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2024年 年賀詰 解答

年賀詰の解答です。

解答:57P 迄1手

下記に記載している$${(a,b)\textrm{-Rider},P(n)\textrm{-Rider}}$$の定義や性質を利用します。

表記を簡単にするため、$${(a,b)\textrm{-Rider}}$$のことを$${R(a,b)}$$、$${P(n)\textrm{-Rider}}$$のことを$${PR(n)}$$と書くことにします。

$${2024}$$は$${2024=2^3\times11\times23}$$と素因数分解されます。よって$${2024}$$の正の約数とそれらを$${9}$$で割った余りは下表の通りです。

$$
\begin{array}{r|r}
約数 & 余り \\
\hline
1 & 1 \\
2 & 2 \\
4 & 4 \\
8 & 8 \\
11 & 2 \\
23 & 5 \\
44 & 8 \\
46 & 1 \\
88 & 7 \\
92 & 2 \\
184 & 4 \\
253 & 1 \\
506 & 2 \\
1012 & 4 \\
2024 & 8
\end{array}
$$

したがって$${PR(2024)}$$は下記のように計算できます:

$$
\begin{align*}
&PR(2024) \\
=\quad&R(1,2024)+R(2,1012)+R(4,506)+R(8,253) \\
+\,&R(11,184)+R(22,92)+R(23,88)+R(44,46) \\
=\quad&R(1,8)+R(2,4)+R(4,2)+R(8,1) \\
+\,&R(2,4)+R(4,2)+R(5,7)+R(8,1) \\
=\quad&R(1,1)+R(2,4)
\end{align*}
$$

$${R(1,1)}$$はBishop(成らない角。僧)に他なりません。

$${R(2,4)}$$は$${R(1,2)}$$、すなわちNightRider(夜)に他なりません。実際、$${R(2,4)\subset R(1,2)}$$は明らかです。$${R(2,4)\supset R(1,2)}$$は、$${R(1,2)}$$の1ステップが$${R(2,4)}$$の5ステップに等しいことから分かります。

例えば、$${(1,2)=(10,20)=(5\cdot2,5\cdot4)}$$のようになるわけです。

以上より、$${9\times9}$$のトーラス盤では$${PR(2024)=僧 + 夜}$$となります。

$${PR(2024)=僧 + 夜}$$の利きを確認しましょう。まずトーラス盤上の僧と夜の利きは下記のようになります。

55の地点にいるとき
77の地点にいるとき

$${PR(2024)}$$は僧と夜の合成なので、下記のようになります。

$${PR(2024)}$$の利きを観察すると、$${2\times2}$$の正方形$${9}$$個が規則的に並び、$${PR(2024)}$$から$${(3,3)}$$だけ離れた$${4}$$マスに利きがあります。

煩雑になるので詳細は省略しますが、$${PR(2024)}$$がどこにいても、正方形$${9}$$個と星印$${4}$$個の利きになることが分かります。

では問題を考えましょう。

持駒の$${PR(2024)}$$を打ってステイルメイトにします。22金・23歩・82金・83歩はすべてロイヤル駒なので、どの駒にも王手を掛けずに、どの駒も動けないようにする必要があります。

正解は57に$${PR(2024)}$$を打つ手。

$${4}$$個の星と正方形がうまくかみ合って、$${4}$$枚の駒はいずれも動くことができません。

トーラス盤では$${PR(2024)}$$がBishopとNightRiderという有名な駒の複合になること、またその利きが規則正しい模様になることが小さな発見でした。

一般の$${n}$$に関する$${PR(n)}$$については下記をご覧ください。


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