地域の声を聴き、歩き、広がった視野。 〜つくまち、フィールドワークを開催しました!〜
2022年9月11日(日)9時〜17時、『つくろう!みらいのまち、フィールドワーク』を行いました。
「20年後の京丹後市」という大きいテーマを掲げ、高校生や大学生、20~30代の若者でチームを組み、7月から活動を続けています。
若い人の意見を提示したいと議論を続けている一方で、自分たちとは異なる立場の人の意見を聴く必要がある、都市拠点検討地域を実際に見てみたいということで、フィールドワークとして、まちに出てみることにしました。
くたくたになった丸一日のフィールドワーク、その様子をお届けします。
ぜひ最後まで、お読みいただけると嬉しいです。
■「つくろう!みらいのまち」について
20年後、ここはどんな「まち」になっているのか。
どんな「まち」だったら、たのしく暮らしていけるだろう。
そんな話を、未来を担う若い人たちでしてみようと、
①このエリアの未来のまちづくり
②こんな施設・場所の機能があったらいいな
③このエリアと他の地域との接続を考えた公共交通網
京都大学大学院 大庭哲治准教授のアドバイスのもと、企画会議やフィールドワークを通して、若者の考えをまとめています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
7月には、地域の人たちにもご参加いただき、「キックオフイベント」を開催しました。
「世代を超えて、まちの未来を考える」、そんな時間になりました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
■フィールドワークまでの経過
7月のキックオフイベントのあと、3つのチームに分かれて、オンラインでMTGを重ねました。
京丹後市役所から共有していただいた基礎調査データを見ながら、人口減少や土地利用、公共交通の現状や未来予測について、学びました。
その後は、各チームで提案の方向性を決めながら、9月11日(日)のフィールドワークに向けて準備をしてきました。
都市拠点地域に含まれる3地区(荒山・新町・河辺)の区長さんに、それぞれお話を聞かせてもらえることになり、②施設・場所の機能 を考えているチームは、海を観光資源とした提案に入れたいということで、網野町浅茂川地区にもフィールドワークをさせてもらうことにしました。③このエリアと他の地域との接続を考えた公共交通網 を考えているチームは、京丹後市内の鉄道の各駅に実際に行き、その周りの地域や駅から周辺地域との連携について知るために、2日間に分けてフィールドワークを行うことにしました。
■いざ、フィールドワークへ
9月11日(日)、朝9時にキックオフイベントを行った「まちまち案内所」に集合し、フィールドワークに行くグループに分かれて、準備をします。
午前中は、①このエリアの未来のまちづくり ②施設・場所の機能 のチームは、高校生、大学生、社会人がバランスよく分かれるようにし、荒山・新町・河辺の各地区にフィールドワークへ。
③公共交通網 を考えるチームは、峰山駅や京丹後大宮駅の周辺をたくさん歩いて、現在の主要施設との距離感や、峰山駅と京丹後大宮駅の間に新駅をつくるという案についての検討を行いました。
午後からは、浅茂川にお話を聞きに行くメンバーと、まちまち案内所にてフィールドワークの振り返りや共有を行うメンバーに分かれました。
ここからは、各地区でのフィールドワークについて、ご紹介します。
① 荒山区
公民館では荻野区長さんが迎えてくださり、下記のようなお話を聞きました。
「荒山区の人数は、約2000人、約900世帯が住んでいる。今回の提案では、地域住民の課題に寄り添った提案をしてほしい。」
課題とは具体的には、道路の不便性(渋滞の問題や安全性)、公民館が避難場所にも関わらず30畳ほどで2000人も避難できないこと、高速道路の延長による商業施設の乱立への不安などが挙げられました。
要望としては、新しい公民館の開設、地域住民が日常の中で立ち寄れる施設にしていくことや、移住者も含めてリピーターとして丹後地域に通ってくれる人を増やしてほしいということなどが挙げられました。
地区の方々が、安全で安心して暮らしていけることと、観光を含めた産業が継続していけることを強く望まれているという印象を持ちました。
②新町区
公民館では、楠田区長さんが迎えてくださり、下記のようなお話を聞きました。
「区内の3分の1が住宅地で、それ以外は山林。縄文時代から人が住んでいた形跡のある歴史ある地区だが、現在は国道を挟んで旧村と新住宅地が分かれてしまっている。」
地区行事であった夏祭りや運動会、秋祭りなども新型コロナウィルスの影響で、最近は実施が難しく、新しくできたアパートなどに住んでいる方とは接点が少ないという話がありました。
一方で、川の堤防の整備や、お宮などの森の整備など、安全のためにしなければいけないことが多数あり、人手が足りていないとのこと。
若い人たちと区長さんなどとの連携や、歴史ある文化をどう守っていくか、知ってもらうかという課題があるというお話でした。
③河辺区
「物理的ゆとりのあるまちづくり」をしているというお話を聞かせてくれたのは、河辺区の西村区長さん。
「区民センターが、新たに令和2年に開館。区長は事務員として常駐し、区民の想いを反映するまちづくりに努めている。」
今は、区民センターの使い方を色々と考えて人を呼んでおり、バリアフリーの施設でもあることから、誰でもふらっと来れる場所を目指して、企画などをどうするかが課題とのこと。
方向性として、90haの水田の50haを保全し、若者や新規就農者へ貸し出すことで、農業を通した地域づくりをしていきたいというお話も聞かせていただきました。
河辺塾(まちづくり塾)などの取り組みもすでに行われていることから、今後さらに「つながり」や「集い」というキーワードで、つながりの輪を波及させていきたいというお話でした。
④浅茂川地区
地区の歴史などに詳しい三浦さんという方にお話を伺い、実際に地形などは現地を見させてもらいました。
浅茂川の地名について、最も古い記録として、鴨長明が「方丈記」の中に記した「浅茂川の明神」があるというお話を聞かせてもらったり、昔の写真を見せてもらいながら、川や海の地形の変化を実際に体感したりしました。
高校生の中には、浅茂川出身・在住という高校生もいて、地元についての新しい情報を知ることができて、楽しかったという感想が出ていました。
⑤公共交通チーム
公共交通チームは、フィールドワークの1つ前のチームMTGで、どんなことをフィールドワークで明らかにしようかを考えていたら「やりたいことが多すぎる!」という結論に至り、有志で前日の土曜日にも京丹後鉄道の駅をまわってみることにしていました。
京丹後市出身者が多いチームで、それぞれの駅を利用したことはあっても、それ以上の目線で見たことはなかったため、新たな発見が多数ありました。
地元住民が生活のために利用している駅と、観光客の利用がメインの駅では、駅にある設備が異なっていたり、待合所の大きさや活用のされ方にも違いがあったりしました。
・駅のレンタサイクルをもっと分かりやすくした方が良い
・駅の使われ方としてもったいない場所を活用していきたい
・網野駅からは丹後町方面に向かえるようにカーシェアリングをしてみては?
・実際に京丹後大宮付近を歩いてみてとても辛かったので、レンタサイクルがあった方が良さそう
などの意見が出ていました。
■各チーム提案をまとめるフェーズへ
全フィールドワークが終わったあとは、クタクタになりながらも、提案内容をまとめていく時間に。
いつもはオンラインでMTGを進めているチームメンバーと、キックオフイベント以来にリアルで会えたということもあり、みんな嬉しそうに話し合いを進めていました。
最後に、各チームの進捗を共有して、大庭先生からフィードバックをいただきました!
①このエリアの未来のまちづくり チーム
コミュニティを活かしたまちづくりをテーマに発表していきたいという意向に対して、「最新の情報を活かしつつ、地域の課題解決だけではなく将来に目を向けて、いろんなアイデアの共通点を見出せると届くものになっていく」というコメントをもらいました。
②こんな施設・場所の機能があったらいいな チーム
住人の暮らしと観光客、両視点で考えていきたいという意向に対して、「理想と現実、住民と市民、現在と未来など、さまざまな視点がある。最初は幅広くアイデアを出して、一つに絞らなくとも都市拠点に落とし込める、落とし込めなくても視点として組み入れるなどが出来れば良い」というコメントをもらいました。
③このエリアと他の地域との接続を考えた公共交通網 チーム
全駅の特徴をそれぞれ整理して、ノードとリンクという考え方で新駅の設置の有無も検討するという意向に対して、「良い整理のされ方をしていたので活用してほしい、いろんな方の立場(高齢者、若者、その他などを集約)の考えを集約していってほしい」というコメントをもらいました。
終わったあとの感想は、みんなやはり「楽しかった!!!」、そして今回もかなりの達成感がありました。
いよいよ10月28日(金)には、3つのチームの提案をまとめて、プレゼンテーションを行います。
それぞれ、どんな提案内容にまとまったのか。次の記事を楽しみにお待ちいただければと思います。
それでは、また!
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