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1手詰から始めるフェアリー超入門 マドラシ編1

今回は マドラシ を扱います。

過去の記事は下記のマガジンをご参照ください。

https://note.com/tsume_springs/m/m60d25c73667f

ルール

【マドラシ】同種の敵駒の利きに入ると、利きがなくなる。 
双玉の場合、玉にもこの規則を適用するルールを Kマドラシ、適用しないルールを nonKマドラシ と表す。

具体例でルールを確認しましょう。

上図で、攻方の37飛は玉方の33飛の利きに入っています。そのため37飛は利きがなくなります。玉方33飛は攻方37飛の利きに入っているので、同様に利きがなくなります。

同種の駒がお互いの利きに入って互いに利きを失っています。マドラシルールにより駒が利きを失うことを、俗に石化と呼びます。

36飛の利きがなくなっているので、左下図のように27玉と指すことができます。しかしながら、右下図のように35玉と指すことはできません。35玉と指した瞬間に、33飛の(本来の)利きが37飛に届かなくなり、37飛は利きを取り戻します。そのため、35玉は自玉を王手にさらす禁手です。

また、生駒と成駒は別種の駒とみなします。例えば下図で33龍と37飛は別種の駒なのでマドラシルールは適用されません。そのため、27玉などと指すことはできません。

別の例を見てみましょう。

左上図は、普通の詰将棋や協力詰であれば詰んでいます。しかし、マドラシルールでは31金などのように22金を石化させる受けがあります(右上図)。

マドラシルールの詰め上がりでは、王手駒が石化されない必要があります。

少し奇妙な例ですが、左下図では受方の持駒に金がありません。そのため22金の王手を解除することができず詰んでいます。

右上図も詰んでいます。と金を1手で盤上に用意することができません。

上図も金の王手で詰んでいます。盤の端をうまく利用していて、11金を石化するスペースがありません。

Kマドラシでは、左下図のように互いの玉が隣接するのは合法です。玉が互いの利きに入っているので、ともに全く動けません。

14歩と突けば、王手を外す手段がなく詰んでいます(右上図)。

マドラシルールでは、金のように利きが多い駒はとどめに向いていないことが分かります。石化されにくいという意味で、成駒や利きの少ない駒はとどめの駒に向いています。

補足

3枚以上の同種の駒が利きでつながる場合

左上図では44銀と35銀は利きを失っています。この状態で24銀と打ったとします(右上図)。

このとき、「35銀の利きはすでに消えていたので、24銀は相手の銀の利きに入ったわけではない。よって24銀の利きは消えないので24銀は王手」とは解釈しません。

利きが消えるかどうかは、本来の利きに入るかどうかのみで判断します。24銀は35銀本来の利きに入るので、利きを失います(44銀の有無は関係ない)。右上図の24銀は王手ではありません。

行きどころのない駒

通常の詰将棋と同様に1段目の歩・香・桂、2段目の桂は禁手です。

利き二歩有効/無効

別の駒の性能に変化するわけではないので、利き二歩有効/無効 の概念もありません。

例題

左上図は31飛生迄の1手詰です(右上図)。31飛成では、下図のように42龍などの受けがあります。

失敗図

1手詰 練習問題

以下は マドラシ協力詰 1手 または Kマドラシ協力詰 1手です。
解答は次回の記事に記載します。

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