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『精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』読書感想文


まわりから良き母親、良き妻だと、思われたくて。
世間からの「母親になったんだから」という視線が気になって仕方ない。
たぶん、自分の脳裏に「我慢が美徳」という考えが、こびりついていたのでしょう。


「外出して、息抜きしておいでよ」
と夫が言っても
「ううん、息、詰まってないから。全然ヨユー」
と答えていました。


赤ちゃんのお世話は、辛いとは思わない。
「母親が、赤ちゃんを置いて外出だなんて…」
そう思っていたから、毎日毎日、一生懸命お世話をしました。
倹約家な妻が美しいと思ったから、お金を使わないよう外出も控えて。



そのうち、こらえきれない感情があふれ出し、泣きじゃくるようになりました。
当時の日記には
「こんなに頑張っているのに、なぜかむなしい」
と綴られています。
娘が1歳になるころには、心が壊れかけていたのです。


偶然にも、樺沢紫苑先生の著書『神・時間術』に出会います。
そこに書かれていたのは
「人生は楽しむためにある」
目をみはりました。


「母親になっても、楽しんでいいの?」
背徳感を感じながらも、夫に娘を預け、一人でカフェに足を運びました。
コーヒーの香り、店員さんとの会話、ゆとり。
乾ききった心が、満たされていったことを、今でもハッキリと覚えています。


心が元気になると、「次は、家族みんなで楽しめたらいいな」と思えるようになりました。
娘が3歳になった今では、子育てしながらも、楽しい毎日を送っています。


3月12日発売の『精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』には

遊んではいけない。きちんと仕事をしなくてはいけない。勤勉さを忘れてはいけない。一見よさそうな「生き方」に見えますが、「楽しみ」「リラックス」「気分転換」「ストレス発散」のない生き方をするとどうなるのでしょう?メンタル疾患になるのです(P.99引用)

と書かれています。


「辛くないから平気」
そうじゃない。


楽しむこと、リラックス、気分転換、ストレス発散を放棄した人生は、病気になってしまうのです。
産後、心がボロボロになっていた理由が、今になってわかりました。

欧米人は楽しむことに積極的。
一方、日本人は、明治から戦後、「質素倹約・勤勉・貯蓄など、我慢が推奨された」と述べられています。


時代が令和になっても、この考えが根強く残っていると感じます。
以前の私のように、しがらみに苦しめられている人は、少なくないのではないでしょうか。


でも、もう、いいんじゃないかな。
「私こそが、令和の母親」って、胸を張って生きていきたい。
子育ても、家事も、遊びも、バランスよく。
だって、健康でいたいから。

夫と娘が「いつも元気だね」「いつも幸せそうだね」って思ってくれれば、それでいいのです。


娘と森の中をお散歩したり、家族で雪山へそり滑りに行ったり。
友人たちと、棒寒天を火で溶かして、絵の具を混ぜて固める。
それを子どもと一緒に、ぐちゃぐちゃにつぶす。
Zoomを使って、樺沢先生や、ファンの人と交流する。


世の中には、時間やお金をかけなくても、楽しめることがたくさんあります。
それに、気づけるか、気づけないか。
やるか、やらないか。


まずは、本書を読むことから、始めてみませんか。
この記事を最後まで読んでくださったあなたにとって、必要な一冊だと言えます。


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