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1手詰から始めるフェアリー超入門 Isardam編1

今回は Isardam です。

先にマドラシ編をお読みいただくことをお勧めします。

ルール

【Isardam】同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。玉を取ると同種の敵駒の利きに入る場合は王手とみなさない(タイプA)。玉を取るとき敵駒の利きに入るかどうかを問わない場合は、「タイプB」と呼ぶ。

Isardamはマドラシ(Madrasi)を反対から書いたルール名です。英単語としてそのまま読めば「アイザーダム」になるようです。マドラシをひっくり返して「シラドマ」と読んでもひょっとしたら伝わるかもしれません。

「~する手を禁止する」とあるように、通常ルールに対して着手制限を加えたルールです。具体的には、「マドラシ状態」を作る着手は禁手と定めます。

図でルールを確認しましょう。

左上図で、攻方は37飛や53飛生と指すことはできません。自分の飛車が相手の飛車の利きに入るため、禁手です。

なお、生駒と成駒は別種の駒とみなします。そのため53飛成は合法手です(右上図)。

能力変化系のルールで「利き二歩有効/無効」の概念がありました。Isardamでも同様に、「玉を取る手がマドラシ状態を作るとき、玉を取ったことを優先するか、マドラシ状態であること(禁手)を優先するか」を決めないといけません。

利き二歩有効/無効 については、下記の「ルール > 補足 > 利き二歩有効/無効」をご参照ください。

Isardamでは、それぞれのルール設定を下記のように タイプA/B と呼びます。

玉を取る手がマドラシ状態を作るとき、
タイプA:マドラシ状態であることを優先する
タイプB:玉を取ったことを優先する

具体例で確認します。

下図のように、攻方が46銀と打ったとしましょう。

46銀は王手?

このとき、タイプA/Bでそれぞれ下記のように解釈します。

  • タイプA:マドラシ状態になるため、55銀と玉を取れない。よって46銀は王手ではない。

  • タイプB:46銀は王手。

以降、単に「Isardam」と言ったらタイプAのIsardamを意味するものとします。タイプBを扱いたいときは、「Isardam(タイプB)」のように明示します。

引き続き、Isardamのルールを具体例で確認していきます。

左下図は攻方が19香と打った局面ですが、これは王手ではありません。
香の利きが向かい合うため、14香と玉を取ることはできません(右下図)。

一方、左下図のように14玉が13玉であれば、19香は王手になります。13香と玉を取れるからです。

Isardam特有の受けや王手の方法を見ていきましょう。

左下図は通常の協力詰では22金によって詰みですが、Isardamでは13金と打って王手を外すことができます(右下図)。

12玉を金で取る手が禁手になっています。

なお、13金ではなく11金や21金と打つのは、攻方の22金の利きに入っているので禁手です。

もし22金がと金であれば、受けがありません(左下図)。

また、例えば右上図であれば、受けのスペースがなく詰みとなります。

左下図は、57角の王手に13角と受けた局面です。ここで24香と動かす手は王手です(右下図)。13角の利きを遮断しているので、35角と玉を取る手が可能になっています。

また、タイプAのIsardamでは、王で王手を掛けることができます。

左上図で、35玉は24玉か46玉と動くことしかできません。例えば、44玉のような手は角が向かい合うため禁手です。そのため、左上図で先手の手番なら、26王という着手が可能です(右上図)。

そして、26王は受方玉への王手になっています。実際、26王に対して受方がもしパスをしたとすれば、35王と玉を取ることができます。13角の利きに玉が入りますが、13角で王を取り返すのは角が向かい合うため指せません。

例題

左上図は27飛成迄の1手詰です(右上図)。香が向かい合うため、27飛成を同玉とは取れません。

1手詰 練習問題

以下は Isardam協力詰 1手です。No.9は2解なのでご注意ください。
解答は次回の記事に記載します。

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