【訳ありボツ話】『シュガーなきみの歌をオーイェーイ!』『男子中学生が書いた異世界系です。』

今回もボツにした過去話2本を紹介していきます。

奇しくもどちらも中学生が書いたという設定です……。

まずは1本目からどうぞ。


シュガーなきみの歌をオーイェーイ!(802字)

ショートショート書いたから読んで感想聞かせて

いいよ~

***

大野は走っていた。それを追いかける和也。

和也「ちょ待てよ!」
大野「待てない。松本が助けを待ってるんだ」
和也「こうなったら仕方ないか……」

和也は懐から新型小型兵器「ハピネス」を取り出し、大野に銃口を向ける。それに気づいた大野も足を止め、懐から小型兵器「ガッツ」を取り出す。

均衡状態……沈黙を破ったのは大野だった。

大野「俺のガッツではお前のハピネスに勝てない。降参だ」
和也「よし、お前と戦いたいわけじゃないんだ。協力しよう」
大野「それなら先に言ってくれよ……」

二人は松本がとらわれている港湾倉庫に急行する。

和也「それで何番倉庫なんだ?」
大野「……わからない」
和也「しらみつぶしに探すしかないか……」

???「クックックック。よくぞここまで辿り着いた」

大野・和也「お前は…ショウ!」

闇の中から二人に話しかけた男の正体は松本を誘拐した張本人、ショウだった。

ショウ「松本はこの2番倉庫にいる。助けたければ俺を倒してみろ!」

大野「クソっ!あいつの武器、デーライトには俺たちの武器は太刀打ちできないっ!」
和也「大野!忘れたのか!俺のハピネスとお前のガッツは合体させることでデーライトをもしのぐ武器になるんだ!」
大野「そうだった」

大野・和也「くらえっ!FURUSATO~!!」

「ハピネス」と「ガッツ」の合体武器、「FURUSATO」が火を噴く。

ショウ「やられた……フェース、ダ、ウ、ン……」ばたり。

二人は急いで松本の元へ向かう。

大野「松本~助けに来たぞ!」
松本「ここだ~!」

大野と和也は無事、松本救出に成功。

松本「感謝かんげきだぜ~大野!」

和也「おいおい、俺もいるんだぜ~?」
松本「悪い、悪い。今回はお前たちのターニングアップの力に助けられたぜ!」

大野「何いってんだ、困ったときはお互い様だろ!」

大野・和也・松本「な・に・せ、俺たちはワンラブだからなっ!ハハハ~」

3人はいつまでも笑い合うのでした。

~ラブソースイート・完~

***

どうだった~?

……相葉君出てなくね?

2020年9月


某アイドルグループのことを好きな女子中学生が、メンバーの名前や作品名を散りばめて書いたという体です。
露骨でダサくなるように工夫しました。
洗練されたメンバー名やタイトル名をダサテイストにするのは至難の業だったかと!
今の中学生は彼らを知らない人もいるのかな?
少なくとも数年前は誰もが知る国民的アイドルだったと思います。
さて、肝心のなぜこれを書いたか……たしか、これはいろいろと実験をしていた頃だったと思います。検索にどう影響するのか的な。とはいえ、おふざけ7割、検証3割ほど。

次は男子中学生が書いたという体のお話。

「男子中学生(14)の机から発見されました」
証拠物件から抜粋「選ばれし勇者ツトムが邪悪で許せない汚い悪の魔王ヒロートから美しくて優しい美姫ユイ姫を救う話」

こんな前置きから始まる物語です。


男子中学生が書いた異世界系です。(1,754字)

原文まま

???「そなたは…もしやツトム様ではありませんか?」

俺「ん…ここはどこだ?」

何者かの声に目を覚ますと俺は異世界にいた。なぜ異世界ってわかったって? そりゃわかるさ。なにせ声の主は手のひらサイズでしかも羽根があったんだから。そう、妖精ってやつだ。

キララ「私の名前はキララ。あなたはこの世界を救うために導かれた勇者様なんです」

俺「確かに俺の名前はツトムだけど…勇者なんて」

キララ「ツトムという名の勇者が現れるとこの国に伝わる伝説にあります。その御名前が勇者の証です!」

こうして俺、ツトムは勇者となりサーワ王国を救う事となった。キララによると、王国は今魔界から攻められていてピンチらしい。その憎くて醜い魔界の魔王がヒロート。

ヒロートは罪のないサーワ王国の人たちを苦しめ皆に忌み嫌われている。そしてもっとも許せないのがサーワ王国の姫、ユイ姫を誘拐したことだ。

ユイ姫は美しくて誰にでも優しいお姫様だ。身長155.1センチ、体重46.5キロ。美しい黒髪を肩まで伸ばしている。球技が得意でおしゃべりも好きらしい。俺はユイ姫の写真を見て一目ぼれした。

絶対に悪のヒロートからユイ姫を救って俺の恋人にしてみせると決意した。

こうして、俺、ツトムは妖精のキララをお供にして魔王城へと旅立った。途中の敵はザコばかりだった。蹴ったり空き缶をぶつけたりしたらすぐに倒せた。

魔王城へ到着。ヒロートにふさわしいボロくて汚い城だった。魔王ヒロートと対面する。魔王ヒロートは卑怯にもユイ姫を盾にした。

俺「ヒロート、卑怯だぞ。みんなお前のことを嫌っているんだからな。その汚い手をユイ姫から離せ!」

ヒロート「グヘヘヘ、勇者ツトムよ。ユイ姫を殺してやる、グヘヘヘ」

ヒロートは汚い手でユイ姫を殺そうとしていた。

キララ「人質さえいなければツトム様のお力でヒロートなんて一撃なんですが……そうだ! 必殺技を使えばヒロートだけ攻撃できます!」

俺「そういうことは早く言ってくれよ!」

俺は頭の中に浮かんだ呪文を唱えた。
俺「覚醒!奥義!聖ツトムソード!」

ヒロートは醜い肉塊へと形を変えた。こんな小汚いヒロートにはもう用はない。

ユイ「助けてくれてありがとうございます! ツトム様♡ 黒髪と鋭い眼光がカッコイイんですね!」

俺「俺もユイのことが好きだ……。結婚しよう」
ユイ「ハイ♡ 喜んで♡ 嬉しい♡」

俺、ツトムとユイは熱いキスをした。そしてハグをした。いつまでもいつまでも。

~完~

教室の隅に追い詰められた博翔ひろとの腕にはいくつも切り傷があった。いつもからかっているつとむが豹変したのは今日の放課後のこと。

いつものように勤にジュースのお使いを頼み、誰もいない教室で待っていた。帰ってきた勤の手にジュースがなかったため、叱るために蹴ろうとしたら突然勤が果物ナイフを取り出して暴れ出したのだ。

勤「もう我慢できないんだよっ!いっつもいっつも外まで飲み物買いに行かせて!金払えやっ‼貧乏貧乏って言うくせにお前の方が金ねーんだろうが!!!」

博翔「金は後で払おうとしてたんだよ…血、血出てるから」

勤「そっれに!ユイ姫もたぶらかしやがって!」

博翔「ユイ姫?結衣ゆいのこと?あいつから告ってきたんだけど…」

勤「んなはずないっ!んなはずないっ!ユイ姫は俺が救う!」

激情した勤に足がすくんだ博翔は何も言えずにうずくまった。

勤「覚醒!奥義!聖ツトムソード!」

勤は博翔に何度も何度も果物ナイフを突き刺した。博翔は醜い肉塊へと形を変えた。

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17日午後5時10分頃、●●県澤乃市にある市立中学校の教室で同中学校2年生の高橋博翔さん(13歳)が血を流して倒れているのを同中学の教諭が見つけ、119番通報した。高橋さんは救急搬送されたが死亡が確認された。

●●県警は現場にいた同級生の少年 (14歳)を殺人容疑で逮捕した。少年は「いじめられて我慢できなくなってやった」と容疑を認めている。

同中学校に通う女子生徒 (14歳)は「被害者はクラスの中心人物で明るくていい子で、加害者は誰とも口をきかないおとなしい子だった。被害者だけはよく話しかけていたので仲がいいのかと思っていた」とショックを受けていた。

県警によると少年の家からは自身や被害者が登場する自作小説が見つかっており、詳しい経緯や動機との関連性を調査している。

2020年9月


これをボツにした理由は、私の中のラインを越えてしまっているからです。未成年が救いのない目に遭う話はちょっと。
この三層構造?もしてやったり感が感じられてなんだかいけ好かないです。

初期に中学生が書いたという体にした話が多いのは、自信がなかったので未熟でも「そういう体だから。あえての未熟感だから、これ」という感じで言い訳できると考えたからでしょう。


爪に火を灯すような生活をしております。いよいよ毛に火を灯さなくてはいけないかもしれません。いえ、先祖代々フサの家系ではあるのですが……。え? 私めにサポートいただけるんで? 「瓜に爪あり爪に爪なし」とはこのことですね!