詩|海王星パラドックス
流れない雲の上を
氷のような雲が流れて
海のような青の空に
意識だけが溶けていった
境界線のない永遠のグラデーション
見えない未来に満たされていく
「不安」に囚われた瞬間に
現実という箱の中におちて
自分だけが分離しているように感じる
わたしの輪郭をほどいていく
一度自分をなくしてしまえば
本当に必要なものだけが
浮かび上がるような気がして
自分でつくった自分のイメージが
重荷になっているのかもしれない
わたしもあなたも宇宙も
別々のように見えて重なり合っている
喜びも悲しみも
希望も絶望も
すべて重なり合って
愛に包まれている
そのレイヤーを楽しみながら
愛の途中を生きている
いつか
愛が完成するとき
わたし達は
ひとつだったのだと
最後の最後の最後は、ただ愛だけ
海王星パラドックス / 月乃