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受け入れるのかぶつけるのか

前日観た

偶然と想像

が良かったもんだから

PASSION

を観に、ユーロスペースへ

軽やかな偶然と想像とは違って、
自分自身について考えてしまう映画だった


世の中って
言わなくていいこと
であふれてる

本音を隠しておけば、あるいは気づかないふりをしておけば
最高に幸せ!とは言わないまでも、平和に生きていけるんだと思う

もしかすると、隠すつもりはなくても
自分の本音がわからないってこともある

そんな本音が会話によって露わになる過程が描かれていた


教師である果歩が生徒に暴力について語るシーン

婚約者の智也には見せないであろう強い態度と口調
覚悟をもって生徒に伝えたいこと

暴力の連鎖を断ち切るためには、
自分の内側から出る暴力をなくすこと
それはつまり、暴力を受け入れて対抗しないこと

果歩のこの主張は生徒には受け入れられない

暴力を受けて自分だけが傷つけられるのは嫌だという生徒
理由はわからないが、自分の内側から出る暴力を止められないという生徒

結局果歩は、生徒と理解し合えることができず
疲労困憊で帰宅する

果歩のこの、暴力を受け入れるという考えは
プライベートで彼女が築いてきた人間関係そのもの

でもそんな果歩も含めて、登場人物が自分の本音に向き合い、さらけ出し、ぶつけ合っていくことになる

特に緊張感をもって描かれていたのは、智也たち3人の

真実ゲーム


本音で話すというゲームのルールによって、
それぞれが見て見ぬふりをしてきた本音と向き合うことを強いられる
それが見ていて苦しい

本音をぶつけたことで、
登場人物どうしの関係性が変わったようにも見える一方
結局同じことを繰り返すのかもしれないとも思えてしまうラスト

自分と他人の本音と向き合うことで、新たな関係性ができるのか
それとも人は簡単には変わらないのか

私は本音を隠して受け入れるの
本音をぶつけるのか
簡単には出ない答え


生徒と暴力に対する考え方が分かり合えないまま帰宅した果歩が、智也に
自分の分も作ってとリクエストした

スパゲティミートソース

果歩は心身ともに疲れはてて、
スパゲティを食べたのだろうか

食べる元気なんてないけど、
智也が自分のために作ってくれたという事実が欲しかったのか

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