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9月の読書記録 ~読書力0で乗り切る残暑~

こんにちは。
京都芸術大学 通信教育部 空間演出デザインコースに在籍するひじきです。

8月は課題に追われてほぼ本を読めなかったという話を書きましたが、9月はプライベートに忙殺され、とうとう読書量0冊でフィニッシュです。
もちろん課題も全く進まず、牛歩に次ぐ牛歩の日々ですが経験という意味では非常に充実した1か月でした。

というわけで今月は読書記録ではなく、過去に読んだ本の中からオススメの紹介を少し。

ゼロからトースターを作ってみた


”周囲を何トンもの鋼鉄に囲まれながら、僕は(中略)小さなかたまりを精錬できたことに大喜びしていた。”

イギリスの芸大生である著者が卒業制作のためにゼロからトースターを作る過程を記した本。
まずは鉄を精製するために鉄鉱石を掘るところからはじまる。文字通りゼロからトースターを作り上げる。
読み物として非常に完成度が高く、ユーモアも交えながら軽めの専門書として、または旅行記として楽しみながら読める。特に鉄の精製のメカニズムについてはその辺の専門書よりもよっぽど分かりやすい。

「ゼロからトースターを作る」という行為を通してモノの在り方のみならず政治や地球との関わり方にまでも言及する壮大なプロジェクトに発展していく。一見ムダとも思える斜め上の着想をどこまでもどこまでも深掘りする、これぞまさに芸大生という感じ。
トースターという身近な物質からでも世界を捉えることはできるのだ。
課題解決ありきでは決してここには到達しないだろうと考えると、課題→コンセプト→デザインワークというプロセスが本当に正しいのか?という想いがふつふつと湧いてくる。

果たしてトースターでパンを焼くことはできたのか…。
気になる結末はぜひ本を読んで確かめてください。


ちなみに、同じ著者の「人間をお休みしてヤギになってみた結果」という本もマッドアーティスト感が満載で非常に面白いのでぜひ。
振り切ることは力である。


人生が面白くなる 学びのわざ


“私たちは、学ぶことにより、喜びや幸福感、つまり「生きる意味」を味わうことができるからです。”

みなさんご存じ、齋藤孝先生によって「より良い学び方とはなにか」について書かかれた本。
「学ぶことは楽しいこと。人生を豊かにする。」「本は過去の偉人との対話である。」など、心に刺さる言葉がたくさん詰まっている。
社会人になって大学に入ったことで、学生時代にしてきた【勉強】と現在進行形の【学び】はまったくの別物だと日々実感している。
自ら学ぶことは、自分の可能性を広げる。そして、新しいことを一つ学ぶごとに、学びに対する欲求は増していく。
大人も子どもも関係なく、能動的に学ぶことの意義を教えてくれる良著です。
「最近、課題をやる気が出ないな…」というあなたも、この本を読めばあら不思議。今すぐに机に向かいたくなるはず!


日々臆測


「りんごかもしれない」「おしっこちょっぴりもれたろう」などの絵本で知られるヨシタケシンスケさんによる『憶測力』の本。

ビジネスシーンでは「憶測で物を語るな!」などと非難の対象にもなる憶測は、デザイン的視点から見れば立派なスキルのひとつになり得る。
身の回りの何気ない風景を切り取る【観察力】と、「これってもしかして〇〇なんだろうか?」という【想像力】、「もし〇〇が××だったら おもしろい/いやだ なぁ」という【妄想力】を鍛える『憶測の習慣』はデザイン的な観察→仮定→展開のトレーニングとして非常に有効だと感じた。
それでいて、目に見える物についてあれやこれや憶測するだけなので、恐ろしいほどにハードルが低い。
「自分は想像力が乏しい」と感じている人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。


以上、今月の読書記録(?)でした。
どの本もサクッと読めるので、課題の息抜き代わりにオススメです。
過去の記憶を掘り起こしながら今回の記事を書きましたが、改めて読むとまた違った学びがあるんだろうなぁと再読したくなりました。
もし「読んだよ!」という方がいれば、ぜひ感想の交換をしましょう。

それではまた来月。

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