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大切なことを語り合うために、大切な時間を使うことへ惑う、分断親子6年目の革命前夜期

vol.22【ワタシノ子育てノセカイ

ありがとうのモノサシは、愛の深さをはかってくれる。あらゆることに感謝できるほど、心は豊かになってゆくから。
 
ーーー 
 
結婚する前に、親になる前に、なんで私はちゃんと、調べなかったんだろう。 
 
こんなに恐ろしい制度を、何も考えずに使っていたなんて、ほとほと自分に呆れる、と感心したことを改めて思い出す。 
 
20代のときにほんのちょっと調べれば、今の日本にはならなかったかもしれないな。 
 
何する気やねん、20代の私←
 
できるときに、できることを、できる人がする。
 
とりあえず、20代の体力が懐かしい。

ーーー 
 
親子でパブリックコメント談議する午後。
貴重な密会時間がするすると流れてゆく。
 
ジロウとパブコメ話は2回目。 
 
 ジロウはパブコメしやへん。
 なんで今、会っとると思うん?
 
心を見透かされたような言葉が飛んできた。 
 
大切なことを語り合うために、
大切な時間を使うことを、
私は惑っていたんだ。
 
鶏卵である。
 
大人がやれよと思う反面で、大人がした結果が今だからこそ、子どもの意見表明は重要で、アタリマエとなってほしい。
 
だけど議論1回目。
ジロウの言葉が私を刺す。 
 
 パブコメしたら、
 会えんようになるんちゃう?
 会えるん今、こんだけやけど、
 こんだけでもなくなったら、
 ジロウはいややねん。
 
6年間の蓄積と警察事変、根深し← 
まぁ、真っ暗闇での取り調べは趣あるしな。
警察事変の断片はコチラの記事
 
ちなみに、私のジロウへのパブコメ説明は『困っていることを国に直接伝えて、みんなで暮らしやすくする会』。

あ、私たち親子は、親権制に起因する、「子どもの連れ去り」社会問題当時者家族です。

現行の親権制度は「家制度」で、私たち日本人のメンタリティ

ーーー 
 
助手席からずり落ちるジロウに尋ねる。 
 
 自分たちの暮らす世界を
 自分たちでよくするのを
 ジロウはなんて思う? 
 
2回目談議をつづけるジロウ。
 
 それはした方がええと思うで。
 でもジロウは気持ち言うの苦手や。 
 ええの、せーへんの。
 
いや、前も苦手言うてたけど、言えてますよ。特に学校で
 
でもわかる。
感情揺らして、
頭使う質問ばかりで、
しんどい。
 
単独親権制度の社会で生きていると、YESか、NOか、答あるか、の問ばかり。 
 
いつもと違うから、そら苦手に感じる。まぁ、母かて得意じゃない。だけど「苦手かも」、と感じることが大切なんだ。
 
喰い付く母から逃げずに、とにかく自分の意見をはっきり、しれっと伝えるジロウを逞しく感じる。 
 
なんせ「せーへん」って3回も言わせる母←
 
1回目談議ですでに、ジロウの考えは母へアウトプットされている。親が知っていれば十分だ。 
 
20代の私は、ジロウの足元にも及ばない。
いや、40代の今もですが。

ーーー 
 
水曜日の天候が崩れると、私はいつもソワソワする。 
 
 お母ちゃんトコ行っていい? 
 
雪がふぶく午後、ジロウとの密会後、タロウとまたばったり会う。
 
 雪すごいから、帰ってん。
 会いたかったから丁度よかった。
 着替えてくるな。
 ズボンしわになるやろ?
 ちょっと待っててや。
 
短くなった制服のズボンのすそが、ええ感じにお直しされた14歳タロウは、声を弾ませ家の中へきえてゆく。 
 
やっと、答え合わせができた。 
 
母元へ来れない天候の日、タロウは何を考えているのかな。雨の日、風の日、吹雪の日。無事の帰宅を祈りながら、私は窓を挟んで天を眺めるんだ。 
 
分厚い雲が天を覆っても、吹き飛ばされそうでも、白く視界がぼやけても、タロウと私は繋がっていたんだな。
 
私こそ何百倍も弾みたい気分。
タロウになんどきも、伝わっているといいな。
 
もちろんジロウにも。 
 
ーーー 
 
ジロウ密会後のタロウとのひととき。 
 
実力テストの問題と答案を詰めた、緑のクリアファイル携えて、タロウが車に滑り込んでくる。
 
車内での3分間、全国模試の熱弁がはじまる。 
 
英語の学校平均点が20点台で、
数学が1番じゃないからくやしくて、
社会はまぁずっとこんなもん。 
 
勉強の話をうれしそうにするタロウは今、どうやって勉強しているんだろう。小学3年生までの約9年間、毎日なにかしら一緒に、学んだ日々が駆け巡る。 
 
学校の宿題の時間は親子時間で、
タロジロと親子3人でおのおの、
絵本読んだり、調べものしたり、
タロウの邪魔するジロウを捕まえて、
お母ちゃんが静かにしてと笑われる。 
 
今も、私が、諭されてばかりだ。
 
ーーー 
 
時は2023年に戻る。 
 
室内に入ると弾丸お喋りがはじまって、音楽みたいなタロウの声を、私は耳に流し響かす。 
 
お話はワールドトリガーで、
サイドエフェクト復習して、
トリオンまでさかのぼって、
ネイバーもボーダーも改めて、
ようやくボーダーのポジション話へ。
 
母、もっとマンガ読むように諭される←
 
だけど同じ説明をタロウに何回させても、タロウは嫌な顔ひとつしないどころか、くり返し笑って教えてくれる。 
 
思い出す。私はタロウ幼少期に「何回おんなじこと言わせんねん!」って、何回ツッコんだんだろう。
 
えぇ、数えきれないくらいです←

ーーー 
 
満足のタロウは人肌-5℃の紅茶を流し込む。
 
演説時間、45分間。
残分はまだ15分もある。
 
下校途中じゃないから長時間なんだ。
 
お母ちゃんのターンとなり、パブコメの話へ。タロウはサクサク意見を述べて、ものの15分でできあがる。 
 
家族のカタチが彼の中にちゃんとあるんだ。 
 
特に中間試案「第2の1」は、表題を読みあげただけで、タロウは瞬で答える。『離婚の場合において⽗⺟双⽅を親権者とすることの可否』。
 
 可!!
 
声の大きさに、ふたりで笑ってたら、コロコロと時間が過ぎた。
 
ーーー 
 
詰めの作業はLINEへ移行。
同じ言葉がタロウサイドに羅列する。
 
 会いたいから
 寂しいから
 毎日
 寂しいから
 会いたいから
 毎日
 会いたいから 

私、がんばれ。
タロウが、がんばっている。
ちょこっと、質問の方法を変えた。
 
 楽しいから 
 
親に会えない「寂しさ」は、親に会える「楽しさ」を知っているから。感情の奥にもぐりこめば「願い」がある。 
 
はっきりジロウさんも時折言うんだ。 
 
 会えへんのは寂しいやん?
 4人で一緒に暮らしてみたい。
 ジロウは楽しいと思うから!
 
タロジロに、私は、ありがとうしかない。

ーーー
 
12月から始まったパブコメを、私はなかなか進められずにいた。試案を読むほどに怒り通り越して震え、意見を綴るほどに涙が溢れて止まらないんだ。 
 
私たちの国は、日本は、大丈夫か?
 
人口の1/10万も意見しない国創りで、革命に参加したタロジロは、世界にどんな理想を描いているのかな。 
 
タロウの説明がこだまする。 
 
 ネイバーの世界に入れるのは、
 訓練したボーダーだけ。 
 
個人の弱さはあたりまえだから、集団として成長するために、自分は何を磨き何をするのか。 
 
とりあえず、
ワールドトリガー、
読んだらええねん。
 
ちなみにタロウの相対性理論への興味は、「炎炎ノ消防隊」から。 
 
楽しいが、学びのはじまり。
学ぶほど、ありがとうも、はじまるんだ。
 
ーーー 
 
景色が見えてありがとう。音が聞こえてありがとう。香かぐえてありがとう。味が広がってありがとう。日常にはなにひとつ、アタリマエなんてないんだ。ありがとうで世界は愛に満ちあふれる。 
 
ーーー 

下校時の30分間だけ
吹雪になる朝の曇天

20(月)19:30~Twitterスペース
『親権制の今と未来』
今回もたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます!

▼Twitterスペース『家制度からの脱却』

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