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きみが選んだ死刑のスイッチ

「きみが選んだ死刑のスイッチ」初版は2009年理論社出版のでよりみちパン!セ、シリーズです。

ホームルーム/裁判員制度/死刑―この3つに共通する、最大の注意点はなんでしょう?その答えは、この本のなかにあります。手遅れになる前に、ぜひいま、読んでおいてください。マンガ「小学生にもわからない裁判員制度のイロハ」入り。中学生以上。


森達也さんは映画監督としてもご活躍されています、最近ですと「福田村事件」「月」私は調子が悪く両方とも映画を見れないのですが…一昨年でしたでしょうか、安田菜津紀さんとインターネットのラジオで対談されていたのを全てでは無いですが聞いていました。

先ず中学生以上向けと言うことでとても分かりやすく書かれています。死刑という制度は多くの国で廃止されており、尚且つ日本においては死刑制度の存置派は八割程とどの国と比較しても異常に高いとされていました(出版が2009年なので現在はまた変わっているかと思いますが)。

私が死刑、人が人を殺すという行為を身近に感じたのは9.11同時多発テロでした。アメリカ合衆国に住む様々な人、飛行機に乗られていた方、たくさんの犠牲がありました。とてもショックな出来事でしたが、その後当時米大統領であったジョージブッシュによる報復が行われました。勿論その当時の世論は、アルカイダ組織に報復を望む方が強かったです。でもそれは学校で習ってきた「戦争はしてはならない」そして日本は戦争を放棄している、けど復興支援へ行く。そもそも米軍基地が多数ある。ここで疑問を持ちました。
アメリカ軍兵士はテロ組織の人達を殺す。
それは法で裁かれず、ただ殺す。

なぜ同時多発テロが起きたのかを解明すべきなのに殺されたら殺すとは安易過ぎなのでは?自衛のためなら殺されるかもしれないという「危険」を理由に殺していいの?

そして学校の授業では「戦争はいけない事」と、されているのに担任の先生も、校長先生も、ほとんどの大人がこの事について「何も言わない」。習っている事と現実に起きている事が乖離している、不可解でした。

そして無罪推定の原則
「無罪の推定」とは、犯罪を行ったと疑われて捜査の対象となった人(被疑者)や刑事裁判を受ける人(被告人)について、「刑事裁判で有罪が確定するまでは『罪を犯していない人』として扱わなければならない」とする原則です。
「無罪の推定」は、世界人権宣言や国際人権規約に定められている刑事裁判の原則であり、憲法によっても保障されています。

日本では容疑者の段階で実名報道されるのが当たり前ですが、本当は違うんです。そして異常なほど、加害者や、性被害者側、出産した子どもを遺棄した女性、加害者が精神障害であれば「だから障害者は…」とバッシングする。そういう人間だから裁かれて当たり前だと、皆んなが思っている。
事件が悲惨であればある程加害者への罪を欲す。

本の中で、森達也さんはこう語っています。

死刑存置論者は「(加害者の)命を持って償わせろ」と言う。そして廃止論者は、「(加害者を)生かして罪を償わせるべき」と主張する。
ならば僕は言う。どっちも間違っている。

なぜなら人の命は戻らない。もしもあなたが人の命を奪ったのなら、何をしても何をやっても、絶対に償うことなど出来ないのだ。だから人は殺してはいけない。どんな理由があろうとも。
物を盗んだり誰かを傷つけたりしたのなら、償うことは可能かもしれない。でも人を殺したのなら、もう償うなどありえない。どんなに悔いたとしても、殺された人は戻らない。まずはここから考えてほしい。

私はこの文章の通りだと思います。
安易に誰かの死を喜べるのでしょうか。
死刑のスイッチを押す人が何人居ようが、そのスイッチを押した瞬間、その人達は死刑執行者になる。自分の指先で人を殺した事になる。それが遠い事に感じますか?私は感じません。
SNSの書き込み一つで人は死ぬ。いま私がスマホを操作しているこの指で、人を殺す可能性がある。支持している政党が死刑存置派であったら?ガザへの攻撃をしているイスラエル、米国にはイスラエルとの繋がりがある企業が多数ある、その製品を買うことは軍事的支援をしていることにならないのか?日常生活は政治と切っても切り離せない。少し前に裁判員裁判に選ばれ呼ばれ、その中からまた裁判員に選ばれるという体験をした方のお話を聞きました。結果的に言うと選ばれたのは全て男性だったそうです。ここにも複雑な社会的問題があるように感じます、家父長制?女性は感情的?私は身をもって感じた事があります。

法律も結局は男性によって作られた男性の為にあるものだと

私は自分が生きる日常の中で、少しでも誰かが悲しい思いをせずに生きて欲しいです。
そして私が私を大切にできる世の中にしていきたい、そんな事を布団の中で思い、つづりました。

「きみが選んだ死刑のスイッチ」
是非ご一読して下さい。#読書感想文

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