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フィクションの名のもとに

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#不思議

(小説)心のまま…5

(小説)心のまま…5

「これは…1人のようでいて、2人が重なって写っているね…」

「視える」タイプの理穂が、集合写真の「和馬」を眺めてそう言った。

私から見た、写真の中で笑っている「和馬」は、例のホクロもあるし、右端の歯が1本、外を向いている。
絶対に和馬でしか無い。

しかし、主催者であるマキが言うには、
和馬の代わりに会費だけ持ってきた弟・優馬君が、集合写真に参加しているだけなのだそう。

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心のまま…4

心のまま…4

「もしもし、マナミ?同窓会で途中でいなくなったでしょう〜なんで?」

同窓会主催者のマキが
電話をかけてきてそう言うからドギマギした。

私はちょうど手元に、記念撮影の写真を持っていた。

「実はね、和馬と隣のホテルのラウンジで飲んでたんだ」

と言ったら、マキが黙り込んだ。そしてこう言った。

「え?は?和馬って、広田和馬?嘘。来なかったよ?」

「え?はこっちのセリフよ

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心のまま…3

心のまま…3

「それで?したの?しなかったの?」
理穂は、その小さな目を見開いて聞いてきた。

「ないない、ないない」

私は両手をブンブン振って否定した。

理穂の目は、またいつもの小さな目になる。その目はいつ見ても「彫刻刀でスッと傷をつけたかのような」細くて小さな目。
彫刻刀の種類は、刃を正面から見たらVのやつだ、、、
と、どうでもいいことを考えながら、コーヒーカップについた口紅を親指でぬぐった

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