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無職のルーティン


無職になって半年が経とうとしている。
私は働いていない現在の状態をめちゃめちゃ満喫し、毎日無職最高〜!と思っている。
出来ることならもう人に雇われたくない。働きたくない。不労所得が欲しい。
社会的にかなりやばいやつという自覚はあるが、全く悲観的ではない。日々が穏やかに過ぎていき、ストレスは格段に減った。
働いていた頃の主なストレスというのは対人関係が10割だったため、人間と関わらなくていい無職の今はとても気が楽だ。

一般的に無職というのは「働いていない人=収入がない、お金がない=社会的弱者=かわいそう…」と見られがちである。
私は配偶者がいないので、仕事を辞めたら収入がない。大学生の娘はバイトをしているが、バイトで稼いだお金は全部娘の好きなことに遣わせている。家には1円も入れさせない(今やりたいことをお金で我慢してほしくないから)。

だから現在は、働いていた期間に貯めたお金を切り崩して生活している。
株の配当金も毎月あったりするけど微々たるものだ。1万円でおつりがくるくらい。おこづかいみたいなもんだな。
それでもなんとかかんとかやりくりをして、無職を謳歌している。

働かずに生きていけるならそれが一番良い。
私は働くのが嫌い、というよりは誰かに雇われることが向いていない、というのを大人になってから知ったのだが、それでも同じ職場で12年頑張ったのでえらい。えらすぎる。だから無職を楽しむ権利があるのだ。
労働の義務は開業したら果たすので、今は一旦無職の良さを堪能させてほしい。



仕事を辞めたのが6月末、その後11月12日の行政書士試験まではひたすら勉強する日々を送っていた。
10月以降の超直前期では、朝2時間、昼5時間、夜3時間と、大体毎日10時間以上勉強していた。
まさに死に物狂いである。こんなつらい勉強を来年以降も続けるなんてイヤすぎる!絶対に記述抜き180点以上を取って穏やかな気持ちで正月を迎えたい!と半泣き状態で毎日机に向かった。
その結果、納得のいく形で試験を終わらせることが出来たので頑張って良かった。あと1年頑張れる気力も体力も経済力も残っていなかった。常にギリギリを生きている女…


試験が終わり、せっかく付いた勉強癖をなくしてしまうのも勿体無いな〜と思い、漢検1級の勉強を始めた。
漢検1級は行政書士試験より合格率が低い。同じ日本語とは思えないほどよくわからん言葉や漢字しか出て来ない。これはもう漢字の勉強というよりは、新しい言語を習得するのと同じ作業だ。
今の私にそこまでの余裕があるか?と言われると、ちょっと自信がなくなる。
そのため、今はたま〜〜〜に四字熟語辞典を開いて「ほ〜ん……(知らん字)」と思うのを繰り返している。勉強までは至っていないというのが現状だ。

なんというか、11月12日にかなり全力を尽くしてしまったため、もう勉強したくね〜!の気持ちの方が強くなってしまった。
開業するにしてもそれに向けて色々調べたり勉強することはたくさんあるはずなんだけど、なんかもう、良くないッスか?自分、頑張ったんで!せめて年内はどうでもいいことだけ考えさせてくださいよ〜!と心の中の中卒ヤンキー(8割ニートのフリーター)が叫んでいる。


かといって遊び呆けるというのも私は得意ではなく、何が好きかというと家が好きだ。家でじっとしているのが一番好き。前世はヤドカリかカタツムリかも知れない。
とにかく家から出たくないので、予定の無い日は「今日家から一歩も出てないな…」という日が結構ある。これに関しても全く後ろめたさがなく、最高の一日としてカウントされる。



とはいえ、先月の終わりから母が入院し、現在緩和ケア病棟に移ったため、2日に1回は病院に面会に行く、という外に出る予定がある。

面会時間は感染症対策のため15分以内と決められており、それこそ秒で終わる。ちなみに家から病院までは車で片道30分弱かかる。15分の面会のために往復1時間掛けて母に会いに行く、というと何だか少しドラマチックな雰囲気が醸されるが、現実は洗濯物を部屋の引き出しに戻し、新たな洗濯物を回収し、もうほとんど口がまわらなくなった母と世間話をちょろっとして終わりだ。現実。


母は私の試験が終わった直後に一気に体調を崩した。試験が終わるまで待っていてくれたんだな〜と思う。意外と優しいとこあるじゃん!サンキューな!という気持ち。

母は毒親とまではいかずとも、それなりに人生を振り回されたので、最後の優しさだったのかな〜と思う。
振り回されたり傷付けられたり、結構母が原因で起こったことの尻拭いをするために自分が奔走しなければならないこともこれまで多々あり、その割に私はよくやっていると思う。もうやり切った感があるので、母の病気に関しては後悔などはない。


試験のあと、抗がん剤の副作用で甲状腺ホルモンが低下し、認知障害も出るようになった。数分前の言動を一切覚えていない、水を出しっぱなしにする、洗濯物を干そうと持って来たは良いがその後忘れて放置…ということが一気に増えた。
身体的にも、試験の前日には自力で車を運転してカツ丼を買いに行ってくれたのに、その一週間後には自力で立ち上がることは困難になった。
入院の前日は私に掴まらないとトイレに行けなくなり、抱き起こす瞬間に母がゲラゲラ笑って「もうダメだ〜」と言っていたのが印象的だった。その後力が抜け、2人で布団に雪崩れ込んだ。この場面、走馬灯に出そうだな、と思った。
今は病院のベッドに寝たきり、個室にはトイレも付いているが、転倒の恐れがあるため導尿されている。


末期がんの、いわゆる終末期というところに来ているな〜と思う。
母は病院にいるということも結構あやふやな状態だが「ここは点滴されないからいいわ〜」と言っている。点滴が下手な人の愚痴をいつも垂れ流していたので、相当なトラウマになっていたのだろう。母の苦痛がなるべく少ないものであれば良いなと思う。

緩和ケア病棟では毎日体をお湯で濡らしたタオルで拭いてもらえるし、お風呂も週に1度入れてもらえる。全室個室だし看護師さんは優しいし、食べたいものも好きなだけ食べられる。
一般病棟から緩和ケア病棟に移った直後にスシローで母の好きそうなネタを20貫近く詰め込んで持ち込んだところ、母は目を輝かせて全部平らげた。
母を入院させたあとは「母はもう寿司食べられないのかな…」と私も心残りだったので、願いを叶えられて良かった。
今はひとりで起き上がることも食事を摂ることも困難となり、やはりあの時が最後の寿司チャンスだったと思う。


話が大きく逸れてしまったが、それもこれも無職だからこそ出来ることである。
無職でなければ2日に1回面会に行くことは難しかっただろうし、遠方から来てくれた母のきょうだいたちを案内したりもてなしたりすることも出来なかった(私は2つのことが同時進行で出来ない女)。
だから本当〜に仕事を辞めて良かったし、無職であることを誇りに思っている。無職界で自己肯定感の高さを比べたら結構上位に食い込む自信がある。


そんな私(無職)の日々のルーティンを記録として書いておこうと思う。
誰得なんだという話だが、未来の私が見返したとき楽しいので…

朝は6時〜7時の間でねこに起こされる。ねこは多分もう少し早く起きているが、人間がそろそろ起きそうだな、という頃合いを見計らってこの時間に起こしてくれる。忖度が出来るねこなのだ。

起きてすぐ、ねこのごはん。人間がお茶を飲むための湯を沸かし、朝風呂に入る娘のために風呂の湯も沸かす。
ゴミの日であればゴミを出しに行く。前日の洗濯物をまだ畳んでいなければこのときに畳む。ねこは隣で応援している(人間の椅子を陣取り二度寝を始める)。

娘が起床し、風呂に入ったら洗濯機をまわす。洗濯が終わるまでに掃除機をかける。
朝8時の掃除機、集合住宅ではうるさいかな?と思っていたが、私は上の階の人が朝6時すぎに掃除機をかける音で目覚めたことがあるため、まあよかろう、と思う。空いた時間にやれることは詰め込みたい。
洗濯が終わったら干し、娘が学校に行くのを見届ける。

面会がある日はこのあと面会に行く。午後から行くこともあるが、午前中に全ての予定を済ませて午後はひたすらのんびりしたい!というときの方が多いので最近は午前の面会の方が多い。

面会の帰りに買い物があればスーパーなどに寄り、昼前に帰宅。軽く昼食を摂り、午後からはねことのお昼寝タイムだ。
大体ねこは私のベッドのど真ん中を陣取って寝ているため、「すみませんねえ、失礼しま〜す」と言いながら紙の薄さとなってねむる。ねこの体温があったかい。幸せだな〜と思う。

目覚めると大体15時くらい。もう15時!?と毎回びっくりする。
その後は晩ごはんの支度をしたり、帰宅した娘の腹を満たしたり、バイトに見送ったりし、風呂の湯を溜める。この時点で17時。

洗濯物が乾いていればこの時に畳む。乾いていなかったらそのまま。最近寒過ぎて、外に干しても乾いてんだか乾いてないんだか、冷たくてわからない。だからしばらく部屋干しして室温に戻している。

18時、風呂。
早いなあと思う。小学生の頃、親戚のおじちゃんや祖母が夕方に風呂に入り20時頃には床に就いているのを見て「早すぎやろ」と毎回心の中でツッコミをいれていたが、年を取ると色んなことを早く片付けてしまいたくなる。そしてやることがなくなり、とっとと寝るしかなくなる。その結果、ジジババは早寝早起き、という結論が導かれるのである。

娘がバイトから帰って来るのが21時すぎ。それまでの間に日記(紙)を書いたり、YouTubeで見つけた寝る前ストレッチなどをする。娘が帰宅したら飯を出し、片付け、22時頃には布団に入る。早すぎる。

そんな感じで無職ながらやり切った一日は、睡眠時間が昼寝と合わせて12時間くらいになる。猫みたいな生活だ。
しかしこの生活がとても私には合っているし、めっちゃ楽!今後開業してやることが増えたらきっとこんな日々も遥か遠いところへ行ってしまう。だから今、全力で無職を謳歌してやるぞ〜!という気持ち。
無職最高〜!


◎最近のできごとコーナー◎

推し活、聖地巡礼のために友人と金沢に行ったり
ねこが勝手にブランケットにくるまって寝ていたり
シャワーヘッドを買ったら取り付け出来なくて涙したり
(背景が雑すぎる)
娘が好きなキャラクターグッズを買うために朝一でアベイルに並んだり
久々に本を買ったり
彼氏に一足早いクリスマスプレゼントをもらったり
眠剤で記憶がないまま期間限定のダッツを食べたりしています


おわり

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