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掌ー編ハウアー

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主に過去に書いたものを。掌編、短編、ショートショートの違いがいまいちよくわかりません。
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2021年12月の記事一覧

石仏【掌編】(2,996字)

 怒り顔、笑い顔、泣き顔など様々な表情の仏像たち。仏像は赤ん坊ほどの大きさながら目の前に…

爪毛川太
2年前
9

極楽のショー【掌編】(1,766字)

 孔雀に憧れたヒヨコか主張の強い交通誘導員か……。どちらにせよ、隊列を組んで踊り狂う彼ら…

爪毛川太
2年前
9

殺人現場の俳句【掌編】(1,431字)

「手がかりはこの俳句だけか……」右手小指の爪をかじりながら独り言のように呟く。  すかさ…

爪毛川太
2年前
14

フォルダ「江口」【掌編】(1,123字)

毎日、飽きずにボーっと見る。 別段好きなわけじゃない。他に時間をつぶす手段がないだけ。 …

爪毛川太
2年前
10

深更の青月【掌編】(455字)

深夜の高速道。 グゥーンという走行音を聞きながら後部座席で眠りこけていた。 父の運転する…

爪毛川太
2年前
8

ラスボス戦【掌編】(895字)

今、ハマっているゲームがある。 結構前のソフトだけど中古屋で見つけて買ってみたら大ハマり…

爪毛川太
2年前
10

男子中学生が書いた異世界系です。【掌編】(1,837字)

証拠物件から抜粋「選ばれし勇者ツトムが邪悪で許せない汚い悪の魔王ヒロートから美しくて優しい美姫ユイ姫を救う話」 *** 原文まま ???「そなたは……もしやツトム様ではありませんか?」 俺「ん……ここはどこだ?」 何者かの声に目を覚ますと俺は異世界にいた。なぜ異世界ってわかったって? そりゃわかるさ。なにせ声の主は手のひらサイズでしかも羽根があったんだから。そう、妖精ってやつだ。 キララ「私の名前はキララ。あなたはこの世界を救うために導かれた勇者様なんです」 俺

世界チャンピオンになりたかった。【掌編】(839字)

 テレビでは防衛したチャンピオンが肩車されてみんなに祝福されて。チャンピオン、チャンピオ…

爪毛川太
2年前
8

クイズ!今何問目?【掌編】(1,580文字)

『問題ですっ! 突然ですが今何問目?』 えっ! いきなりですか~(笑)。こういうのって1…

爪毛川太
2年前
8

孫の手【掌編】(859字)

彼は背中をかくだけの存在である。 彼は人々の背中をかく為だけに存在している。 かかなけれ…

爪毛川太
2年前
7

4歳児と29歳児【掌編】(511文字)

世間では鬼だ剣士だなんて騒いでますがね……。 ボクがハマっているのは妖怪のメダル。何十枚…

爪毛川太
2年前
7

きつめのやいだ【掌編】(870文字)

 竃の炭火で焼き上げるピザが人気のレストランにランチに来ている。  焦げ目のついたチーズ…

爪毛川太
2年前
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夜更けの夢見鳥【掌編】(669文字)

「20万借金があるヤツと、2億借金があるヤツ、どっちと友だちになりたい?」 うんこ座りし…

爪毛川太
2年前
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味の向こう側【掌編】(852文字)

 瞬間、ザラリとした舌触り。そのくせすぐふわっと溶ける。  しょっぱ味が一番。その後申し分程度の甘味が来る。その後またしょっぱ味が来て今度は苦みが居座る。だが最後に残るのはしょっぱ味とほのかな舌のしびれ。  今度は舌に乗せる位置を変えてみる。  ゼロコンマ一秒の甘味の後、しょっぱ味、苦み、しょっぱ味。位置が変わると順番も変わるようだ。だが、やはりしょっぱ味が勝つ。  今度は大きくひと口。ガツンと掌底されたような衝撃。しょっぱ味、甘味、苦みが一気に来て味覚が麻痺する。