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潰れそうな心を守る忘却力

vol.10【ワタシノミテイルセカイ
 ~全力のひとりごと

 
 
ボロボロと溢れる雫は私の目から流れてたみたいだ。
 
「タロジロとは最近どう?」 
 
大切な人からの優しい質問。
言葉には本気の心配が詰まっていた。
 
 
 
鈍感すぎて気が付かなかったな。
 
私はタロジロに会えなくて辛かったらしい。 
 
・・・
 
2021年8月9日。 

大切な人と流れるような対話をしてたのに突然しゃべれなくなる。 
 
愛でもって共有を促されたんだ。
そしたらなんだか泣きそうになった。
 
 
一文字でも口にすれば翌日ブス決定な気がする。
 
 
スピーカーからキョトンとする声。
「あれ?もしもし?」 
 
我に返る私は「ぅん」と発したい。
 
だけど。 
 
「ぅ」すらまともに生みだせず、頬があったかい雫まみれになった。 
 
 
・・・ 
 
親権制度の不備による「親子分断・断絶」の当事者活動をしている私。 
 
いつの間にかタロジロと会えない現実を忘れてしまうんだ。 
 
 

日々に追われてなんやかんやしているうちに時は流れる。 
 
気がつけばタロウは12歳でジロウは9歳。 
  
別れたときは8歳と4歳だった。 
2021年の12月8日で5年が経つ。
 
 
 
あっという間だな。 
 
・・・ 
 
2017年の12月8日。
私は気が狂った。 
 
食べない。
寝ない。
笑わない。
 
息だけしてた。 

笑顔が唯一の取り柄がなのにな。

どうやって生きてたのか覚えていない。 
 
もとより過去の記憶は薄めの私。
振り返りは得意でないんだろう。 
 
 
だけどその時期の感情だけは鮮明に覚えている。 
 
 

『生きてるのに死んでる』 
 
・・・ 
 
胸が張り裂けるとはよくできた言葉だ。
 
想定外の出来事に遭遇するとほんとに張り裂ける。
 
なのに張り裂けない心に感心してたかもしれないな。 
 
 
夜が明けたら朝がきて。
朝がきたら夜になるんだ。 
 
 
そしたらもう4年が過ぎている。 
 
時が経つにつれてタロジロと現状への想いも移ろってゆく。 
 
空の色みたいに刻々と化けていくんだ。
 

美しいなにかに囲まれて、あまりにも切なくなったとき、私は自問自答する。 
 
 
 
 
私は薄情な親なのかもしれない。 
 
 
 
 
濁流のようなうねる感情が押し寄せてくる。
 
・・・ 
 
我が子に会えない親御さんにちょくちょくあるお話。
 
「子どものことを忘れそうになるのが寂しくてたまらない」
 
 
忘れるのは「今」を生きているからなんだ。
寂しいのは子どもを愛しているからなんだ。
だから我が子に胸を張って生きていればいい。 
 
 
本当にそう理解しているのにな。
自分のことになると腑に落ちないんだ。 
 
 
 
苛まれる。 
 

 
もちろん私は呑気だからフトシタトキにだけ。
 
・・・ 
 
なんだか切なくて人に話したことなんかなかった。 
 
だけど昨日は言葉が止まらなくなったんだ。
 
 
 
言葉を交わすその人とは震えるくらいに心を高め合える。
 
互いの唯一無二を認め合い、
その人の成長を私の糧に、
私の成長をその人の糧にする。
 
 
すれ違いそうでも丁寧に重ねてきたコミュニケーションがふたりの今なんだろうな。 
 
 
ずっと沈黙していたその人が口を開く。 
 
 
 
 心が潰れるような過去の出来事は
 心が潰れないように忘れるらしいよ。 
 
 
 
私は息を吹き返した。
 
・・・ 
 
今を生きるために、
未来を迎えるために、
 
全力で私の身体はがんばっているんだ。 
 
 
だから気がついたら行動してるのかもしれないな。 
 
日々の夢中は無用なストレスを忘却できる気がする。
 
きっと心が健やかでいられるように突き動かされているんだ。
 
 
大丈夫。
私がんばってる。
 
生きろ。 
 
タロジロもがんばってる。 
 
 

よし。いける。

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