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滝音のこと

にしきつみか(西木摘花)

「卒業式になぜ、合唱が行われるのか」
そんな話を音楽の先生がして、合唱練習が始まる


卒業生を出すことと、私の好きな滝音が所属していた大阪にある、よしもと漫才劇場を卒業するタイミングが重なった
滝音は2020年のキングオブコントで決勝にあがり、その年のM-1も敗者復活戦まで進んだコンビ
それまではほとんどメディア出演もなく、M-1グランプリ1回戦の動画が流れてきて、私の中で初めて名前とコンビが重なった
お笑いファンを語るためには、賞レースに進んでいる芸人さんを書き留めておきたいと思い、2018年から準決勝に進んだ芸人さんをノートに記録していて、何度か滝音の名前を書いていた
「名前からすると、きっと往年の芸人だろう」と予測していたのはハズれ、初見なんとも不思議な空気感のコンビだなーと思った
YouTube、キングオブコント、敗者復活戦でしか見なかったコンビが、気づいたらTwitter上に表れて、得体が分からなすぎて気になってくる
１度無限大の舞台でも見たが、その時は「あー、あのときのー」くらいなもので、１度聞いたら忘れられない出囃子が頭に残っていた
その後、どんどん感染症対策がとられ、お笑いの舞台を見に行くことは叶わず、その代わり今では当たり前の配信が出てきた
「あー、大阪に行かなくてもネタが見れる」
その頃はロングコートダディ、ニッポンの社長が中心となってマンゲキを引っ張ってるイメージ
だんだん露出が多くなって来た滝音の配信を見て、隙があれば大阪に行ってみようかなーと気持ちが動く
この3年間で月1生滝音を目標にして、東京の舞台がなければ大阪へ行こうという計画を立てた
彼らは主に漫才をする
ツッコミのさすけさんが出すベイビーワードが印象強いけど、私はボケの秋定さんのしゃべり方も含めたあの雰囲気もいいと思っている
漫才を中心にしているけど、突拍子もないコントも好き
それぞれのキャラクターがめっちゃ出てる気がする

【キングオブコント2020年の決勝ネタ】
サムネ【右:秋定  遼太郎】【左:さすけ】

そんなこんなで、まさか自分の人生の中で大阪まで追いかける芸人さんができるとは思わず、そんな生活を続けていた2022年3月、マンゲキを引っ張っていた、ロングコートダディとニッポンの社長(他にもいました)がマンゲキを卒業するニュースが出た
「あっ、マンゲキって卒業する場所なのかー」とぼやっと思い、「もしかしたら、滝音も…？」とちょっと複雑な思いをかかえながら、滝音のニュースは全国ツアー開催！というニュースだった
これは目一杯応援しなければと思い、全国全ては行けなかったけど何公演かは見た
毎回同じネタにはなっておらず、普通の寄席がある中で、時間をとってネタをマイナーチェンジしていく姿もいいなって思った
2023年はその他にも
あきお
オレかま！
滝音エンジェル
マジで勘弁けびた君
よしもと名駅四丁目ライブ あたしらチョメチョメチョキムーチョ
など新しいライブにわんさか出て、どれも生で見ることは叶わなかったけど、めっちゃ精力的に活動しているし、劇場からの期待みたいなものを感じた
そしてマンゲキフェスのMC
これはなんという展開
もうトップじゃん
配信で見たとき、劇場をぐるーっと見渡して感慨深くなっている秋定さんの姿が印象的だった
そしてこれはこの先続くのかなーなんて思っていたけれど、同じくMCをやっていたビスケットブラザーズ、kentofukaya(他にもいます)と共にマンゲキを卒業、2024年3月に卒業公演を行うことが決まった
東京に来るのに、なかなか受け入れられなくて、わざわざ大阪まで行ってみている自分に酔ってるんだなと感じたりもした
ダサいな、それって

幸運なことに卒業公演のチケットは当たり、見に行く計画を立てる
これが私の大阪遠征最後かもしれないと思ってちょっと寂しくなる
そして、その卒業公演のポスターが

衝撃すぎた
恥ずかしいけど、なんか見れちゃうのはなぜ？二人の恥ずかしさがみじんも感じられないから？
日曜18時、大阪以外の人でもゆとりもって見られる安心な時間
しかし家族安心して見られる内容ではない
ダイジェストでも流れているけれど、オープニングコントは二人のベッドシーンから
卒業公演ってこういうこと？サービス？なんて思いながら、時間はあっという間に過ぎる
漫才２本、コント１本
全て新作
オープニングV、VTRもコーナーも組み立てていて、ポスターも作ってこの丁寧さが滝音だなぁと思う
とことん突き詰めて、やりたいことやっちゃう
それはちゃんと話せている関係性だったり、周りにいるサポートがいいものなんだろうなと感じる
バックアップしたくなるようなコンビなんだろうなー
エンディングで流れた曲に、お二人の直筆メッセージが流れる
照れ臭い内容もしっかりと言葉にしてちゃんと伝えている、そんなメッセージだった

私が思い描いている滝音は、直接話を聞いた訳ではなくて、メディアでいろいろ話しているもののフィルター越しの滝音
見えてるものが全てとは思ってはいない
だけど、ちゃんと垣間見れるその姿勢が、やっぱりいいなーと思う

終演後、お二人はロビーに出てファン対応をされたとのことで、どこまでも温かい滝音でした

今、私の頭の中はエンディングで流れた
「ライフイズペチャクチャ」がずっと残っている

音楽の先生は卒業式前日にこう話した
ある施設に行った際に言われた言葉だという
「人の心に最後に残るのは音楽なのよ、だからそんな音楽を作っていってね」

滝音のメッセージと共に流れたこの曲
これを聞くたびに鮮明に思い出されるライブ
しばらく私の心に残るんだろうなーと思う

生き急いで
取り残されて
何にも見えなくなった毎日
生き残って
這いずり回って
何にも見えなくなった帰り道

滝音はどこに行っても滝音である
なおさら応援できる距離にいるんだから、もっと応援しよう
と思ったのはつい最近

ますますのご活躍を願ってやみません

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