【観劇記録】フレンチロックミュージカル『赤と黒』
こんにちは!
前回の記事で「今年は観劇記録は書きたい時に書きま〜す」とかいうスタンスにしといて新年2発目でコレ!!!
良い舞台から得られる満足感…幸…。
そんなわけで『赤と黒』の感想を書いていきます!
東京で2回、大阪で2回の計4回観劇しました。
(1回観劇のつもりが良過ぎてキレ散らかし勢いで年末の予定をこじ開け東京追いチケ、年明けには発熱をなんとか抑え込み新幹線に乗って梅芸にいた)
(アッ…これ狂う…狂える…!と思える出会いって、なかなか無いってコト…理解-わか-ってるから…)
(早く書きなさい)
大千秋楽も迎えましたので、ネタバレガンガンします!
私と『赤と黒』
昨年は様々な『赤と黒』に触れてきました。
・月組版『赤と黒』(2020年・珠城りょう主演)を映像で観る
・星組版『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』を配信で観たあと、観劇
・『赤と黒』原作小説を読む
・梅芸版『赤と黒』(東京・大阪)観劇
私、そもそもこの物語が好きみたいです。
(ちなみに星組版の感想はこちら、よろしければ💁♀️)
そんなわけで舞台作品の『赤と黒』は、今回で3種類目だったわけですが…
この梅芸版『赤と黒』がいちばんすき〜〜〜〜〜!!!!!
好きポイントを無理やり4点にまとめていくよ!
①物語への没入感
原作がとても長い作品は、舞台化すると登場人物の人柄や背景の描写が薄くなりがち…
ですが、登場人物のキャラクターがちゃんと立っていた!
原作に描かれている設定全てを抑えているわけではありませんが、ポイントを絞って人物を描いているのです。
例えば、レナール市長の①「ルイーズを愛してはいない」②「けど全く愛していないわけではない」という設定は、全編を通して①のみを徹底的に表現しているように見えた。
その結果キャラクターが立ち、それぞれとの関係性がより強調され、物語が薄くならずむしろ濃くなり!情熱的になってる〜!!
また、脚本そのもの・台詞や歌詞の言葉選びがスバラシイのです。
例を1つあげるとしたら、2幕のジュリアンとマチルドの図書館・部屋の場面。
ここ原作の「ジュリアンがマチルドを剣で脅す」「ジュリアンがマチルドの部屋に入った時、敵がいないか部屋中を探す」という好きだったくだりが無くなってて。
エーン😩ってがっかりかと思いきや、その後のナンバー『遠ければ遠いほど』の歌詞に全て心を持っていかれました…。
2人のプライド故の腹の探り合いをカットしたからこそ、「遠ければ遠いほど あなたを求める」「好きなのか嫌いなのか わからずに恋が混乱させる」等々の歌詞によってダイレクトに、2人が惹かれあっていく様が伝わって…これはこれでアリ!!!(ちょろい)
台詞・歌詞に場面に沿っている洗練された言葉がチョイスされていてほんとスバラシイ〜…
キャラクターの描き方・脚本が素晴らしく、物語へ深く深く没入することができました!!!
②物語に沿った効果的な演出
舞台セットがシンプル故、神演出が映える〜!!!
本作は場面・登場人物の心情に沿った演出が俊逸過ぎて、どこを取っても語れるくらい素晴らしかったです!
映像みながら全ての場面について語りたいくらいなのですが、2個!(絞れなかった)
好きな場面を挙げるとすると、まずは1幕ラストナンバー・『赤と黒』の場面。
1:42〜のナンバーです!
ジュリアンとルイーズに別れの時が訪れ、ジュリアンが怒りと野望で己の身を焼くかとも思わされるほどの情念が爆発したナンバー。
ジュリアンの怒りを『赤』い照明・野望を『黒』い暗闇で表現した空間演出が素晴らしすぎて。
ナンバーのクライマックス、客席にいても眩しいほどの赤い光で空間を照らした後、照明をバチン!と落として真っ黒な暗闇の空間を作る。
心情とリンクした演出に痺れちゃったよ…
あとこの映像よく見ればわかると思うんですけど、バンドメンバーが舞台裏すぐにいるんです!
ナンバーになると絶妙な照明でシルエットが映し出されるの、かっこよかったー!
もう1つは、独房の演出。
独房の空間は、舞台上から照らされる光によって表現されていました。
板の上に映し出された四角い光の中に、ジュリアンは投獄される。
面会にきたマチルドは、その光の外から懸命にジュリアンに話しかけます。
それに対し、裁判後訪れたルイーズはジュリアンのいる光の中に入っていきました。
そしてジュリアンに「謝らなければならないのは私の方よ」と言うのです。
光の独房に入った2人の演出で、ルイーズもまたジュリアンと同じく"罪人"になったのだと痛感してしまい…しかしそれは2人にとっては希望で…心をめちゃくちゃにされた…
(あくまで個人の解釈です)
ちなみに同じ動画の4:22〜あたりです!
寄り過ぎて光は伝わりませんが
③楽曲・演奏がROCKでブチアガる
ここまでで動画を見て下さった方には、ちょっとは伝わってると思いますが、楽曲がやはり最高に良いです!!
そしてバンドの演奏が生だと大迫力で!
ライブとしてもROCKで最高にぶち上がります!
先程紹介した『赤と黒』だけ音源あるので置いておきますね。
歌詞も最高…
④芝居 神すぎる
最後はなによりキャストさんのお芝居が素晴らしかったです!!
ジュリアン・ソレル…三浦宏規さん
小説から飛び出してきたかのような、ジュリアン・ソレルそのもの。
初見時、衝撃をくらった私のポスト
三浦くんはじめましてだったのですが、色白なお肌、可愛らしくも大きい瞳にハッキリとしたお顔立ち、黒髪にパーマをかけていらっしゃり、それはもう私の理想のジュリアン・ソレルたらしめる要素であり、
つまり何が言いたいかというと、
ビジュから天才だった。
そしてビジュだけでなく、お芝居もジュリアンが憑依したかのようでした。
ジュリアン・ソレル、基本鬱屈してて嫌味めいててブルジョワを見下してるところが好きなんですけど(?)
初っ端のラテン語のくだり・ナンバー(曲名わからない・原曲名は『La sagesse est be tous les ages』)でもう心掴まれてしまいまして。
ヴァルノに字を読めるのか?と笑われた後、「はい、書くこともできます。…ラテン語で」の言い方が静かな怒りに満ちていたのが最高でしたし、
ナンバーでの爆発力、『見た目じゃわからない この頭の中』と叫ぶ彼の激しい内面のギャップの表現が完璧!!!
最後は全身全霊で愛に生きる三浦くんのジュリアンに完敗でした。(なんの勝負だ)
役者さんとしてかなり好きな方になりました!
いつか別の舞台も観に行ってみたい。
余談ですが、こちらに貼った動画のナンバー『栄光を掴み取りたい』の振付カッコ良過ぎて大好き
ルイーズ・ド・レナール…夢咲ねねさん
ねねちゃんの声のお芝居が大好きでした。
レナール市長とのデュエットは母親の声なのに、この動画のナンバー・ジュリアンと結ばれる時は初めて恋を知った乙女のような、可愛らしい声で。
また、最後のナンバーは愛を全うすることを決意した女性の、強い意志を感じて。
公演を重ねる毎に歌も上手になっていたような…
貞淑な大人の女性、というルイーズのイメージも完璧に体現されていて…彼女の演じた役を見た中で1番好きな役かもしれません。
マチルド・ド・ラ・モール…田村芽実さん
いや〜!めいめい最高だったねマジで!!!
(急にオタクムーブ)
やっぱりも〜『誰も彼も退屈』ですよ。
あのナンバー待ちでソワソワするもんね2幕冒頭。
そんでもってマチルド嬢の我儘で気分屋で可愛らしくて信念のある人物像を見事に抑えた演技も素晴らしかった。
匙加減難しいだろうに見事でした!!
他にも書きたい方は山ほどいますが、きりがないのでこの辺にします。
ただ言える事は、アンサンブルの方々を含めた全員の鬼芝居・鬼歌唱・鬼熱量に圧倒されました!
ジェロニモさんの色気と立ち位置好きでした。(結局書いてる)
好きすぎて凄く長文になってしまいましたが、まだまだ語りたいくらいです…
誰かいませんか、私とおしゃべりして下さる方…(笑)
年末年始に素晴らしい作品に出会えて、今年もいい事ありそうです。
では!ここまで読んで下さり、ありがとうございました!