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精神障害と体重増減

もともと標準体重より低めだった私だが、精神障害を抱えるようになってからガリガリに痩せてしまった。おそらく、生活への余裕のなさや精神不安定からくるものだったのだろう。会う人会う人に、「ちゃんと食べてる?」と聞かれるほどだったが、当時私は毎日ラーメンは当たり前、夜中に睡眠薬を飲んでからは無意識にスナック菓子を10袋くらい空けているなんていうのもザラなくらいには食べていた。

当時のFacebookには、「今年こそ太りたい」「食べてるのに太れない」「太りたいからエンシュア(経口栄養液)を処方してもらった」などと書いてある。街を歩いていても、どこからともなく「ヤバ、ほっそい!」と誰かの声が聞こえるので、とにかく太りたくてたまらなかった。160センチの身長に対して、37キロしかなかったのだった。

ところが、だ。

結婚が決まったあたりから、ゆるゆると体重が増加し始めた。最初こそ「やっと3キロ増えた!健康的でいい数字!」とか書いていたが、増加は止まることがなく、気付けば結婚して7年目で、62キロまでに増えていた。

もちろん、50キロを過ぎた辺りからはこれ以上太ったら困るとは思い、ダイエットを繰り返すようになった。しかし、言葉通り「繰り返す」、つまり痩せてはリバウンドし、痩せてはリバウンドしの日々の中で、取り返しのつかないところまで来てしまったのだ。

最初は、結婚したことによって生活が安定し、精神状態もかなり安定したので、いわゆる幸せ太りだと思っていたが、よくよく考えてみると結婚したあたりから処方される薬が変わっていたことにも気付いた。まだギリギリ50キロ台だった時に主治医にそれを伝えて相談したが、「ちょっとずつ変えていきましょう」とのことでなかなか太りやすい副作用の薬をやめさせてはもらえなかった。

そして、62キロをたたき出したところで、私はキレてしまった。

「体重の増加がもはや一番のストレスなんです!即刻切り替えてください!」と。

なんとか別の薬に変えてもらうと、なんにも生活を変えていないのに1か月で3キロほどスルスルと落ちた。やはり、薬の副作用もあったのだ。

薬の副作用で太るというのは、基礎代謝が落ちてしまい、痩せにくくなるということと、食欲が増してしまうという2つの理由があるらしい。基礎代謝については実感がなかったが、食欲は目に見えて減ったのがわかった。まず、夜中に何かを食べたくなることがなくなった。食事の時も、腹8分目で満足するようになった。精神薬、恐ろしい!と改めて感じた出来事だった。

それを機に、私はダイエットをゆるゆると再開することにした。今までのように短期集中をやめて、1か月に1キロ落とすのを目標に、ホットヨガに通ったり(鬱の時は通えないが)、ちょっとお菓子をやめてみたりした。

今のところ理想通りに落ちてきているので、その結果をモチベーションに続けているが、病院で薬が変わるときには「それ、太らないですよね?」と聞くのが習慣になっている。

私のように突然薬を変えるのは本来はよくないことだけれど、精神薬で太ってしまったという方は、一度医師に相談してみるといいと思う。(間違っても自己判断で断薬はしないでください。)

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