『亀甲獣骨 蒼天有眼 雲ぞ見ゆ』(山本一力・著)
小説の並ぶ書架で、著者が山本一力氏だと気づき手にした『亀甲獣骨 蒼天有眼 雲ぞ見ゆ』(潮出版社・刊)を読みました。本書は、月刊「潮」の2021年7月号から2023年1月号の連載に加筆修正して出版されたものです。
山本氏の作品は、江戸を舞台とした味わい深い時代小説が多く、それを好んできましたが、本書は趣が異なりました。
と帯にあり、これまでと違う作品となっているようです。
扉を開くと、「本書関連地図」と「主な登場人物」が載っています。
地図は、北京から天津、洛陽、杭州…と中国のもので、位置関係はわかりそうです。10人の人物は、丁仁、王福庵、葉為銘…、金石学、国子監祭主…誰のことか混乱しそうです。
本書も、このページをコピーして、手元に置きながら読むことにしました。
“義和団の乱”が登場し、史実に合わせた物語かと思うと、そうではなく中国を舞台にした“時代小説”であり“冒険小説”でした。
「幻想」なのは…。「知的」なところは…。どのような「冒険」を…。
人名と関係に戸惑いましたが、読みやすい文体で書かれています。
山本氏の描く“幻想知的冒険”を楽しめます。
あなたも「竜骨」に刻まれた文様の秘密を追って、旅に出てみませんか。
【関連】
◇月刊「潮」(潮出版社)
【参考;山本一力氏の本】
◇『ひむろ飛脚』(山本一力・著)(2023/09/02 集団「Emication」)
◇『花たいこん』(山本一力・著)(2023/06/04 集団「Emication」)
◇『落語小説集 芝浜』(山本一力・著)(2016/10/29 集団「Emication」)
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