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natsuki羆便り

皆さん、うんちはお好きですか?
私はうんち大好きだ。うんちを見たらすぐに近づいて、しかもビニール袋にいれて冷凍保存してしまう。というのも、ヒグマのうんちだ。
私は大学生時代ヒグマの研究をしていたことから、野外で糞らしきものがあればすぐさま近づき、まず見た目を観察し、匂いを嗅ぐ。すると大抵の糞はうんち特有の臭い匂いがする。しかし、ヒグマの糞はあまり臭くないのだ。 なぜ臭くないかはわからない(恐らく動物性のモノ、例えば鮭やエゾシカを多く食べる糞は臭い)。消化機能が弱いため、食べたものがそのまま形を残して糞に出てくる。また時期によって食べるモノが変化し、季節と共に匂いも変化する。春から晩夏までの糞はフキやミズバショウといった葉っぱ系のモノを食べるので、埃をかぶった土のような匂いがする中で、春のほろ苦いような匂いがする。秋の糞はドングリやヤマブドウ、サルナシ(コクワ)といった木の実が多く、特にサルナシの糞は最高にいい匂いがするのだ。サルナシは甘いキウイのような味と匂いで、糞になってもフルーティーな香りがする。…ここだけの話、出したてほやほやのサルナシ糞を食べたことがあるが、もし1日だけ世界に食べられるものが無くなってしまい、サルナシの糞しかないとなれば全然食べられる。そんな味だ。わかりずらかっただろうか…

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近年、個体数の増えたエゾシカが越冬出来ずに弱り瀕死状態の個体を食べるヒグマが増えてきた。こういった動物性のモノが入った糞は悪臭を放つ糞が増えてきているので、少し匂いを楽しむ機会が減った感じがして残念だ。

さまざまな一面を見せてくれるヒグマのうんち。皆さんも気になって来たのではないでしょうか。ちなみに、今年富良野自然塾(職場)のフィールドを散策していると、ヒグマのうんちを発見した。内容はサルナシ!今回の糞は出されてから1週間は経っているモノだったので、食べはしなかったが、今年は他にも2つ糞を拾ったので合計3つ。去年は1つも拾うことが無かったのでヒグマに森として認められたということも感じ、とても嬉しい気持ちになった。

RT5背擦り木

うんちで大盛り上がりな話でした。

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