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#9 その人が動きやすい環境を作るのが1番

「#8 人が動くのはいつだって自分ごと」で、返事をしても、その人の行動の変容がない理由について考えてみた。
今回は本題となるどのようにすれば話をした相手が変わるのかということについて書いてみたいと思う。

これを考える上でも、同じように行動を変えたい人の心理を創造することが必要なのだが、それについては僕の尊敬する先輩教員の話がわかりやすいだろう。

「?」を多用する先輩

その先生は誰と話す時でも決して断定的な話したかはしない。常に話の語尾に?が着くのだ。

「〇〇についてはこういう風にしたらいいと思うんだけど、どう思う?」
「これについて、あなたの意見はどう?」
「こういうの作りたいんだけど、何か案ない?」

普段から終始。このようなやりとりを繰り返していたため、初めはよく聞く人だなぁと言うくらいに考えていた。

しかし、その先生のクラスの生徒は、授業も活発で、何より主体的によく取り組むのである。
これがどうにも不思議で当時は、何か特別な方法でも使っているのかと思っていた。

「受け入れてもらえている」と言う安心

これを読んでくれている皆さんは、この先生の接し方がどういう効果を生んでいるかお分かりだろうか?

人は元来、集団の中で生活をする生き物。
だから、その集団の中で認められていると言うことが安全に生活をするために必要な1つの要素になってくる。

そう、これを前回紹介したマズローの欲求階層説に当てはめると、この先生の良さがさらに明らかになるだろう。

まず、相手の話を聞くと言う行動についてだが、これはされた方からすると「相手に受け入れられている」と言う感覚が芽生える。
これによりいわゆる「承認」という安心が得られる。

そして、2つ目に、これがさらに重要であるのだが、自らの言葉で発言することによって、それは自覚しやすい言葉としてその人の頭に残る。

人に言われたことをやるのは、人間誰しも少なからず抵抗があるだろう。しかし、自分が心を許せる相手に対して自分の言葉で放った行動は、達成するハードルが低くなるだけでなく、その相手との関係を保つために、守らなければならない約束に昇華する。

安心と自覚。
その先生は、ほんの少しの工夫で、実に見事に相手との間に有益なコミュニケーションを生み出していたのだった。

自分も環境の一部である。

返事をしても行動が伴わないといったことに対して、今回はその原因と解決方法を考えてみたわけだが、いかがだっただろうか。

教員時代にお世話になった先生からよく環境整備の大切さを説かれていた。

汚い環境で集中して授業を受けることができるわけは無い。
物が揃っていない状態で、予定通りに活動できるわけがない。

それと同じで、自分の立ち振る舞いも相手に対して影響与えるのだから、相手にとっては、自分自身が環境の一部であると考えることもできるだろう。

安心安全で自分の決定がよりよく反映される環境、そんな環境があれば、学校でも職場でものびのびと活動できる人々が増えるのではないだろう。

そのきっかけを作るのはあなた自身なのかもしれない。


前回の投稿から実に、1ヶ月以上が経過してしまったにも関わらず、見つけていただいた方に「スキ」をいただいたのは本当に嬉しい経験でした。

世間は卒業シーズン。
お世話になった中学校の卒業生にメッセージを書きながら、時の流れの速さを実感しています。

ということで、次は、新たなことに挑戦したいけど一歩踏み出せない人を応援するような内容でも書いてみたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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