子育てとはあきらめず繋がりつづけて親育ちすること
vol.9【ワタシノ子育てノセカイ】
13歳タロウの声をひと月ぶりに聞いた。可愛らしい声のままだった。春以来、姿を見ていないからきっと大きくなってるだろうな。
終業式には成績表がぴょこんと送信されてくる。褒めてほしいんだと伝わってきた。
ときどき、母としての存在意義に私は惑う。だけど惑いを消してくれるのは子どもたち、タロジロなんだな。
スマホ越しのタロウの声は、ほんの数分では処理しきれない、いろんな感情にあふれてた。まぁ、思春期やし。
通話を終えるタロウの決まり文句「そろそろ勉強するから」がでる。「声聴けてうれしかった、ありがとう」とこれまた通話を終える私の決まり文句を返す。
お互い「ほな」を交わすけど、5秒たっても30秒たっても、タロウは無言のまま通話口にいる。
スピーカーなら口遠い←
48秒後、私が口を開く。「どぅした?」。
「うん」。頷いた3秒後、ぷっ、と切れた。
私は我が子をいつも抱きしめてあげられない。だけど、タロジロの心に確たる存在としてつながっていると思う。
たぶんこのつながりが子どもの幸せの種になるはずなんだ。
子育ては難解なようできっとシンプル。
2022年春。
10歳ジロウと私の足の大きさが同じになった。
今年の日本はマレーシアよりなんか暑い。