見出し画像

スタンフォード大学の西野先生に会ってきました!


1. イントロダクション

1-1. 西野先生のご紹介

睡眠研究では世界の最先端をいくスタンフォード大学で、32年間良質な睡眠と健康について研究をなさっている西野精治先生。睡眠については心理学的なアプローチをはじめとして色々な分野で研究がなされていますが、西野先生は、物質レベルで脳の中で何が起きているかを突き止める、という非常に高度な研究をなされています。

一方で、良質な睡眠のために、日常の暮らしの中でどのような工夫をすれば良いかをわかりやすく伝えることも長年行っており、書籍「スタンフォード式 最高の睡眠」は、2017年発売以降、大ベストセラーになっています。書籍概要は本ブログで後述しますが、睡眠で悩まれている方は、是非ともご自身で書籍を手に取ってみていただけると良いと思います。

また、西野先生が、良質な睡眠のための枕や布団(ブレインスリープ社)を監修されています。睡眠に悩まれている方は、検討されてみても良いのではないでしょうか?
ブレインスリープ(Amazon)
ブレインスリープ (公式サイト

1-2. お会いしたきっかけ

私自身が40歳を超えたあたりから眠りが浅くなり、仕事や生活に影響を及ぼすようになりました。以前であれば、仕事で嫌なことがあっても眠る時には忘れていて朝までしっかり眠れていたのですが、40歳を超えてから、寝る時に仕事のことが頭から離れない、夜中の2時とかに目が覚めるようになり朝まで眠れない、日中の仕事で集中力が低下してしまう、それによって精神的にも参ってしまう、など睡眠をはじめとして日常生活に問題を抱え始めていました

西野先生のことはインターネットとかでなんとなく知っていましたが、書籍を手に取ることもなく、睡眠についての知識はかなり浅いままでした。今思うともっと早く西野先生の書籍を手にしておけばよかったと思います。

会社の調査活動でシリコンバレーをにいくことになり、調査プランを企画会社にお願いしたところ、スタンフォード大学の西野先生ともお話できるということを伺いまして、睡眠に問題を抱えていた私にとってまたとないチャンス!ということでアポイントをお願いして実現しました。

若い頃から海外への留学に憧れていたものの、行動に移すまでの決断力なく年を重ねてきたのですが、いつかは世界最高峰のスタンフォード大学には足を運び、この目で見てみたいたいなー、と思っていました。今回、スタンフォード大学に訪れるだけでなく、実際にそこで最先端研究をされている先生とお話しできることになり、本当に嬉しかったです!

2. 西野先生の著書紹介

2-1. 書籍「スタンフォード式 最高の睡眠」概要

まず、お伝えしたいのは、スタンフォード大学は、30年以上前に世界で初めて本格的に睡眠研究に本格的に取り掛かり、今も世界最先端を走っている、ということです。この本は、スタンフォード大学が持ち合わせる科学的知見をもとに、睡眠の質を高めるためにはどうすれば良いか、と言うことがとてもわかりやすく書かれています。

「最高の睡眠」

2-2. 書籍で興味深かったところ

個人的に興味深かったところをいくつか紹介します。さらに内容についてお知りになりたい場合は、是非とも書籍を手に取っていただければと思います。書籍代1800円の投資で劇的に睡眠と人生の質が向上すると思います!

まず、一つ目は、睡眠が与える体と脳の影響についてです。よく知られるところでは、「「記憶」を整理して定着させる」「成長ホルモンが分泌される」などがあります。一方で「へぇ〜」と思ったのが、「脳の老廃物が寝ている間に除去される」ということです。昼間でも脳の老廃物は捨てられるのですが、それだけでは追いつかず、就寝時にまとめてメンテナンスしているとのことです。脳の老廃物が溜まったままでいると、アルツハイマーや認知症の原因となるとのことで、日本人の平均睡眠時間の短さと認知症患者数の多さを考えると、とても頷ける話でした。私も睡眠に悩んでいるところがあるので、本当に危機感をもって睡眠の質の改善を図ろうと思った次第です。

二つ目は、深い眠りにつくためには、夏でもお風呂に入った方が良く、また睡眠の2時間前の入浴がベストタイミングであるということです。これは体の深部体温が影響するからなのだそうですが、お風呂に入ることで深部体温が一時的に上昇し、1時間半から2時間後に入浴前より深部体温が低下することで、眠気が出てくるそうです。シャワーだと深部体温の一時的上昇があまり望めないので、入眠効果は薄いようです。お風呂は自律神経を整えるという効果はよく知られていますが、深部体温の上がり下がりによる入眠効果は初めて知りました。夏でもしっかりとお風呂に入りたいものですね。

他にもいろいろと良質な睡眠を取るための工夫が書かれていますので、睡眠の質を高めたいという人は是非とも書籍を手に取ってみてください!

3. Stanford大学で西野先生とお会いしました!

3-1. Stanford大学に潜入

昔から訪れてみたいと思っていたStanford大学。いやーバカでかい。ネット上によく掲載されている場所。

西野先生は、メインキャンパスから離れたところにいらっしゃいます。

3-2. お話の内容

非常に温和な方で、穏やかな話し方をする西野先生でした。話の中心は、やはり睡眠の話。本で書いていること以外にも、シフト制の仕事がいかに健康に悪影響か、PresenteeismとAbsenteeismの話など、非常に興味深い内容についてはもご説明してくださ入りました。このブログではPresenteeismについてお伝えしてみますね。

Presenteeism(プレゼンティイズム)とは、「出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により、充分にパフォーマンスが上がらない状態」を意味します。(参考:ライザップ社ウェブサイト)ちなみに、Absenteeismは、欠勤のことを指します。

図の引用元:ライザップ社

欠勤はわかりやすいですが、勤務はしているけどその人が体調が悪いなどは、わかりにくい場合が多い。特にリモートワークが進んでいる職場環境のところはなおさらだと思われます。体調不良、二日酔いだけど、とりあえず出勤しておこう、といった人の仕事のパフォーマンスは当然ながら悪いわけですが、その状況に対するケアする仕組みとかが整っている企業は少ないと思われます。

企業は、アブセンティズム(欠勤)には注意を払うが、プレゼンティズムにはあまり注意を払わない。仕事の生産性を考えると、プレゼンティズムにも注意を払うべきで、そこには睡眠が非常に大きく影響している」と西野先生はおっしゃられていました。

3-2. 気づきや学んだこと

西野先生は、プレゼンティズムを改善するためには、まず睡眠をしっかり取ることを推奨されています。睡眠自体を改善するための工夫は前述の通り、睡眠の2時間前にお風呂にゆっくり入る、夏はエアコンをつけて室内温度を下げる、などですが、それでも私たち現代人は睡眠をしっかり取ることが難しくなっていると思います。

そこで西野先生は、日中に仮眠をとることを推奨しています。30分以内の仮眠は、全くしないよりも劇的に仕事のパフォーマンスを改善することが研究で明らかになっています。スペインではシエスタと呼ばれる、昼食後に休憩をとる習慣がありますが、あれはかなり理にかなっているということです。オフィスに仮眠室を作っている企業もちらほら出てきていますが、とても良いことだと思います。ただ、1時間以上仮眠をとると、逆にパフォーマンスが下がることが研究でわかっていますので、仮眠のとり過ぎには注意しましょう。

また仮眠は、短期的な仕事のパフォーマンス向上だけでなく、長期的な健康にも良い影響を与える、というのが明らかになっているそうです。日本で認知症が劇的に増えており、睡眠負債が認知症に対してかなり影響しているとのことです。認知症をはじめとする高齢者の医療費に税金がたくさん注ぎ込まれていますが、仮眠を推奨するだけで、医療費が相当削減できるではないでしょうか?

4. まとめと感想

4-1. 自分の生活に取り込む

まずは、夏でもお風呂にちゃんと入る。今までは夏はシャワーで済ますことが多かったのですが、今年からはちゃんと湯船に浸かりたいと思います。幸いなことに、自宅から徒歩0分のフィットネスクラブに通っていまして、毎日ジャグジーに入ることができますので、実現可能かと思います。

次に、仮眠を30分とる。これは在宅勤務している時は、比較的容易にできるのですが、出社している時はちょっと難しい。人目があるところで寝れる気がしないので、休み時間になったら、弁当を持って会議室へダッシュしたいと思います。(お昼の会議室利用は早い者勝ちなのです。)

オーラリングで睡眠や日中の状態を可視化する。オーラリングというセンサーのついた指輪で睡眠の状態を可視化してみようと思います。また利用した感想とか、睡眠や日中の状態の変化などをブログでご報告してみとうと思います。

オーラリング

「 オーラリング公式サイト 」
オーラリング(Amazon)

4-2.その他、雑感など

書籍とインタビューを通して睡眠についてかなり深く理解できた気がします。睡眠の重要性を改めて認識するとともに、どのようにしたら睡眠の質を高めることができるのかを色々知ることができました。今回スタンフォード大学に行く機会がなければ、西野先生の書籍を手にすることもなかったですし、中途半端な睡眠の知識で、ずっとこれからも睡眠で悩んでいたことだろうと思うと、本当にこの訪問機会があって良かったと思います。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。睡眠は本当に大事です。アメリカでは、スリープクリニックと呼ばれる睡眠専門科が何千とあります。それに比べて日本は睡眠については遅れています。少しでも皆様がより良い睡眠が取れるようになり、人生が充実しますように。

月詠壮亮


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?