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ケアマネジャーは誰の味方か?(3)~代理人とは何か、多職種連携はなぜ重要か~


ニッセイ基礎研究所
三原岳



本コラムの第1回では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を取り巻く環境を俯瞰する図を示しつつ、
コラムの目的として、ケアマネジャーやケアマネジメントの「あるべき姿」から考える必要性を指摘しました。

第2回では介護保険発足時の議論に立ち返りながら、「なぜケアマネジメントやケアマネジャーが創設されたのか」
という点を論じるとともに、「代理人」の機能が期待される点を論じました。

今回、第3回では、「代理人」の問題を少し意識しつつ、ケアマネジャーに期待したいことを論じます。
そのことを通じて、多職種連携の重要性が浮き彫りになると考えています。



代理人とは何か


「介護のサービスのシステムに本当の命を吹き込む」
「利用者の代理人的な機能を果たす」

――介護保険制度が発足した頃の資料を読んでいると、こんな文言が目に入ってきます。
第2回で述べた通り、それだけ当時はケアマネジャーに大きな期待が寄せられていました。

筆者自身、特に重要なカギを握るのが「代理人(機能)」という言葉と思っています。
これを手元の辞書では「他人に代わって事を処理する人」と出ているので、
代理人機能とは「他人に代わって事を処理する機能」と読み替えることができます。

では、代理人(機能)とは一体、何を指すのでしょうか。
ケアマネは何を担えばいいのでしょうか。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、経済学の考え方を使って頭の体操(思考実験)を試みます。

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