3番ちゃんのこと

私は4人きょうだいの長女だ。
妹2人と末っ子の弟1人。

ここでは、私が1番ちゃんとして、次女を2番ちゃん、三女を3番ちゃん、末っ子長男くんを4番くんとしていく。
父はいつも、私達きょうだい4人を人に紹介するとき「これが1番、で、2番、3番、4番!」みたいな感じで紹介する。嬉しそうな顔して。

さて今日は3番ちゃんの話をする。
2022年12月18日現在私は19歳フリーターで、大学2年生の代。3番ちゃんは中学校3年生15歳。つまりは3番ちゃんは受験生。

一昨日、金曜日がどこの高校に行くのかを決める最後の日だったらしい。おそらく用紙に記入して提出する日だったのだろうと思う。

その日、3番ちゃんは学校を休んだ。

とても珍しい。とても明るくて、目立つグループにいる気の強そうな、ボスな感じの3番ちゃん、でも真面目で優しくて繊細なところがある。自分の弱さに悔しくて泣く、友達にしてしまった態度に申し訳なさを感じて家で泣く、そういう子。学校嫌いな子ではないし、負けず嫌いだからメンタルが落ちても学校には行く子だ。

彼女の中で選択肢は2つで、その2つのうちのどちらが自分にとっての最適解なのかを何ヶ月もずっと考えていた。
学校を休んだ前の日にも、父と話していた。母と電話をしていた私も電話越しにその会話に混ぜてもらった。
我が実家には、犬が1ぴき。
私が
「その子に決めてもらったら?」
というと、
「さっきやった」と父と3番ちゃん。
「鉛筆を倒すのももうやったんだよ」

どっちになっても、
「うーん」
「…うーん」
と3番ちゃん。

友達のこと、勉強のこと、部活を続けるかどうか、部活を続けるなら勉強と両立できるのか、部活をきっぱり辞めて新しい友達を作ってバイトしたり恋愛したり女子高生を目一杯楽しむのか。かいつまんで言えば、こんな感じのことで悩んでいる。その奥にはもっと細かく細かく、彼女の中に色々あるのだろうと思う。

酷だよな、こんな人生の初めての選択に締め切りがあるなんて。早く決まる人もいればまったく決まらない人だっているのに、学校という場所は締め切りを設定してくる。進級があって、卒業がある。

3番ちゃんは偉い。
これだけ自分の人生にこだわっているのだ。素敵だ。素敵な人間だ。彼女はよく考える人だし、妥協を許さない。頑張るなら頑張りきりたいし、楽しむなら楽しみまくりたい、そういう人。人間関係や、自分の感情の把握やコントロールの面では不器用だけど、基本的には色んなことを器用にこなす。頑張りたいこと、好きなことに対して全力で、しかもその努力の仕方もとても器用で適切。きちんと結果も出せる。

陸上部のリレーメンバーだった3番ちゃん、全国大会目前まで行った。

走ってる彼女を見て何度も目が潤んだ。

走る前、走ってる最中、走り終わったあと。どの瞬間も彼女は良い顔をしていた、頼もしい背中だった。

全国を逃した瞬間も見た。かっこよかった。

我が妹、とても尊敬できる。

3番ちゃん、あなたが何を選んでも、どこに行っても、私はあなたが大好きで、尊敬していて、ずっと味方です。
ずっとずっと応援しています。

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