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【睡眠と学習】良質な睡眠は子どもの学習効果を高める


前回さらっと「睡眠は大事」と書いたので、そちらの補足です。↓前回記事↓


睡眠の重要性

 睡眠は子供の脳の発達に欠かせない時間です。
 脳が新しい情報を整理し、記憶として定着させるのは主に睡眠中です。
 また、睡眠は日中に受けたストレスを解消し、精神的な安定をもたらす役割も果たします。

良質な睡眠とは

 良質な睡眠とは、適切な時間と深さのある睡眠を指します。
 具体的には、子供の場合、平均して9〜12時間の睡眠が必要とされ、その中でも深い眠りである「ノンレム睡眠」や夢を見やすい「レム睡眠」が重要です。

睡眠不足の影響

 睡眠不足は子供の注意力、記憶力、問題解決能力などに悪影響を及ぼします。一晩の睡眠不足でも脳の機能が低下し、特に学習に関わる前頭前野の活動が減少することが報告されています。

睡眠と学習の関係

 十分な睡眠をとることで学習効率が向上することが研究結果上、明らかにされています。例えば、新しい数学の概念を学んだ後にしっかりと睡眠を取ることで、翌日のテストの成績が向上する傾向があります。

良質な睡眠を促すために

 良質な睡眠を得るためには、一定のリズムを保つことが大切です。
 決まった時間に寝て、決まった時間に起きる習慣をつけることで、体内時計が整います。
    以下、家庭で整えられる環境を整理してみました。


良質な睡眠を促すための方法


1 一貫した就寝時間と起床時間を設定する
2 リラックスできる就寝前のルーティンを作る
3 寝室環境を整える
4 スクリーンタイムを制限する
5 適度な運動を促す
6 夕食時間と内容に注意する
7 良い手本を示す
8 睡眠の重要性について話し合う
9 睡眠日記をつける
10 褒めて励ます

睡眠を促すための方法の詳細


 就寝2-3時間前には夕食を済ませ、カフェインや糖分の多い食事は控え、親自身が健康的な睡眠習慣を実践して子どもの手本となり、年齢に応じて睡眠が健康や成長にどれだけ大切かを説明します。
 就寝1-2時間前からはテレビ、スマートフォン、タブレットなどの使用を控えます。日中の適度な運動を促すことで睡眠の質を向上させますが、就寝直前の激しい運動は避けるべきです。
 週末も含めて毎日同じ時間に寝て起きる習慣をつけることが重要で、入浴、読書、静かな音楽を聴くなど子どもがリラックスできる活動を組み込み、静かで暗く、快適な温度の寝室環境を作ることが大切です。 
 さらに、子どもの睡眠パターンを記録し、問題点や改善点を見つけ、良い睡眠習慣を実践できたときは積極的に褒めて励ますことが大切です。

寝室の環境設定や、大人の生活を整えることから始めよう!

 食事や睡眠は、親の生活がそのまま反映されやすいので、子どもだけ生活を変えようとするよりも、大人ごと生活を変えた方がすんなりいきます。
 子どもの睡眠記録が大変なら、一緒の生活リズムを持った大人がスマートウォッチで睡眠を計測・記録し、寝室は「寝るためだけの快適な部屋」にして、ガジェットを持ち込まないことも有用です。

みんちゃれアプリなどの活用について

 私は、子どもの受験直前には、「睡眠スコア(私=大人)」をスマートウォッチで計測するみんちゃれで近況報告をしていて(歩数含む運動みんちゃれや、食事を整える自炊習慣のみんちゃれも)、それが親子の健康とメンタルの安定につながりました。
 みんちゃれなどの励ましツールは、学習内容や学習時間を記録して報告するよりも、少し間接的な、生活習慣の安定のために活用する方が、結果が見えやすく、負担も少なく、視野も狭まらずに済むところがよいと思います。


【参考】研究結果

1. National Sleep Foundation (ナショナルスリープファンデーション)


ウェブサイト: National Sleep Foundation
要旨: ナショナルスリープファンデーションは、睡眠に関する幅広い情報を提供しています。
 特に子どもの睡眠と学習に関する研究報告やガイドラインを閲覧することができます。
 最新の研究によれば、十分な睡眠をとることで子どもたちの認知機能が向上し、特に数学や読解力に大きな影響を及ぼすことが示されています。

2. Harvard Medical School - Division of Sleep Medicine (ハーバードメディカルスクール睡眠医学部)

ウェブサイト: Harvard Medical School Sleep and Health Education Program要旨: ハーバードメディカルスクールの睡眠医学部では、睡眠と認知機能に関する多くの研究が行われています。
 一つの研究では、9-11歳の子どもたちにおいて、十分な睡眠を取ることでテストのスコアが顕著に向上することが報告されています。
 この研究は、実験的に睡眠時間を短縮した場合と長く取った場合の両方を比較し、睡眠の質が学習成果に直接影響することを示しています。

3. Stanford Sleep Disorders Clinic and Research Laboratory (スタンフォード大学睡眠障害クリニックおよび研究所)

ウェブサイト: Stanford Sleep Medicine Center
要旨: スタンフォード大学の睡眠障害クリニックおよび研究所は、睡眠と学習についての最新の研究を公開しています。
 ある研究では、高校生の睡眠時間の増減が学業成績に与える影響を調査し、睡眠不足が成績低下に直結することが確認されています。
 また、十分な睡眠を取ることでストレスホルモンが減少し、より良い心理的状態が保たれることも報告されています。

4. PubMed (米国国立医学図書館)

ウェブサイト: PubMed
要旨: PubMedはバイオメディカル系の研究論文のデータベースであり、最新の研究を簡単に検索できます。たとえば、「sleep and learning in children」というキーワードで検索すると多数の研究論文がヒットします。
 具体的な研究として、ある論文は、睡眠を増やしたことで子どもの注意力と集中力が大幅に向上し、これが学習成果に良い影響を与えることを実証しています。

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