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ピクルスと…

冷蔵庫には、キュウリのピクルスが一口残っている。
これを食べきれば、俺は二度とこのピクルスを食べることは出来ない。

残りのピクルスを食べ干す前に、俺は色々なピクルスレシピを試したり、店であらゆるピクルスを探し、食べた。

だが、俺が求めるピクルスを超えるピクルスと出会えない。
このピクルスは、元カノの智子が作ったものだ。

彼女は料理が得意で、俺は特にこのピクルスに胃袋を掴まれた。
こんなにおいしいピクルスを作ってくれる彼女がいるのにも関わらず、浮気をした俺が完全に愚かだった。

智子は本当に素敵な女性だった。
性格も良く、端正な顔立ちでスタイルも何も不満は無かった。

俺のバカな浮気のせいで、智子から別れを告げられた。
智子に落ち度は無い。

本当にショックで、何か月も引きずった。
最近ようやく心の整理が付いた。

だが、このピクルスだけはどうしても諦められない。
このピクルスを食べたいから、また作って欲しいだなんて連絡したら俺は完全に最低男だろうか。

#ピクルスにしか目が無い男

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