見出し画像

長い付き合いになります

工程表をみながら「私〇歳になっちゃいます」とスタッフのKさんが言いました。今計画している建物が竣工するときの年齢です。
一応プライバシーを考慮して具体的な年齢は伏せておきますね。

うちでは超高層の建物とか大規模な建物とかは請け負わない、というか請け負えないけど、それでも一つの仕事のスパンは長いのです。
先月引き渡ししたオフィスビルの計画は2019年に始まりました。

計画自体は2019年からですが、その会社の旧ビルを改修するか建て替えるかのための調査を始めたのは2016年。

そこから先月までの間に4人しかいないうちの事務所で計3人の子供が生まれたし、当時育児休暇に入ったばかりのKさんの子供も今や小学校2年生。子供で考えるとよりその時間の長さを感じます。

それだけ長い時間かかわるので、設計や工事の期間はまるで自分が使うかのように考えたり悩んだりします。そして引き渡した後は「私のものではない」と自分に言い聞かせます。

自分の作品としてとらえるという考えもあるかもしれないけれど、私は建物はそこを使う人や存在する街のためのものだと思っています。

何年付き合ってもお別れです。
とはいえ存在しているので見かけることはあるし、時にはわざわざ見に行くこともあります。街になじんでいるか、そこでの生活はどうか・・・。
地震があったり近くで火事があったりすると心配になります。

1つの物件にかかわる期間が長いのでそんなに多くはないとはいえ年々そんな場所が増えていきます。

逆に大変だった思い出がありすぎて出来るならば避けて通りたい場所もあったりします。どの建物かは内緒ですけどね。

いただいたサポートは建築士として、また、シェアキッチンオーナーとして未来に 向かう人を応援する活動費に使わせていただきます!