見出し画像

専業主婦の自分の価値

14年間の専業主婦生活を終え、事務の仕事をやっとの思いで見つけて2年半働いて、あわよくばフルタイムの座を狙っていた。内部募集で1度そのチャンスがあったけれど、私ともう1人「候補者」がいて、面接を受けた後に、そのもう1人の「候補者」は私の横の席で私よりも5年も長くフルタイムで働いてる同僚だった。彼女が採用された。彼女の職は変わることなく、タイトルが変わっただけだった。知らなかった私はガックリきた。知ってたら応募しなかったし。

いつかチャンスが来ると信じ、毎日ポジティブに仕事をしていた。仕事は安給料だけど楽しかった。コロナ禍で4月から自宅勤務となり、バリバリ頑張った。だけど、解雇のお知らせはある日突然やってきた。上司との1対1のオンライン・ミーティングへの招待が「議題」空欄で送られてきた。ミーティングの日までに解雇通達であることはほぼ推測できたので心の準備をした。ミーティングでは明るく振る舞った。上司も言いにくそうだった。突然自宅勤務に切り替わって、そのまま会うこともなくみんなとお別れという流れになった。

これは、「私にはもっと良いチャンスがある」から神様が私の肩を押したんだと思って常に今まで前向きに過ごしてきた。

そもそも、私が仕事をしたかったのは、私はずっと自分に価値を見出せなかったからだ。仕事をして世の中の役に立ってその分のお金を稼がないと、どうしても、誰がどう説得しようと、自分の価値が見出せなかった。今でも同じ。お金を稼いでいない自分に価値を感じられない。どんなに自己啓発の本を読んだりネットを見たりして、「自分を好きになる」「そのままの自分を認める」ことをしようとしても。

採用してもらうのに経験が何より必要なアメリカで、ブランクの後にやっと得た職を失い、振り出しに戻った感覚だった。もちろん、履歴書に書ける経験が一つ増えたし、今回はレファレンス(推薦)も元上司にもらえるので有利になったとは思う。決して振り出しではない。そう頭で分かっていても、すでに失業して3ヶ月経過。普段は元気に過ごしているけれど、たまに友人と話す機会があると「ところで、仕事はどう?」と聞かれる。何気なく聞いているだけなのだけれど、聞かれると答えなきゃいけない。答える度にその現実を思い出して、また悲しくなる。書いているとまた涙が出てきた。

それでも懲りずに明日も自己啓発に勤しんでいくことになるだろう。目の前の事を淡々と。今の私にはそれしかできない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?