映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』でもやっぱりウディ・アレンの作品には魅力がある

ウディ・アレンを好きだと言いにくい今日この頃。一連の疑惑がどうなのか私にはわかりません。「ギター弾きの恋」のCDを何度も聴いた楽しい日。なんでこんな残念な感じに。

ウディ・アレンの作品は監督・脚本（過去作は主演も）をこなすのが本人なので、作品がアレンそのものだと感じてしまいます。だからこそ、複雑な気持ちになります。

本作はウディ・アレンらしさを感じられる作品で、ニューヨークの街並みも堪能できます。小雨のニューヨークの街を歩く、と想像していたのですが、土砂降りなのには驚きました。

大学生のカップル、ギャツビー（ティモシー・シャラメ）とアシュレー（エル・ファニング）は楽しい週末を過ごすためにニューヨークにやって来ます。ギャツビーは生粋のニューヨーカーなのでアリゾナ生まれの彼女にニューヨークを案内したくてプランを立てていたのですが、彼女とは別に行動することになってしまいます。その間に魅力的な彼女は、、、

ギャツビーはややこしめのへたれ文系男子キャラクターです。かつて、ウディ・アレン自身が演じていたような。

中身はアレンでも、ティモシー・シャラメが演じると全く印象が異なり、ややこしく、めんどくさいところもまで、可愛らしく魅力的に感じるのはどういうことなんでしょう。中身はウディ・アレンなんやで。

私自身がこの作品に関心を持ったのは、一番はアレン作品であることですが、ウディ・アレンの中身で外見ティモシー・シャラメだと、どんな感じの人物ができあがるのか観たかったこともあります。

結果はすごく魅了的なキャラクターになっていて、これからも、たまにはこれで製作お願いします。と言いたいところですが、もう望めないのでしょうか。

彼女役のアシュレーを演じたエル・ファニング。

ミスコンで優勝するような、そして自分でもミスコンに出たいと思うような、絵にかいたような明るい美人です。

彼女の衣装のミニスカートにピンクのニット、ブランド物のリュック、可愛らしすぎて目がくらみました。

彼女は有名映画監督をインタビューをする機会に恵まれ、その目的の為ギャツビーとニューヨークに来ています。デートより監督インタビューが優先です。

あこがれの映画監督と会った彼女は舞い上がり、もう大学生のギャツビーの事はほったらかしです。

年上の博識な男性に若く美しい女性が好意をもつ、というアレン作品のパターンで映画は進みます。

アシュレーは、好奇心旺盛、お嬢さん育ちの天真爛漫、ブロンドの髪、輝く笑顔（本当にかわいい）で魅力をふりまき、出会った男性達とややこしいことに。

映画後半、ギャツビーは大切な話を母親から聞かされ、生き方について考えます。

ちょっと取ってつけたようなシーンかもしれません。

でも、いいんです。

楽しい作品だったから。

本作品を観終わり、あらためて私は彼の作品たちが好きだと感じました。

こだわりが強くて、偏屈で、へたれな主人公たちの恋愛映画。

いけてないルックス。（本作ではピカピカのティモシー・シャラメに変身）

自虐的な笑い。皮肉なセリフ。

美しい街並み。こだわりの音楽。

難しいことを考えずに安心して過ごせる時間。

私にはとても居心地の良い作品たち。

彼の代わりはなかなか見つかりそうにありません。