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【読書への価値観が変わる!】選書マエストロによる本のお悩み相談室
皆さま、「読書」はお好きでしょうか?
読書の秋、とはいえ
「読書は好きだけど、読みたいものが見つからない」
「本はたくさん読みたいけど、長続きしない」
「読書する時間がなくて悩んでいる」
等々、悩みは色々あるかもしれません。
最近TSUKURUでは、読書を楽しみたい方にぴったりのオンラインイベント
この道17年のベテラン「選書マエストロ※」の川上洋平氏による【読書の極意101】シリーズ第1回を開催いたしました!
book pick orchestra代表で、選書のプロとしてご活躍中の川上さん。
「本を楽しむ」ことをエッセンスとして様々な方々や企業へ本を選んできた川上さんに直接、本に関するお悩み相談ができるイベントとなっています。
川上) 世の中、”読書を楽しむ”という言葉は溢れているのに、読書することにプレッシャーを抱えている人って多いと思います。
本を楽しむことができるきっかけをつくり、本と人をつなぐことができればと思っています。
普段から本と触れ合う機会があるという人も、そうでない人も、
川上さんのお話を聞くと読書への価値観が変わること間違いなし!
少し足を止めて読んでいっていただけると嬉しいです(^^)
※「選書マエストロ」とは、さまざまな音を操って感動へと導く音楽の「指揮者」と「選書」をつなげた造語ですが、大舞台に立ってオーケストラを指揮するような選書の前に、本を手にする誰もが「本を楽しむこと」ができるような導きの指揮が振れればという思いで、この名をつけました。
読書≠読み切ること
参加者) 私は昔1冊読み切らないといけないというのが負荷になって、読書が続かない時期があったんです。最近は、1冊にこだわらず読みたい本を何冊も並行して読む、というスタイルで読書しています。
川上) いいと思いますよ。
1冊読み切っても内容忘れている場合はあるし、人によっても理解することって全然違います。
物理的に本1冊を読むというところに、境界線をひくことには意味がないと思っています。
例えば、複数人で話しているときって、色んな人の考えが入って、1対1で話すのとは違う面白さがあるじゃないですか。
複数冊読んでいることで、1冊だけ読んでいるときには見えない気づきというのもあると思います。
海に例えるとわかりやすいかな、
海って深さによって住んでいる魚は違うので
深く潜る人は浅いところにいる魚を知らなかったりするわけです。
”1冊読まないといけない”というのは学校で教わって根付ている考えかもしれませんね。
特に研究者、アカデミックの世界では、先人の知恵を正確に積み重ねていくことが重要とされるので、1冊しっかり読まないといけないこともあります。
そうでなければ、自分に合った読み方でいいと思いますよ。
参加者) 本を選ぶ際のコツってありますか?
昔から本は好きで、人に紹介された本をストレスなく読んできました。でも、いざ自分で本屋さんに行くと、どれも「面白そうだな」と思えて自分から積極的に選べないでいます。
川上) 限定性で決めちゃうのは一つの手です。
このお店に置いてあったから買ってみよう、この人が薦めるんだったら読もう、という具合です。
本屋さんで、「どれも面白そうだな」、と思うそれ自体も、ひとつの読書の形だと思います。
背表紙だけを見て色んな本に触れるのも読書。
この本屋は特に面白そうな本が多そうだ、とかそんなくらいでいいんです。
また海に例えちゃいますが、海って、見てるだけで楽しいよね。
この”楽しめている状態”が大事。
自分が楽しいと思える本との関係性があれば、”読んでみよう”も自然に生まれてくると思いますよ。
本との出会いは、人との出会い
参加者) 私は友人に会いに行く感じで色んな本を読んでいます。
川上) 僕の感覚に近いです(笑)
僕は人(友達)として本を把握しているんです。
考え方とか内容、デザイン等から、”この本はあのグループのあの人”、みたいな感覚です。
本を人に紹介する時も、人に人を紹介する感じですね。この人にはこんな人(本)が合うんじゃないかな、って。
本の良いところは、友人じゃなくても会いに行けることです。
苦手な人にも、触れてみることができます。本の場合は嫌だったらすぐ閉じれるからね(笑)
嫌いな本を読んで自分が嫌だという人を知っておくと、
もし現実でそういう人に会っても、対応しやすいということもありますね。
本は、読み手によって全く違うものとなる
参加者) 興味がなかった本も手元にあったりします。昔、好きな人が読んでいる本を買いたくなる時期があったんです(笑)
川上)人に薦められた本とか、人が読んでいる本って、その人のバイアスがかかってると思います。
読むときに、本だけじゃなくてその薦めている人も意識すると楽しいです。
お父さんのもってる本を読むなら、お父さんの視点を考えて読むことができますね。
好きな人の読んでる本を読むというのも、とても良い楽しみ方だと思います。
本の面白さは、読む人によって全くとらえ方が違う、というところにあります。
再生する機械によって音が変わるように、読む人によって本は変わります。
同じ本を読んで感想言い合って「わかる!」と共感できても、それはかすかなふれあいでしかない。
人は皆、育ってきた環境が違うからね。
本は、人をつなぐクッション材
参加者) 子供も読書が好きで、学校から借りてきた本を私も読んだりしています。図書館に行ったときには子供が好きそうな本も借りといてあげようと探すのですが、これが難しくて・・
川上) お子さんの年齢にもよりますが、本を介して会話ができる関係はとてもいいですね。人と考え方を共振させる、考え方を聞き出そうとするときに、本を通してどう思ったかを共有する、そんな”クッション材”として本はとてもいい存在になってくれます。
本をプレゼントするのは、とても難しい。本は、相手がほしいものとしてのプレゼントとしては、適していません。
でもサプライズのプレゼントとしてなら、最適。
相手がこの本に触れたらどうなるのかな、という感じでプレゼントするんです。
なんとなく目の見えるところに置いておいたり、日常のなかで自然に本に誘導していく、といのもいいですね(なかなか難しいですが)。
例えば、本で出てきた一句を料理しながら言ってみる。
子供がそれを聞いて、興味を示せば、その流れで本を紹介できるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
”本の楽しみ方”には、こんなにもバリエーションがあったのですね。
とにかく”読む”ということばかりを意識してしまっていた私にとって、目から鱗が落ちる感覚でした。
肩の力を抜いて、もっと気軽に本と触れあっていきたいですね。
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この記事を書いた人は
yuri
読みたい本が多すぎる
今日この頃
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