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老父と娘の"ちょっといい時間"

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認知症の実父と娘の"ちょっといい時間"を綴ったエッセイ。介護の中には、幸せがいっぱいでした。
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#節分

父と迎える7回目の節分

父と迎える7回目の節分

私「今日は節分だでね。歳の数だけお豆食べてね^ ^」

父「そんなの関係ねぇや」

テレビでは、各地の節分の様子が紹介されています。動物園で、恵方巻きや豆に見立てたエサが、動物たちにプレゼントされた様子を見て、父がククッと笑いました。

私「お父さんは何歳ですか?」

去年の投稿を見ると、最初は70歳から始まり、80歳→90歳と言い直したようです。

今年は、何て言うかな…?

少し考えると、私の

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お父さん、何歳?

お父さん、何歳?

以前、住んでいた実家は、終戦の翌年に建てられた超ボロい借家だった。

おかげで、ネズミとは年中仲良しで、その辺に食べ物を出したまま寝てしまおうものなら、必ず、翌日にはかじられてしまっていたし、本棚の裏側には、いつでも、ネズミのフンが落ちていた。

節分の日には、母に「家で豆をまくとネズミが出るから、豆は外でまきなさい」と言われ、子ども心に、どことなく「鬼は外、福は内」の言葉に矛盾してないか?と感じ

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