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バレンタインとわたし

 さて、今年は…と。埼京線に揺られながら池袋に向かいつつ
バレンタインという行事とわたしはしなやかに向き合いながら生きているような気がした。なんて言うと大げさだけど。。。

 まだ娘っこだった頃はバレンタインのチョコを渡した後、がめちゃくちゃ重要だった。だってねぇ、好きな(片思いなら特に)男の子が自分をどう思っているか?!が1ヶ月後に分かるからだ。あとは父や親戚のおじさん、年上のイトコにあげた後のお返し(倍返し)が楽しみだとか、自分本位のままに
春まだ浅い雪国で暮らしていた。


 社会人になってからは当時の職場で直属の上司2人にあげる義理チョコを休憩室にて先輩たちと被らないように相談しつつ美味しいチョコの情報交換をしたりするのが楽しかった。ロイズのチョコが流行りはじめたのもその頃だったかな。今ではすっかりお馴染みのポテトチップチョコが15,6年前は革新的で定期的に先輩たちとリピートしていた。

 30代前半の頃か。当時は東京のチベットの病院の寮に住んでいて、上の階に住んでいたシングルマザーの同僚と当時小学生だった娘さんと親しくさせてもらってて、よくお互いの部屋を行き来して一緒にご飯を食べたりしていた。そんな縁もあり、その娘さんのバレンタインデーのお菓子作りを手伝いながら私も作っていた。私が小学生だった頃とは時代が違うので友チョコが流行っていたらしく手書きのリストをみると〇〇ちゃん、…。塾の〇〇ちゃん、先生など彼女の交友関係ほぼすべて書き出されていたもんだから部屋中に焼き上げた大量のクッキーをトレーに乗せて冷ました年もあり、ブラックサンダーを真似て作ったチョコバーが溶けないように部屋の暖房を消してラッピングをした年もあり。あっ。ハラダのラスクを真似てラスクを焼いたことも あった。
それで私もせっかくなので一緒に作り、上司や先輩、わりと親しくしていた他部署の方々にもばらまくように気軽に渡していたのだけれども。。

ホワイトデーに方々からきちんとしたお返しをいただいてから
(ぐえー、原価100円もしないのに)
これはオトナとして申し訳ない、という気持ちになり、それからは
手作り菓子を手伝うのみ、にした。

そんな事があってからお返しをいただくことにためらいが生じてねぇ、
もうそれならいっそのこと義理チョコを渡さない!と決めて渡さなかったのだけれども。。。
ある時、事務所のおねえさんに
「ちえちゃん、今年はボスにあげなかったの?」
はい、なんかねぇ。ホワイトデーをもらうの気が引けるんですよね。。
ほら、ボスって良いものお返しにくれるじゃないですか。
「ボス、ちえちゃんにもらえなかったの淋しかったみたいよ」
えっ?!まじかー(汗)
義理でもバレンタインは渡さないとそれはそれで角が立つ、という事を知り、義理チョコというのが仕事上の人間関係でわりと大切と胸に刻んだ。
それからはお返しを困らせてはいけないメンズには渡さない、もしくはお礼不要!と記して渡していた。

 あぁ、そーいえば。職業的にバレンタインというのを張り切るのもどうなのかな、と思った年は歯科材料サイトにてキシリトール入りのチョコと
歯ブラシ、デンタルフロスを個人買いして親しい方々に渡していたら
「あっ。さっすが!歯科衛生士さん」という言葉は良かったけど。
バレンタインにあえて歯ブラシを渡すカタブツな人みたいに恐縮されたりもして、(これはこれで、よろしくないな)バレンタインにオーラルケアグッズを渡すものではない、と反省した年もあった。

 そう思うと、なんだか私はバレンタインに振り回されながら生きている今日この頃のような気がする。

 

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