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30年前の、とある不登校児の一日②
30年前の、とある不登校児の一日①
からの続き…
この日は、電車に乗っている途中で、今日は行けないな、という気になり、
一日、登校せずに時間をつぶすことを決めた。
まずは京浜東北線で、山手線に乗り換えできる駅へとすすむ。
山手線をぐるぐる回って、まずは車窓を楽しみ、
飽きてきたら、読書をする。
本も読み終わってしまうと、途中下車できる定期の範囲内の駅へと戻る。
途中下車して、お昼を食べたり、
駅前のデパートをウィンドンショッピングしたりする。
といっても、昔から洋服等に興味がなかったから、主に過ごしたのは、デパートよりも駅ビルにある、レコード店か書店であった。
レコード店ではCDの視聴をしたり、書店では新刊をチェックしたりして、
数時間は余裕で過ごせた。
それにも飽きてしまうと、地元の図書館へ行き、
心置きなく読書を楽しんだ。
そうして、だいたい学校から下校する時間と同じなるように見計らって、
帰宅するのだ。
学校を休んでも、ただ欠席扱いとなるだけで、親に連絡がいくこともなかった。
週に何度もということなら、話は別なのかもしれないけど、
あっても、登校しないのは週一ぐらいだったので、問題にはならなかった。
親は私に無関心だったし、私立の学校で成績はよく、遅刻以外は問題行動もなかったので、学校からも放っておかれたのだった。
平日に制服姿で街中をふらふらしてたのだけど、
私が地味だったし、毎日というわけでもなく、
多分、試験か何かで学校が早上がりなんだろう、とでも思われたのか、
補導をされることもなかった。
こんな感じが結局高3まで続き、だが、無事に卒業できてしまう。
そのこと自体は素直にありがたいとは思っているが、
こうして登校せずに、町で一人過ごしていた時の、ほっとした気持ちと罪悪感がないまぜになっている一日が、こうして30年もたっても、忘れられないのだ。
大学生当時リーリスされた曲。中高生当時の苦しさと、希望がきくたびに呼び起こされる。
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