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祖母の記憶にめぐる私とタロジロ

vol.15【ワタシノミテイルセカイ 
 
 
私の父方の祖母は96歳。
認知症が進行しはじめたようす。

 まどかが海外から帰ってこない。
 誰かに捕まってしまって会えない。
 心配やから警察に連絡を。 
 
私とタロジロの人生が祖母の脳内でごちゃまぜになっているようだ。 
 
 
 
私の行動はなんて罪深いんだろう。 
 
・・・ 
 
2017年8月30日。
私はタロジロを連れて家を出た。
ダイニングテーブルに小さなメモを置いて。 
 
 
私はもとより警察に相談。
元夫は捜索願で警察に相談。
 
 
当時、元夫とは別居中。
 
子どもの居住場所を変えず、両親が自宅を入れ替わって生活していた。 
 
 
 
 
逃げた私はただただ弱かったんだ。 
 
・・・
 
2週間後の9月。
私とタロジロはマレーシアへ。
 
渡航後に耳する祖母。
孫とひ孫の日常を知る。 
 
 
4ヶ月後の12月。
タロジロを失う。 
私は祖母を訪れる。 
 
顔を見たいと連絡をもらったからだ。 
 
 
大正生まれの当時92歳。
「家(いえ)」制度ど真ん中に生きた祖母。 
 
子どもが片親を100%失う単独親権に懐疑する。 
 
 
 
「単独親権制度」は「家制度」みたいなもんだ。 
 
2021年の今ですら、私たちは夫婦や家族で氏を揃える。夫婦になるために結婚する。人生最大ともいえそうな契約の内容を確認もせずに。住宅ローンなども確認せずに契約するのだろうか。当たり前は危険だ。
 
システムエラーはさておき。 
 
 
 
祖母は母子が会えない不合理に嘆く。 
 
鋼のごとく気丈な彼女が涙するんだ。 
 
 
 

驚く私。
祖母を泣かす自分に苛まれた。
 
・・・ 
 
祖母には息子がふたり。 
 
 
次男が私の父。 
46歳で亡くなった。
 
 
長男は私の伯父。
父が亡くなった数年後に亡くなる。 
 
夫はイケメン実業家の私の祖父。 
今から8年ほど前に息子たちのもとへ。  
 
 
祖母は自ら築いてきた家族をすべて失う。 
 
 
 
 
逃げた私はやっぱりただただ弱かったんだ。 
 
・・・ 
 
私の弱さが祖母の記憶でめぐっている。 
 
そこへ日常のささいなトリガーが認知症を招く。 
 
 
素直になった今の祖母。
溢れるごとく孫とひ孫への心配を吐き出すんだ。 
 
素直を隠していた鋼の祖母。
頭の片隅でタロジロは囚われていたんだろう。 
 
 
 
そういえば。 

ヘラヘラ笑う私に気丈な祖母は毎回同じことを言っていたな。 
 
 
私 「タロジロが元気ならかまへんねん」 
祖母「何言うとんの。お母さんに会いたいわね」
 
 
 
 
今、祖母の頭の中では私が誰かに囚われている。 
 
・・・ 
 
過去は今を形成して未来を創造する。 
過去は変えられないが自分は変えられる。 
 
自分を変えるには「想い」のコントロールが必要かな。 
 
 
 
芽生えた想いを自分で昇華しなければコントロールは難しい。 
 
隠し持っていればコントロールが弱まったときにきっと露呈するんだ。 
 
 
 
昇華しきれない祖母の想いに己の行動を再び内省する。 

あのときの私は弱かった。



でも精いっぱい生きていた。 



歩むしかない。 
今をどう生きるかだ。 
 
・・・
 
おばあちゃん。
 
一秒前までの不安を全部私に吐き出して。
そして今の幸せをお話をしよう。 
 
絶対タロジロと会わせるからね。 
 
待ってて。
生きてて。 
 
 
大好きやで。 
 
・・・・・・・・・・
 
ラブレターしたためるのやっぱり好きみたい。
なんか泣きそうや。

あなたにも、
あなたの大切な誰かにも、
愛がめぐりますように。 

・・・・・・・・・・

まどか生息のFacebook編 2021.08.28記
noteでもご縁つむぎ楽しみたいです!!

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つむぎラブレター

vol.2は近日投函予定


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