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西暦3001年……【掌編】1,158字

西暦3001年現在、大戦や大災害によって過去の文明の情報はとうに失われています。

我々は過去の人々がどのような生活をしていたのか僅かに残された遺物から推測することしかできません。

およそ1000年前の西暦2000年代、まだ他星との交流がないので純粋な地球人がいたと考えられている時代です。

2足歩行で7、8頭身、2本ずつの手足。これが純粋な地球人であり、類人猿の一種です。

この当時、地球人といった場合、この類人猿の一種のみを指すことが今までの常識とされてきました。

しかし、私は、類人猿以外の地球人もいたと考えます。

説を立証するこの文献証拠をご覧ください。

「この豚野郎!」

これは1900年代終わりから2000年代にかけて当時の日本エリアで使われていた挨拶と思われます。

「豚」というのは哺乳類の一種であり、家畜でもありました。

注目すべきは「野郎」です。野郎は若い男性を意味する表現です。「豚野郎」、つまり、これは「豚のお兄さん」という意味で使われていたと推測できます。

ここから、類人猿以外に豚の地球人もいたと考えるのが自然であります。

「このタコ助!」も同様に「タコの男性」を意味する表現です。タコの地球人もいたと考えることができます。

また、この文献証拠もご覧ください。

「日本人がウサギ小屋に住むのは……」

これは1900年代の終わりに書かれた一文です。

ウサギというのは小さな哺乳類です。これは他のエリアの地球人が日本エリアの地球人について記述したものと考えられます。

つまり、日本にはウサギの地球人もいた、もしくは日本人は皆ウサギだったと推測できるのではないでしょうか。

しかし、2000年代には「ウサギ小屋から豚小屋に住むようになった」との記述もあります。

豚の地球人の文化が入って来た、もしくは豚の移民が増えたといった変化があったのかもしれません。

こちらのケースも興味深いものがあります。

「国家の犬」「政府の犬」これは主にポリスを指す表現とされています。また、「犬のおまわりさん」という幼児向けの歌があったという記録も残っています。

犬の地球人がいたという証拠であると同時に、特定の職業に特定のアニマル地球人が就いていたという推測もできるのではないかと考えています。

同様に「白衣の天使」は看護師の職業に天使族の地球人が多かったのではないかと。

以上のことから、2000年代の異星交流前であっても地球人は類人猿一種ではなく様々な動物ルーツの地球人がいたと私は考えております。

また、これはまだ研究途中なのですが……。

こちらをご覧ください。

2人の男性の絵です。一般的な、つまり類人猿型地球人に見えるのですが、彼らはネコとタチであると記載があります。

ネコというのは哺乳類ですが、タチというのは不明です。一応、タチウオという魚類はいますが――。


2021年6月

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見出し画像にイラストをお借りしました。




爪に火を灯すような生活をしております。いよいよ毛に火を灯さなくてはいけないかもしれません。いえ、先祖代々フサの家系ではあるのですが……。え? 私めにサポートいただけるんで? 「瓜に爪あり爪に爪なし」とはこのことですね!