あの子がほしかったハグ
小さい頃、ずっと寂しかった人。
小さかったあの子は、親の愛が欲しくて欲しくて、たまらなかったみたいだ。
ある程度成長してから、そう感じていたことに気づく。
まさか自分が、寂しい、と思ってるなんて子どもの頃は分からなくて。
分からなかったのかな、分かりたくなかったのかな。
褒めてなんて言えるわけなくて、自分からハグをしに行けるわけもなくて。
親の愛が、親が子どもに無償でくれるはずの「大好き」が、欲しくて、欲しくて。
愛されていることを、自分の母親、父親の肌からしか感じ得ない体温を、感じたくて。
素直に甘えられず、無愛想にしてたのがよくなかったのかな。接しにくい子どもだったかな。なんであんなに強がっていたんだろう。なんで寂しいと言えなかったんだろう。
なんで、ハグしたいとき、自分から勢いよく抱きつきに行けなかったのだろう。
そんなシチュエーションが成立するようなキャラクターの子どもではなかったけど。
ただ、
ハグしてほしかった。
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