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「つくね、お仕事一日目、泣きそうになる」の話

こないだの金曜日。
新たなる本屋さんでお仕事が始まった。

ドキドキ……
ソワソワ……

「教育担当の三滝みたきです」
「原です!よよよろしくお願いします!」

ロッカーへ案内されエプロンを手渡される。

柔和そうながらもハキハキとした印象のメガネの女性。
たくさんの書類に目を通しながら諸々の説明を受け……

ふと彼女が言った。

「分からない事があったら……聞こうかどうしようか迷ったら、すぐに聞いてほしいんです」

「え……いいんですか?」


間髪入れずに聞き返す。
彼女の手に持つ書類に貼られた付箋に目が止まった。

「聞こうかどうしようか迷ったら聞く」


コレは……
恐らく私に伝えなければならないと思っている事。


え……
いいんです?

聞いても……
いいんです?

「繰り返しおんなじ事、聞くと思うんですけど……」
「何回でも聞いても下さい。そのうち出来るようになるんで」

ふと三滝さんの顔を見ると……

微笑んでる。
マスクしてるけど分かる。

コレは……


アルカイックスマイル!!!

アルカイック・スマイルとは、顔の感情表面はできる限り抑え、口元にのみ微笑を浮かべた表情のことです。古代ギリシアのアルカイック美術の彫像によく見られることから、「アルカイック・スマイル」の名称が付きました。

「最近入った若い子で……若いからか、彼がたまたまそうなのか……『前に聞いたから』って聞かずに、自分で判断して……まあまあの大事になっちゃって……」

「ハイ、あの……すぐに聞いて良いんです?ほんの些細な事でも……」

「ゼヒ、そうして下さい」



「あああありがとうございまっ……ㇲ」


(やっべ、泣きそう)


つくねには……
失敗出来ない職場はキツ過ぎる。
二度、尋ねる事を許されないのはキツ過ぎる。

(もう……きっと大丈夫だ……この人なら安心していい)

「レジに入ってみましょう」
「ハイ」  

お客さんがあらわれた。

「レジ袋どうしましょう?」
「お支払いは……」 
「……ポイントカードお預かりします」


つっかえるとその都度、圧なく教えてくれる。

まさに、優しさに包まれたなら。

何でなんじゃろうな?
いつ頃からじゃろう?

失敗したらダメとか。
間違えたら恥ずかしいとか。

皆とか周りの人とか。


手洗いの洗濯が上手に出来ないショーゲンさんに。
同じ家で暮らすママが言うんだ。

「失敗した事を隠さないで。大人も失敗するんだって分かるから、子供が失敗を恐れなくなる」

って。

じゃあ、大人は?
大人が失敗したら、何て声をかけるん?

「可愛いね」
「人間らしいね」

って言うんだって。

すごくない?

そりゃ、医療の場とか、生死がかかってりゃな?
また別になるじゃろうけど。

もしもあなたが失敗した時に。
そんな風に言われてたらさ。
何も恐れずガンガン挑戦できてるでしょ?



「何の問題もなさそうなので……次のレジの時は隣に余裕のある社員に入ってもらって、原さん一人で」

「それは……三滝さんのおかげです。プレッシャーを与えず、優しく指導してくれる。だから……落ち着いて対応が出来るんです」

30代かなと思っていた三滝さん。
めちゃくちゃ同世代。

「ウチの息子は中2で……」
「反抗期とか……あったりします?」
「や……これがまた良い子で……」

こないだ息子の友達が来た時にいつも通り

「ニャンかずーっ」

って呼んだのに

「はーいっ」

って……
アンタ、13歳とか、厨二病まっしぐらの時に……

「友達の前で、ヤメてよ」

とかないん? 
それはそれで大丈夫なん?

って……



最近、すげぇ美味しいアイスを息子から教えてもらって……


3個買ってきたんじゃけど。

美味しいので1個すぐ食べて、息子に

「パルムの美味しいヤツ買ってきたよ」
「ありがとう」
「残り2個ある」
「うん」
「1個食べて……残り1個、隠しといて明日も食べるパターンもあるで?」

って言ったらさあ!

「や……かっちゃんにあげようよ」



器!
完全につくねの負け!

や、だから……
何が言いたいかというと。

そうね。

器のデカさに年齢は関係ない。

はら家では

かっちゃん>息子>つくね


器のちっこさに定評のある人は……
自分よりでっかい人といるとすごく楽に生きられそうですよって話でした。



今宵も8:30〜
スタエフやりまふ。



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