩み、それによって道中にある様々な発見を見逃さぬよう。

今回はここまで!

 盛り上がってきたところですが、次のセクションを綴ると長くなって書き手も読み手も疲れてしまいそうなので一旦ここで区切り、次回にまわすことと致します。
 いかがでしたでしょうか?等身大な誰にでもある悩みから入り、いっぱい失敗して挫けて悩んで、「それでも私は歩み続ける、自分のペースで。」という強い意志と決意に溢れた一曲であること、聴いているだけでだんだんと力が湧いてくるような気がしてくる、私にとってはそんな曲ですし、皆様にこの曲の良さをご理解・ご共感頂ける一助となれば幸いです。
 ご興味を持って頂けた方は、わためぇのチャンネルで他の曲もどうか聴いて見て頂ければと思います。ではまた次回。

Twitter:https://twitter.com/tsunomakiwatame

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