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芸歴6年目になりました。


僕はお坊さんをしながら芸人をやっています。
相方も一緒に修行したお坊さん。観音日和というコンビです。

コンビ結成の話を簡単にすると相方の工藤くんを含んだお坊さん何人かの飲み会で『お坊さんじゃなかったら何になりたかった?』という問答を繰り広げていたところ僕と工藤くんが芸人になりたかったと思っていたところから始まった。

そこから工藤くんとコンビを組み、養成所に通い、ホリプロコムという事務所に所属して芸歴一年目がスタートした。それからはネタ作りとライブに出る日々。あっという間に5年の月日が流れ芸歴は6年目になった。

今までは芸歴が更新される度に焦りや不安の感情。もっと精進進しなければという鼓舞することが多かった。

でも今回6年目になってみるとよく解散せず、辞めずここまでこれたなと感謝の思いが湧き出てきた。自分でも不思議だった。

芸人の中で6年目なんてまだまだ若手、感謝の思いなんて芽生えたら辞めどきなんじゃないかとも思う。でも辞めようとは1ミリも思わなかった。
M-1が終わったり、年が明けたり、年度が変わったりすると芸人の解散報告や引退報告がTwitterのタイムラインにたくさん放流される。驚きと悲しみと残念な気持ちでいっぱいになる。次は自分の番かなと思うこともあるし解散報告に自分はどんな文章を書くだろうと考えたこともある。

まだ辞めようと思わないということ。それは自分にはまだ売れる可能性があると思えているということになる。
まだ解散しないということはまだ観音日和として売れる可能性があると信じているということになる。

その自信と可能性。それは自分が芸人になる前までに貯めた貯金なのか、それとも芸歴を重ねる度に湧き出てきたものなのか、正直わからない。どちらのような気もするしどちらでもないような気もする。
もし前者だった場合はもう時間の問題。芸歴とライブが増える度に減る貯金も大きくなる。残り残高も多いとは思えない。後者だと有難い。

ただ6年目になりここまで続けれられてよかったな、有難いなと思えたのはお坊さんだからではなく芸人になってよかったなと心から思えたからだと思う。
たくさんの面白い人に出会えて、憧れの人とライブやテレビに出てて。その人たちに笑ってもらえたら失った何倍もの嬉しさと自信が湧き出てきて。帰り道の充実と夢か現実かわからない幸福の時間を感じられて。


ライブでネタをやってお客さんからたくさんの笑い声が聞こえたとき、その瞬間が一番好き。面白いという感情が笑い声になって返ってくる。
自分がたくさん悩んで、考えて選んだプレゼントをものすごく喜んでもらえたときみたいに。

その笑い声は「おもしろいよ!」「明日も芸人続けていいよ!」「ずっと芸人でいてね!」そんな声に聞こえる。

お客さんにたくさん笑ってもらえた分僕は芸人を続けられる。自分の芸人としての命を延ばすために今日も寿命を削ってネタを作る。

否定の声や、叩いてくる声。そんな簡単に作れる武器で傷つけられた心の傷なんかライブでお客さんに笑ってもらえたらすぐに治る。

6年目。本当にまだまだだけど。日々できること、やるべき頃をサボらず、怠けずやっていきたいと思う。感謝の気持ちを感じながら。

いつもライブ見にきてくださりありがとうございます。
恩返しできるように精進いたします。


感謝合掌。


励みになります。皆様の慈悲深きサポートの渾身の合掌で包み込み新しい木魚を買います。