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【分かりやすい資料の作り方】04_[原則1]情報の構造化②

前回ある程度情報の整理ができましたので、今回は引き続き本格的な構造化を進めていきます。

次に行うのは「階層化・ツリー化」「マトリクス化」の2つです。
これらは目的に合わせていずれかを選ぶようにしましょう。

Ⅰ. 階層化・ツリー化

「階層化・ツリー化」については、ワープロ文書などで章立てを作って記述していくときや、問題の因果関係を示すとき解決策や工程を具体化するとき等に有効です。

04_階層化01

大項目、中項目、小項目、といった流れで情報を階層構造で表していきます。

階層化をするときに文頭に付ける記号として最も定番の例としては、大きい方から順番に「 Ⅰ ⇒ 1 ⇒ (1) ⇒ ① ⇒ 1) 」とする形です。

あと、私が良く使うのは「■ ⇒ ・ ⇒ -  」といったものもあります。

他にも階層の表現方法は様々ありますが、大抵これらの表現で間に合ってしまいますので、これだけ覚えておいてもらえれば良いかな、と思います。

Ⅰ. 当社の今後の戦略について 
  1.
過去の取り組みについて
    (1) 過去の新商品の開発
      ① 新規参入したA社への対抗として・・・

といった具合です。

ここで1つ気を付けてほしいのは、ひとつ下の階層の話をする場合には、必ずインデント(字下げ)をしていただくことです。

仕事をしていると、折角この階層化を行っているのにインデントをしていない資料を見かけることが良くあります。

こうしてしまうと、どこが階層の境目なのか、関係性が視覚的に分からなくなってしまい、分かりづらい資料となってしまうのですよね。

このインデントというわずかな手間で、視覚的に劇的に分かりやすい資料になりますので、是非気を付けてみてください。

04_階層化02

Ⅱ. マトリクス化

次に「マトリクス化」です。マトリクスは表のことですね。

マトリクスは状況の全体像を示すとき、構成要素の相互の関係性を示すとき、等に有効な表現です。

特にビジネスシーンにおいては全体像を示しながら説明や議論を進める事が非常に多いので、マトリクスは非常に重要です。

04_マトリクス01

情報をマトリクス化するためには、縦軸と横軸、2つの軸で情報をグルーピングする必要があります。

前回、1つ目の軸として「時間軸」でグルーピングしましたが、これを横通しで見て時間軸"以外で"見いだせる2つ目の軸は無いでしょうか。

軸をあぶり出す切り口としては『5W1H』だったり『3C』といった定番のフレームワークが一番よいです。
それ自体がMECEであることが明白であるためです。

5W1Hであれば「なぜ(背景・理由)」「いつ」「誰が」「何を(対象)」「どのように(手段)」「どうする(アクション)」といった項目が軸になります。また3Cであれば「自社(Company)」「顧客(Customer)」「競合他社(Competitor)」の項目が軸に並ぶ形です。

今回は横軸に「過去・現在・未来」を、縦軸に「3C」を当てはめてマトリクス化をしてみました。

04_マトリクス02


このようにマトリクスにしてみると、読み手は文章でダラダラ書かれた情報と異なり、内容を視覚的に、記号的に、パッと見で頭の中に入れる事ができます

Ⅲ. 構造化は考察を与える

更には構造化は読み手に考察を与えます
出来上がったマトリクスを見てみると、「顧客」行の過去と現在が空白であることに気づきます

また「競合」行の現在と未来も同様です。
つまり「過去や現在の顧客を取り巻く状況はどうだろうか?」とか「競合は現在から未来でどのように変化していくだろうか?」といった内容が、前回のディスカッションでは不足していたという事が浮き彫りになりました。

このように、構造化はカオスだった内容を視覚的に分かりやすくし考察(=メッセージ)を伝えやすくするのです。

04_マトリクス03

『情報の構造化』は全ての基本です。
資料だけでなくあらゆる仕事の基本と言っても過言ではないと思います。

それぐらい、情報を構造化するというのは重要なので、私自身も、もっともっとこの力を磨いていけると良いと考えています。

次回は[原則1]の解説としては最後となりますが、マトリクスをより分かりやすくするためのテクニックについて紹介していきます。

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