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a Paris

パリに行く機会はいくらでもあったのに
初めて訪れたのは新婚旅行だった。

シャルル・ド・ゴール
夢のような旅のはじまりを予感させる。

日本からパリで乗り換えまずはスペインへ。
お楽しみは最後に取っておくのだ。

飛行機で1時間。
まるで情熱の国にようこそと出迎えてくれてるような
着陸寸前でみた真っ赤な太陽が忘れられない。
黒と赤の燃えるようなマジックアワー。

サッカーでロナウドを観たり
数日間食べ歩いたりして
つぎはポルトガルへ。
港街を散策してシーフードに感動したり
とびきりの時間を過ごす。

最後にパリへ。
ここでの目的は誕生日のお祝いしてもらうこと。
真っ赤なかわいいレストラン。
入り口にはテレビでよく見り日本人もいた。

隣に座ったフランス人の老夫婦がとても仲良しで
食事中も手を握り合っていた。
囁くようなフランス語の会話が心地よい。

ふたりはよく似ていて
わたしたちもこんな風に穏やかで
愛しい雰囲気を出す夫婦になりたいと思った。

おじいさんが食後のチーズを切り分けてるのを見て
やっぱりレディファーストなんだなぁと
ぼうっと見ていたら
君も食べるかい?と私たちにまで取り分けてくれた。
やさしい!

最高のディナーの翌日もパリ散策をしていると
パリの人たちは昼間っから
キンキンに冷えた白ワインを飲むんだよ
と夫が教えてくれた。

ビジネスランチでも楽しそうに食事しながら
ワインを飲んでいるシーンに何度も出会した。
スーツ姿がまたかっこいい。

わたしたちもまねをしてカフェで白ワインを飲んだ。
わたしはシュワッとしたいからシャンパンにしよう。
と思ったらこっちのが飲みやすいよ
と夫がまた教えてくれた。

オレンジ色の泡が太陽で反射して艶やかに光る。
カラッとした5月にパリで飲むミモザは最高だった。

今日みたいなセミがせわしなく鳴く8月の昼下がり。
真っ赤な本にパリの記憶が蘇る。

わたしはまたあの魅惑のミモザが飲みたくて
代官山のカフェに急いだ。

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