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東京大学理数学(2020)

毎年解いてる東大数学を今年も解いたので記録がてら講評(というかただの感想(笑))を書きます.今年は大手予備校より早く解いて書こうと思っていたのだが結局この時間になってしまった.まだ他の講評を見てないので完全に個人の意見です.

写真は11月に東京大学行った時に撮ったもの.iPhone11Proのナイトモードすごい.

第1問
a,b,c対称的な二次不等式と集合{x∈R|x>p}の問題.
(1),(2)はグラフと不等式の解の関係が見えてれば自明で済ませたいぐらい直感的.
(3)もa,b,cの対称性を考えればそれはそうだという感じ.場合わけも自然にできる問題だから東大受けるなら解けておきたい問題.
解答を書くための「表現力」を図る問題.
やや易しい

第2問
幾何の問題.
まず幾何の問題を見たら座標かベクトルか三角関数を考えるのが基本だから自分はベクトルで対応しようとした.
条件の不等式があまりにも使いにくいので図示して等積変形を行うと案外シンプルな形になる.その過程で場合分けも見えるどころか領域まですぐ見える.
相似な三角形が見えるので「面積比=高さの比」など使えばベクトルなど使わずに値がでる.
もしベクトルで処理をするなら大変かなぁと思う.
難易度標準.
条件を満たす領域は三角形の形状に依存せず一定というのは非自明な感じがして非常に面白い問題だと思った.感動.

第3問
媒介変数と微分積分の問題.
(1)(2)は本当に易しいので確実に点数にしときたい問題.
(3)も直感的には求める面積はすぐわかる.記述にこだわって時間を使うよりはさっさと計算をして答えを出しておく方がいいかと思ったり(笑)
計算自体は難関大受けるなら絶対にできておきたい.問題としてはこれも本当にいい問題.ぜひいつか扱いたい.
難易度はやや易しいが第1問より難しい.

第4問
整数の問題かな.問題を読んで二項係数に関係ありそうだと思ったら案の定繋げることができた.
(1)はシンプルに計算だけど簡単ではない.ここで展開の問題と結びついた人は(2)以降が取っつきやすいと思う.
(2)は本当に面白い問題.自分はすぐ下の関係に気づいて解いたが証明どこまで書こうかと悩む.展開を考えれば明らかに思える.

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ここに気付ければ(2)は瞬殺.
n=1,2,3ぐらいまで考えれば答え想定できるのでそれを数学的帰納法を使って示すのも可能(直感的には少し大変そう).
(3)は(2)使って係数比較ですぐできる.(2)が厳密にできなくても予想した答えを使って(3)は解けるので解答は書いておきたいところ.
やや難(それにしてもいい問題すぎる.感動)

第5問(ここら辺で正直自分は疲れてきてた.)
(1)は易しいのですぐできる.
(2)は(1)に惑わされてただの円錐の体積求めさせられてるのかと思って悩んだ.
z=t断面を考えて積分をしたがパラメーターが1つじゃ足りなくて2つのパラメータを使って解くことになった.
ただただ面倒だったがなんだかんだ綺麗でこれまた感動の問題.本当にいい問題(n回目)をお作りになられるなぁ.
自分の方法は少し大変だったから他の綺麗な解法がありそう.
円錐の底面固定で頂点をx軸方向に並行移動したときの通過領域と考えることができそうだったりx=t断面を考えると形がシンプルそうだったり,この問題について研究していきたいところ.
やや難

第6問
今回はこれが一番厄介かなと思う.時間が余った人や東大受験でも数学を武器に合格する人向けだと思う.
(1)はグラフを書けば当たり前じゃんという問題.証明は中間値の定理を使うのが王道かな?ただ中間値の定理って大学入試ではなかなか使うのが難しくてこれが東大受験生みんなが簡単にできるかと言われれば厳しいと思った.
(2)は(1)の誘導を意識すれば方針が立てやすい.接点置いて接線出して法線も考えてと基本的なことを行なっていく.計算は簡単でない.面倒.
(1)のおかげでr≦1/2が出るが十分条件であるから最大値が1/2であることをいうには,さらにしっかりした記述を書く必要がある.これは記述まで完璧にするのはかなり難しい.ただいい問題ですなぁ(n+1回目)
難しい

ここ数年では珍しく,今年は東大受験生なら全員解けるだろという問題がなく,軒並み難易度が高かった気がする.並みの受験生が完答できたとしても第一問ぐらいで構想力も表現力(記述力)も計算力も本当に高いレベルを要求されている気がする.ただ各大問ごと点をしっかりとる部分はある印象


数学を楽しんでいる身からすると本当に良問ぞろいでTwitterでも東進の志田先生とすごいいい問題だった!と感動を共感したほど.問題研究もまたして授業でいつか使いたいなぁと思う.

次は京大,阪大あたりを解くかな.
噂だと京大はむずいらしい(まだ問題すら見てない).

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