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つくば移住物語|⑤つくば移住を決めた出会い

前回の投稿から早1年半。住宅ローンの仮審査が通過したところまで前回は書いた。しかしそもそも、つくばへの移住については②の記事で書いたように、相変わらず妻と折り合いがついていない。今回はそこを振り返ってみようと思う。


つくば移住へと動く妻の気持ち

僕の心はつくば移住へと傾いていたことで、その後何度もつくばへ足を運んでは候補となる土地を見て、その周辺環境を知るために近隣を歩くという週末を僕たちは何度か過ごしていた。

候補の土地から駅まで歩き、駅の近隣ショッピングセンターで買い物をしたり公園で子供を遊ばせたり、実際にこの土地に住んだ場合の日常に近いことを行なった。

もともと嫌だと言っていたにもかかわらず、妻も良く来てくれたと思う。お互いに納得して決めないといけないから、ということだと思うが、僕は僕で、長く付き合ってきた妻の性格を知るからこそ、きっと気に入ってくれるはずと信じていた。

運命を変えた1つの出会い

そんな折、一人の地元男性と出会った。

候補となる土地の近くの梅畑を通りかかった時のことだった。子供がたくさん梅の実がなっているのを見て「良い匂いがする!」と梅畑に入っていってしまった。

その畑には梅の実を取っていた地主と思われる初老の男性がいたのだが、その男性が話しかけてきた。内容はそこまで覚えていないのだが、「ここは良い土地ですよ」や「いい天気ですね」など、たわいもないことだったと思う。

近くの土地を見にきたこと、街の様子を見るために歩いていることを伝えると、「ご近所さんになる方かもしれませんから」と言い、取っていた梅の実をバケツいっぱい、差し出してきた。

もらったこと自体も嬉しかったが、それよりもその人の雰囲気に惹かれた。頭の良さそうな、柔らかい表情で優しい話し方をする、なんとも素敵な雰囲気をまとった方だった。

「こういう人が住んでいるんだ…」
「さすが研究の街つくば、住人もただの田舎者ではない…」
「こんな人たちが住んでいる街なら、安心できるのかもしれない…」

妻は、この出会いで大きく考え方が変わったと後に語っている。

その土地は結局、タイミングの問題で別の人が申し込んでしまったためそこには住めなかった。しかし今でも近くを通るたびにこの方のことを思い出し、何かきっかけがあれば是非とも挨拶をさせていただきたいと思っている。

引っ越してきてすぐに行けばよかったのだが、住んでいる場所から少し離れていることと、タイミングを逃してしまったため行けていないのだが、人生を変える出会いだったと思う。

運命を決める土地、売り出し開始

もらった梅の実を実家の母に教わりながら梅酒にして、出来上がりを楽しみにしていたのだが、人生を変える出会いを産んだ、その土地は売れてしまった。

無いものは仕方ない。もう一度土地を探したところ、今まで見たことがなかった土地が、ある日突然不動産情報サイトに表示された。

希望する駅から徒歩圏、真向かいに広い公園がある土地だった。妻に見てもらったところ、「ここなら公園も近いし良いかもしれない」との返事。

その週末に早速土地を見に行ったところ、開放的なエリアで角地。しかも角の両隣はアパートのため万が一の近隣トラブルも考えにくい。川も近くにあり、道路を渡ってすぐに公園という立地だった。

近隣を歩いてみた所、ここでも妻の気持ちを後押しする出会い。

家の庭木の手入れをしていた初老の方が話しかけてきたのだ。「いい天気ですね〜」といった程度の会話だったが、梅畑で出会った方に雰囲気は近い方で、優しそうで頭の良さそうな雰囲気を持つ方だった。

子供たちも公園で遊び「ここが良い」「ここに住みたい」と言い、妻の気持ちも、子供たちの様子や地元の人との出会いの影響もあり「ここで良い」とついに決断することに。

ついに、ことは決まった。

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