第2章【離婚と私。ときどきタロジロ】➊100％片親を失う子どもたち
愛息子タロジロの「なんで？」回答ラブレターです。
タロジロが子ども時代を振り返ったとき、生きてる「今」に幸せをかみしめてくれるといいな。
親に会えない子どもや子どもに会えない親は、親の愛は深く、子はたくましいと忘れないで。
親子の愛を想像で判断せず、自分で確かめる一歩を踏み出してみよう。
ーーーーーーーーーー
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
「お母ちゃんもお父ちゃんも、ふたりとも親のままがいい」
12歳タロウがもろく突き刺す眼差しで、お母ちゃんへ儚く訴える。
8歳ジロウはゾロリに夢中な素振りで耳ダンボ。
お母ちゃんの親権喪失秒読みを知るタロウ。
直立不動のまま鼻がほんのり赤くなる。
裁判所への申し立ては、私の人生最大の失敗だ。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ーーーーーーーーーー
日本で離婚すると、子どもは100％片親を失う。
100％は国が決めている。
単独親権制度を取り入れているからだ。
裁判官や調停委員は親搾取前提で審理を進める。
2017年12月。
タロジロ喪失で半狂乱の私は、すがるように裁判所へ申し立てをした。
「子の引き渡し・子の監護者指定」の審判だ。
「保全処分」も併せて申し立てた。
なんのこっちゃ！？
当の私はテンヤワンヤで頭フル回転。
裁判所になんてかかわったことがない。
ゆえに代理人弁護士の思考が核となる。
理路整然と弁する代理人はイイ人で、懸命に職務を果たしてくれた。
そして私は多様な学びを得て絶望する。
ーーーーーーーーーーー
タロジロと離れて半年ほど過ぎたころだったかな。
私の気の狂いは増幅しはじめる。
「この人たちは何を言っているんだろう？」
大人たちはタロジロを透明人間のように扱った。
裁判所も弁護士も「子の福祉」を盾に、タロジロの幸せを勝手に創造する。
法の専門家がずらりとそろう中、一般人の私の意見などないに等しい。
タロジロの声は容赦なくかき消された。
2018年の審判中も私は親権者で監護権者だ。
なんなら、2021年2月現在も親権者である。
息を吐いて辺りを見渡すと、私の心はさらに狂いを増した。
家族も友人も知人も、タロジロが私に会えない現実を半ば仕方ないとあきらめる。
社会常識が私をタロジロの親と認めないんだ。
ーーーーーーーーーー
5歳ジロウがポツリとこぼす。
「いつになったらまたお母ちゃんと住めるん？」
9歳タロウがジロウに続く。
「なんで会われへんの？」
タロジロを囲む大人たちは、自分のモノサシでタロジロの幸せを図り続ける。
見てみないふりならまだしも、自分が正義だと信じて疑わない。
日本では婚姻状態になければ親はひとりだ。
ひとり親
シングルマザー
シングルファーザー
シングルペアレント
これらの言葉に違和感を持つ日本人は少ない。
そもそもペアレントは単体でシングルやねん！
・・・。
あなたがひとり親を当然とする価値観は、社会常識として、タロジロのように親に会えない子どもを量産させている。
ゆえに、タロジロの不自由の原因はお父ちゃんの資質ではない。
システムエラーによる社会病理なんだ。
ーーーーーーーーーーー
100％片親を失う子どもたちの数は毎日800人。
内400人の子どもたちは親と生き別れの人生だ。
この現実を多くの日本人が当たり前とする。
法務省では家族法に関する法制審が始まった。
民法を変えるための第2ステップだ。
私たちの声は社会を変える大きな風となる。
あなたの常識はソコにいる子どもに優しいのか？
私はタロジロにもっと優しい世界を見せてあげたい。
ーーーーーーーーーー
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
裁判所や弁護士の思考に、タロジロは毎回「なんで？」と怪訝顔。
「なんで？ってなんで？」
タロジロに口癖を横取りされても、お母ちゃんはなんで？で受け止める。
たどたどしく心の疑問を投げ返すタロジロ。
困惑するふたりをフワッと抱きしめて、お母ちゃんは溢れそうな涙の替わりに言葉をこぼす。
大丈夫。
タロジロはおかしくない。
お母ちゃんもそう思う。
一緒にがんばろ。
頬を緩めたタロジロは、ギュッとお母ちゃんにしがみつき、小さな鼓動を共有した。
タロジロの「なんで？」を私は愛で包むんだ。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ー番外編➊へつづくー
➊Facebook編（2021.02.16記）
ーーーーーーーーーー
▼単独親権制から共同親権制へ！みんなでシステムエラーを直せたらステキすぎる！！
▼親権制度の不備はさまざまな社会問題に派生する！？プロジェクトからkindle出版！無料！！おすすめ閲覧は2章♡
▼9年間の密接育児と4年間の遠隔育児から見つめた自分と社会を描く1万文字ラブレター
タロジロがいつか読んでくれるといいな。
きっと大丈夫。
あなたもがんばって。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？