持続可能なセルフコンパッション/命尽きるまで螺旋のように永遠ループ
Vol.9【ワタシノ愛ノセカイ】
母子分断6年目のお母さんらしき私は、セルフコンパッションが趣味である。
「お母さん」という属性にしがみつこうとする自分を見つけるたび、私は小さな器の自分を慈しむんだ。
社会に存在しないお母さんの姿に、おったんかいってツッコみながら、私で自分を抱きしめるごとに、器がふにゃっと溶けてゆく。
溶けて器が新しくなるほど、しがみつく小さな自分は消えてゆくんだけれど、ついでにお母さんもいなくなる。
いなくなる私の一部はたぶん、私に吸い込まれているだけで、心のどっかに溶けているだけで、だからこそ息子たちが今、逞しく育っているんだ。
と言い聞かせる私にお母さんの自分は、私の器の小ささを思い知り、抱きしめてあげたくなるんだな、という一部始終を眺める自分がすべてを慈しむ。
永遠ループ。
だけどループは螺旋を描くようにゆきどまりがなく、のぼるほど渦が小さくなるのに、世界は果てしなく大きくなってゆくんだ。渦の小ささは私の統合でもあり、自分がひとつになってゆくほど、世界の広大さに心震える。
自分の器の溶ける熱は必ず心で響き、熱さ感じるほどに、加速度的に人は成長する。だんだんと熱もなく器が広がってゆく音がして、あらゆることを溶かし呑み込んでゆけるようになるんだ。
どれほど醜くて蠢くような感情でも、何も感じないどころかときに、儚く愛おしく慈しめるようになる。
愛の深さが破滅できる世界の広さ。
愛が世界を創るんだ。
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